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エンリケスは大げさに両腕を上げ、足を高く蹴り上げると、蛍光ブルーのボールを外骨格スーツのセンサアレイへとまっすぐ投げた。空ろな音が反響し、武装した3メートルの物体に鋭く跳ね返ると、ボールはスピードを上げて重装備室の間を転がっていった。

パン軍曹は手にしたタブレットを調べていた。スワイプすると、彼は15秒前に言ったことを繰り返した。

"何か見えるか?"

軍曹はちらりとエンリケスを見上げた。彼は頭を振る。

エンリケスはニヤリと笑った。彼は小さなイヤフォンに触れる。"内部システムは?"

"あなたは何も投げてないようです。認識災害フィルターシステムはこのユニット内で適切に機能しています。" マヌ13が返答する。外骨格スーツは右腕をセンサアレイへと正確に上げ、敬礼を制御した。"なおれ1、軍曹"

パン軍曹は見上げること無く鼻を鳴らしながらデータを入力した。

"彼のことは気にするな、マヌ。彼は人間のユーモアのセンスを全く持ってないんだ。" エンリケスは次に自分のタブレットにいくつかのメモを書き取る。"ユニット・スリーを確認。ミッション標準の探査スーツにしては三千万元の機密ソフトウェアを運ぶのに悪くない。"

"今回みたいなミッションでは直接のインタフェーステストは本当に直前まで行わない。72時間後にはコロニーへ到達する。" パン軍曹は台車の下に転がっていた校正器具を探し出した。"書類仕事は順調か?"

"ああ滅茶苦茶だよ、だけどなんかとしたさ。建設ユニットのあの馬鹿野郎は何で着陸着後に鉱物調査をしなければいけないのかと本当にたくさん問い詰めてきやがった。到着祝いで他のやつらが忙しくてよかったよ。あいつらはあのクソ騒ぎの映像を故郷に送ってたって知ってたか?"

軍曹はタブレットから目を離さない。 "ああ、そうだろうな。"

"ああ、そうさ。マヌ、次のユニットへ送ってくれ。このパーティを続けさせよう。"

エンリケスは残りのの実験器具を台車に並べると次のユニットへと進みはじめた。パンが腕を伸ばして彼を止める。

"見ろ。" パンはそのとき部屋へ入ってきた人物を密かに指差す。

2人の反対側の自動ドアからユニフォームを着た技師が入ってくる。彼は快活に歩いているが、足が不自由なようである。彼は最後の外骨格スーツの列へと進む。

エンリケスはとパンは慎重に近づいていく。パンはエンリケスを見て、そして頷く。彼はその技師へ合図を送る。

"おい!そこの君、ちょうどよかった。俺たちは電源盤を探しているんだ、助けてもらえないか?"

技師の頭が鋭くエンリケスへと向く。彼は歩き続けながら応える。"ハロー。急いでるんでね、話す時間はないんだ、すまない。" 技師はパンの方を向く。"ハロー。急いでるんでね、話す時間はないんだ、すまない。"

エンリケスは近くへと動く。"そうか、分かった。ところで一体何をしてるのか聞いてもいいかな?"

技師は目を凝らして外骨格スーツを見ており、技術仕様とともに彫られた小さな飾り板を調べている。"A3FF48799-XX3" 技師は明らかにシリアルナンバーを読み上げているようである。

"一体何なんだあれは?" エンリケスはその男の顔を記憶に刻みつけ始める。

技師は番号を繰り返し初め、同じ英数字を何度も何度も口に出す。彼は急に踵を返すと、再び不規則な足取りで快活に自動ドアへと戻っていく。その間も彼はずっとシリアルナンバーを繰り返し続けた。

パンは技師が出ていく姿を黙って観察していた。技師が部屋を出ていったとき、彼は現在マヌが入っている外骨格スーツを見上げる。

"あの男のIDを調べろ、なるべく早くだ。"

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