あなたの第一歩のための計画書作り
評価: +161+x
blank.png

あなたは1969年7月21日を迎えようとしている。「人類にとっての偉大な飛躍」――またの名を「一人の人間にとっての小さな一歩」――の痕跡が月面に残された日だ。ただ、あなたの場合は「この一歩は確かに小さな一歩だが、私にとって偉大な飛躍となるだろう」のほうがしっくりくるかもしれない。これは極めて個人的なことに関わる一歩だからだ。

残念ながら、私はNASAには務めていない。あなたをアポロ11号のパイロットとして選定することもできない。ただし、普通より少しだけ月面着陸について詳しいという自負ならある。だから、今日は簡単な質問紙を通して、あなたがあなた自身の月へ一歩踏み出す ……ええい! ENの真似をして比喩を並べるのもまどろっこしい――要はあなたが最初の一作を残すお手伝いをさせていただきたいと思っている。

質問紙は二枚組で、一枚目が適性検査――まずパイロットになれるかどうかを検査するための簡単なテストだ。そしてもう一枚は計画書――あなたの月面探査の計画を作るためのアンケートだ。さっそく、適性検査のIから始めよう。


適性検査 I


  1. 記事を50記事以上読んだ - はい・いいえ
  2. トップバーの「SCPの世界観」に属する記事を全部読んだ - はい・いいえ
  3. 記事を作成するには?を読んだ - はい・いいえ
  4. エッセイを全部読んだ - はい・いいえ
  5. 記事を書く方法を勉強する気がある - はい・いいえ

 


適性検査Iを突破したあなたにはもう一つの適性検査が待ち受けている。しかも今度は実践問題だ――ちゃんとエッセイやガイドを読んだかどうかが試される。できればどこかに書き込みながら解いてみてほしい。


適性検査 II


Q. 以下の文章のうち、SCP記事として不適切な表現・形式と、その理由を指摘せよ。


アイテム番号:SCP-xxx-JP

オブジェクトクラス: keter

特別収用プロトコル: SCP-xxx-JPは10×10×10 mの収容室に収容され、1日に2度収容室の掃除を行います。

説明: SCP-xxx-JPは大きな柱時計です。
SCP-xxx-JP内部にはSCP-xxx-JP-1が存在しています。
SCP-xxx-JP内に存在するSCP-xxx-JP-1は2000匹を超えると考えられています。これはSCP-xxx-JPの外見上の容量を超えています。

SCP-xxx-JP-1はハトです。SCP-xxx-JP-1は日本時間8時と20時にSCP-xxx-JPから2~10羽出てきて、糞をします。この糞を構成する物質は通常のハトの糞と同様であることがわかっていますが、それにもかかわらずSCP-xxx-JP-1の糞は強酸性を示します。SCP-xxx-JPは昨年エージェント太郎の祖父の自宅で発見されました。

インタビュー記録

対象: エージェント太郎

インタビュアー: ██博士

<録音開始>

██博士:これからインタビューを開始します。
エージェント太郎:おじいちゃんが、おじいちゃんが……
██博士:落ち着いてください。
エージェント太郎:おじいちゃんが、時計になってしまった……(泣)
██博士: 心中お察しします。
エージェント太郎:縺翫§縺?■繧?s
██博士:わあ、狂っちゃった。これでインタビューを終わります。

<録音終了>


さて、ここからはついに月面着陸成功のための計画書を作っていこう。計画書を作らないと、何も始まらないのだ(逆に、計画書があれば長い記事も何とかかける)! この計画書は批評を受けるときにも使うので、しっかり書くことをおすすめする。

計画書の各項目は基本的に記述式で、正しい答えなんて存在しない。だから、自分で考えて書かなきゃいけないわけだ。これは思ったより大変で、私もいつもここで苦労する。各項目の説明と書き方の例については折りたたみ内に掲載するので、あなたが初めて計画書作りに取り組むならぜひ参考にしてほしい。

記事を書き終えて批評をもらう前には、必ずもう一度自分の記事を基に計画書に答えなおすこと。そのときに、はい・いいえで答える項目で「いいえ」を選択することは基本的にない。いいえが出てきたら、何かが欠けている。批評の前に改善の余地ありだ。批評はかなり大変なボランティアで、無駄な批評はなるべく減らすべきだ。だからまずは自分で改善できるところはやりきってから批評に出そう2。批評にだすときは、ぜひあなたの計画書をページ下部やコメントに折りたたんで入れておいてほしい。批評者があなたのやりたいことを理解する助けになるはずだ。


 

 

 

 

以下の計画書の例はSCP-1042-JPを書いたときの計画の再現です。


計画書




ラフコンセプト

  • 読者に与える感情・感覚
  • 異常性(一行で!)
  • 展開(簡単に!)


構造

  • 今回使う構造はどういう要素をどういう順番で配置するもの?
  • この構造を使うと、どういう流れでどういう感情を喚起できる(面白さがでる)?
  • その構造はどこで学んだ? 実際に使われている例は?
  • その構造に必要な要素と順番はあなたの記事に(読者が理解できる形で)しっかり含まれている? - はい・いいえ
  • その他面白さを出す要素・工夫は?
  • 長すぎない?(不要な要素はない?) - はい・いいえ


異常性

  • 異常性は具体的か? - はい・いいえ
  • 異常性を要素分解しよう。
  • この異常性のどこが新しい?
  • それらの要素は記事の展開に必要? (バックストーリーが「コピペバックストーリーではないか?」) - はい・いいえ
特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。