加藤計画、昭和六年
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朝鮮内に自生する虎と豹の雑種が示す異常能力とこれに対する措置の要請


朝鮮の山野には昔から虎と豹が多く、これによる人畜の被害が民間に横行していた。しかし今日では朝鮮人の民心を安定させる目的による軍警の害獣討伐作戦で、その数は明らかに減っている。本来虎と豹は全く異なる動物であるが、朝鮮では稀に虎と豹が交接し、両種の特徴を兼ね備えた獣が誕生する。これを水虎と命名する。虎と豹が交接する事例は非常に少ないため、水虎はそれ自体希少な獣であるが、朝鮮人の間で飛び交う噂に基づいて聞き込みを行った結果、水虎は以下のような異常能力を持っている事が確認された。
  • 老衰死しない能力。
  • 地形地物の妨害を受けず、非常に速い速度で移動し、一日に数万里へだたった所を行き来する能力。
  • 武器を持ったり隠したりしている人間を正確に分別し、優先的に攻撃する能力。
  • 鵲を手下にして自由自在に使う能力。

貿易商社である松昌洋行の支配人であった山本唯三郎が組織した狩猟団である征虎軍が大正六年十一月十六日、全羅南道綾州の天台山で水虎一匹を捕獲したと報告された事例があるが、当調査局朝鮮部の自主調査の結果、当時捕獲された物は水虎ではなく、単なる豹であったと考えられた。しかし、水虎が実在する証拠として、大正十四年に斎藤実朝鮮総督に献上される予定であった物を、通常の虎毛皮二点と入れ替えて朝鮮部が入手した水虎毛皮一つがある。この毛皮の模様は虎や豹の模様は勿論、いかなる獣の模様とも異なり、人為的に手を加えられた痕跡も見つける事ができなかった。

このように虎と豹が交接して産まれる水虎が存在する事は確かだが、捕獲されたり研究されたりした事がないため、その形態と能力等に関する研究を行う事はできず、単に朝鮮人の民談と証言からその能力に見当をつけるほかない。しかし、水虎の持つこの能力の根源を把握し、それを人為的に発現させ、応用する方法を探すとともに、水虎を繁殖及び飼育し、軍用にならして戦闘に活用する事により、柳条湖事件以後軍部が準備している支那に対する全面戦争の勝利に大いに貢献できる事が期待される。そこで本官は大日本帝国異常事例調査局本営に次の事項を要請するところである。

  • 一、大日本帝国異常事例調査局朝鮮部への水虎研究及び捕獲担当部署創設の許可及び人的・物的支援。
  • 二、[編集済]で活動中の第一二独立捕獲大隊の大日本帝国異常事例調査局朝鮮部への移動及び編入。
  • 三、捕獲する水虎の飼育・繁殖研究を進めるため、昌慶苑1李王家動物園をはじめとする帝国内の動物園の協調。

異能鳥獣狩猟係虎見英雄軍曹

大日本帝国異常事例調査局朝鮮部
昭和六年九月██日



付録:大日本帝国異常事例調査局朝鮮部確保水虎毛皮模式図。

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大日本帝国異常事例調査局本営回答文


大日本帝国異常事例調査局朝鮮部異能鳥獣狩猟係虎見英雄軍曹の要請に対し、大日本帝国異常事例調査局本営は次の如く回答するところである。
  • 異常事例調査局朝鮮部に捕獲班、飼育班、研究班の三部署から成る水虎捕獲係を設置し、水虎の能力の究明と応用を目指し、水虎を捕獲・飼育・研究する事を許可し、これを加藤計画と命名する。さらに本営は本営異能鳥獣狩猟係の一部人員を差出して、対異能力鳥獣用として開発された八九式狼獵銃甲型を二十挺提供する事で支援する。 本計画の提案者である虎見英雄軍曹は水虎捕獲係の指揮官に任命し、円満な指揮と作戦現場での軍警の協調を得られるよう七階級特進措置をとり中佐に任ずる。この特進を通じて任命された虎見英雄中佐の階級は、水虎捕獲係の内部指揮及び朝鮮内政府機関に対して作戦協調等を要求する場合に限り有効とする。
  • 露領で活動中の第一二独立捕獲大隊は朝鮮に移動し、異常事例調査局朝鮮部傘下の水虎捕獲係に再編し、朝鮮内における水虎捕獲に注力する。
  • 捕獲した水虎の収容と飼育を李王家動物園を通じて全的に支援する事を朝鮮総督府を通じて李王家に告知する。ただし、総督府には水虎について知らせず、害獣駆除により生け捕った虎や豹の飼育を支援する事を李王家動物園に通報する形で知らせる物とし、捕獲した水虎の飼育・管理は専ら水虎捕獲係飼育班人員によってのみ行われるようにして機密を保持する。


本営の当令は、朝鮮部と第一二独立捕獲大隊に到着し次第有効である。


大日本帝国異常事例調査局本營
昭和六年九月██日



甲一号作戦活動結果

-捕獲係活動日時:昭和六年十月█日―十月██日。

-進行:江陵郡一帯に奇異な虎が現れたという噂を入手し、一週間にわたる調査で噂の虎が水虎である事が判明。██山に多数の陥穽と罠を設置し、水虎を巻狩りして生け捕りを計画。当該地域の軍警も農作物に被害を及ぼす害獣に対する掃討作戦を計画しており、水虎捕獲係も作戦遂行に軍警の支援をもらうため、軍から派遣された害獣駆除支援に偽装し共助する。近隣村落の朝鮮人たちが陥穽と罠の設置・巻狩りに動員された。

-結果:陥穽と罠によって█頭の虎と█頭の豹及び多数の野生鳥獣が捕獲されたが、目標としていた水虎の捕獲には失敗した。勢子として動員した朝鮮人の中で█人の死亡者と██人の負傷者が発生し、虎と豹以外の捕獲された野生鳥獣を提供する事で補償した。付随して行われた農作物へ被害を及ぼす害獣に対する討伐作戦の実行中、高丹駐在所所属の巡査が誤射により死亡したが、水虎捕獲係とは無関係であり、誤射の当事者である江陵土木管区所属出張員の中野が不拘束送検された。

甲二号作戦―甲二十号作戦活動結果

-捕獲係活動日時:昭和七年一月██日―昭和八年十一月二十九日。

-進行:甲一号作戦と同様、通常の野生鳥獣討伐作戦に基づき、朝鮮半島全域で進行された。進行したすべての作戦の進行と結果が大きく異ならないので、個別に結果を整理しない。

-結果:作戦中に█頭の虎、██頭の豹、███頭の狼等が捕獲されたが、水虎は捕獲できなかった。最後に進行された甲二十号作戦では第██師団陸軍工兵隊と共助して大規模な火薬を使用した捕獲過程で███名の死傷者が発生し、██機の陸軍車両が破損した。これは[編集済]の能力を活用して、その事件に陸軍が関与した事実及び陸軍が受けた被害は隠蔽され、言論には採石場で発生した火薬爆発事故として報道された。

-備考:甲二十号作戦で水虎が火薬に対処しそれを逆に活用する事により、通常の捕獲方法では水虎を捕獲する事は困難であると考えられ、甲二十号作戦以後の甲種作戦は中止された。他の方法を用いる乙種作戦の樹立が計画される。陸軍省は朝鮮軍に多大な被害を与えたという理由で作戦責任者の虎見英雄中佐の懲戒を異常事例調査局本営に要求した。本営はこれを受け入れ、虎見英雄中佐に対し少佐への一階級降格措置を行った。



乙一号作戦活動結果

-捕獲係活動日時:昭和九年五月██日―五月██日。

-進行:水虎が鵲を使う事に着目し、水虎を捕獲するために捕獲班の人員が直接活動する前に、飼い慣らした鵲を潜入させて水虎について探問させ、捕獲に役立てるようにする計画が研究班で進められ、これを乙種作戦と命名した。これにより、佐賀県から空輸した鵲一個体に[編集済]を三日間使用。知能と身体能力を飛躍的に向上させた。精神的には日本語と朝鮮語を理解し、文章に書けるようにするとともに、異常事例調査局に絶対的に忠誠を尽くすようにし、身体的には腹部に羽毛の中に隠れて、文章を書くのに使用できる第三の足を持つようにした。改造が完了した鵲には八咫鵲という暗号名を付与し、水虎の出没が確認された██に送り、偵察活動をさせた。

-結果:八咫鵲は、偵察活動を開始した翌日に水虎の位置に関する情報を██駐在所に派遣された異常事例調査局員に伝え、以後三日間にわたって水虎が頻繁に滞在する位置と主要な移動経路を持続的に伝えたが、偵察活動五日目から行方が杳然となり、八咫鵲は他の野生鳥獣に捕食された物と見做された。

以後、八咫鵲が伝えた位置に捕獲班が罠と陥穽を設置するために訪問したが、その位置はすべて密猟者や地元の軍警が鳥獣捕獲のために罠と陥穽を設置していた場所であった。そのためこれを知らずに現場を訪れた捕獲班の二人が負傷する被害があり、一部の場所ではさらに罠と陥穽に負傷した捕獲班員を熊や豹・虎等が襲撃する状況まで発生し、██人の死亡者が発生した。

生存者たちは、現場には常に数匹の鵲がいて、其の中には三本の足を持つ鵲がいたと証言している。これにより、水虎捕獲係研究班は、八咫鵲が偵察活動を始めた当初から変節し、嘘の情報を水虎捕獲係に提供して脱走した物と結論づけた。

-備考:研究班が各帝国大学所属の学者に質疑した結果、日本の鵲は文禄・慶長の役直後、朝鮮半島に由来する可能性が高いという。このような特性が、八咫鵲の変節の原因となった可能性がある事が考慮される。

乙二号作戦活動結果

-捕獲係活動日時:昭和九年七月██日―十月█日。

-進行:乙一号作戦における八咫鵲の背反行為を参考に、このような状況が再発しないよう、昭和九年七月協力関係の獨逸の████から百羽の獨逸鵲を提供受ける。提供された鵲の中で朝鮮の鵲の外見に最もよく似ている個体██羽を選び、[編集済]を使用。選別された鵲を八咫鵲に施行した物と同じように改造し、其の中でも身体能力と大日本帝国に対する忠誠心に優れ、背反する危険が少ないと思われる三個体を選別して作戦に投入させる。彼らには三羽鵲という暗号名を与え、乙一号作戦当時に八咫鵲に偵察させた水虎とは異なる水虎が生息する地域に派遣したが、水虎を捕獲するのに役立つ資料は渡されず、一週間後には三羽鵲全員が行方不明になった。

行方不明になってから五日後、三羽鵲全員が東京に位置する███親王の自宅に侵入した。以後の進行は███の命令により本文では書き述べず。

-結果:異常事例調査局本営が親王の服の洗濯代と親王の治療費全額を支払い、異常事例調査局本営の大将二人が直接親王にお伺いして、ご迷惑をおかけした事を謝罪し、満州国で確保した人参を謝罪の意味で献上した。

-備考:水虎が操る鵲は、朝鮮鵲に限らない事が確認済み。また、乙一号作戦終了時から提起されていた、作戦に馴らした鵲を動員する事はむしろ水虎に役立つ行動だという意見が本乙二号作戦の結果を通じて事実と確認されたため、水虎捕獲作戦に鵲を動員する事は厳しく禁止された。これにより、今後行われる作戦は丙種作戦に名称を変更した。作戦責任者の虎見英雄少佐は、皇室の威信を傷つけたという罪で親王側から直接処罰するため身柄を渡すよう要求されたが、機密保持のため異常事例調査局内部懲戒のみを適用。少尉に三階級降級措置を取ると同時に、三ヶ月間朝鮮部の全ての作戦から排除させる謹慎処分とした。



丙一号作戦活動結果

- 捕獲係活動日時:昭和十年一月二十日―二月十一日。

-進行:虎見英雄少尉が謹慎中に、朝鮮内に存在する虎に関する民譚を収集・分析し、干し柿・腐った縄や自我を持つ臼・筵彼背負子等(付喪神の一種と思われる)が水虎の捕獲にも効果的であるという仮説を立て、咸鏡道地域の朝鮮人猟師を尋問し、彼らの間で秘密裏に伝授されてきた虎狩りの方法と道具・咸鏡道の猟犬である北徼狗を入手して、これらを活用する作戦が構想・実行される。具体的な作戦の進行は異常事例調査局朝鮮部の特別指令で、当文書では省略される。

-結果:雌一頭と雄一頭の、計二頭の水虎がそれぞれ異なる地域である██と███で捕えられた。捕獲された水虎たちは直ちに、馬鼻疽による敗血症2すべての獅子が斃死し空いていた昌慶苑李王家動物園の獅子舍に移して収容した。しかし、昌慶苑に移送する途中に一個体が死に、もう一方の個体は獅子舍に収容された直後、██時間の間飼育場の壁面に沿って休まず歩く行動を見せた後、█時間の間両前脚と尾を交互に噛む行動を続けたが、獅子舍に収容されてから██時間後に斃死した。水虎が死ぬ様子を見た人員の証言によると、水虎は死ぬ██分前から呼吸を全くしていなかったという。死亡した水虎たちはすべて朝鮮軍獣医部での解剖後、毛皮標本と骨格標本にする事が決定された。

-備考:生け捕った水虎の生存を図るために、朝鮮軍獣医部から人員を差出して、水虎が捕獲された場合は、現場で直ちに麻酔を行い移送する事が決定される。虎見英雄少尉は謹慎中も業務を怠らなかった事と、水虎捕獲に成功した事に対する功労で、中尉への一階級進級とした。

丙二号作戦活動結果

- 捕獲係活動日時:昭和十年二月十五日―二月二十一日。

-進行:丙一号作戦進行と同一する。具体的な作戦の進行は異常事例調査局朝鮮部の特別指令により、当文書では省略される。

-結果:██で雌二頭、雄一頭の計三頭の水虎が捕えられ、朝鮮軍獣医部派遣人員により現場で麻酔を行いて、李王家動物園に移送されたが、移送途中雌一頭が死亡し、李王家動物園獅子舍に収容された二頭の水虎も、丙一号作戦で李王家動物園に収容されたが死亡した水虎と同じ症状を見せ、雌は収容されてから█時間後に、雄は██時間後に死亡した。

移送途中に死亡した一頭について、研究班は麻酔の失敗による呼吸困難で死亡した事を疑ったが、当該水虎の移送を担当した人員全員が、水虎は麻酔から覚めた後に死亡したものと報告。三頭の水虎皆が死ぬ約二分前から呼吸を全くしていなかった事が確認され、該当一頭の水虎は麻酔の失敗によって死亡したわけではないと結論づけた。死亡した水虎たちは全て朝鮮軍獣医部による解剖後、毛皮標本と骨格標本にする事が決定された。

-備考:朝鮮半島には伝統的に「獅子は虎より強い猛獣であり、虎と豹を捕食する」という風潮があったという記述が3、虎見英雄中尉が入手した書籍[編集済]にある事を研究班が確認した。これにより、収容された水虎が死亡した原因は獅子の住んだ檻に収容されたためだという主張が研究班から提起された一方、飼育班では水虎を収容していた李王家動物園の獅子舍に本来収容されていた獅子たちが全員馬鼻疽に斃死した事から、水虎も馬鼻疽に感染した可能性があるという主張を行い、李王家動物園以外別途の水虎を収容できる施設の建設を提言した。

丙三号作戦活動結果

- 捕獲係活動日時:昭和十年二月二十一日―二月二十九日。

-進行:丙一号作戦進行と同一する。具体的な作戦の進行は異常事例調査局朝鮮部の特別指令で、当文書では省略される。

-結果:███で一頭の水虎が捕えられ、捕獲直後麻酔をかけて███ ███に水虎捕獲係が別途建設した檻に移された。水虎は檻に収容された後、麻酔から目覚めて歩くレベルまで回復したが、回復した直後から丙一号作戦で捕獲された水虎と同じ症状を見せし、██時間の後死亡した。丙一号作戦と丙二号作戦により死亡した水虎たちの剖検を担当した朝鮮軍獣医部は、死亡した全ての水虎たちに馬鼻疽に感染した痕跡はなく、水虎たちが死ぬ前に見せた症状から推測すると、自らで呼吸を止めて死亡したとしか考えられないと報告した。今回の作戦で捕獲されて死亡した水虎は毛皮標本と骨格標本にする事が決定した。

-備考:丙三号作戦活動結果の本営への報告後、野生で捕獲された水虎の人為的な飼育は極めて困難である事は明らかであるため、あえて水虎の生け捕りに力を入れる事を中断し、これ以上の資源の浪費を防ぐ、特に自我を持って言う無生物・飮食物等人工付喪神を生産する仕事に製作が難しい[編集済]をこれ以上使用しない事を告示する異常事例調査局本営の指示事項が通達された。これにより此後の水虎捕獲係は、水虎を捕獲する際に生け捕りを優先順位に置かず、作戦方向の重大な変化により、此後の作戦は丁種作戦に名称を変更した。



丁一号作戦活動結果

- 捕獲係活動日時:昭和十一年█月██日―██月██日。

-進行:███から多数の虎と豹が結集する現象が発見された。研究班の分析結果、水虎が存在する可能性があると判断し、捕獲班が直ちに作戦を計画し、水虎の生け捕りを優先しないが、捕獲成功率を高めるために、丙種作戦当時使われた[編集済]を使った██・██・██等も作戦に動員された。

-結果:██頭の虎、██頭の豹が捕獲された。成体水虎の存在は確認されていないが、作戦遂行中に洞窟で二頭の幼い雌水虎を生け捕った。生け捕られた水虎は直ちに███ ███に水虎捕獲係が別途に建設した檻に移されたが、今まで捕獲された水虎たちが見せていた症状と同じ症状を見せ、各自█分・██分で斃死した。斃死した水虎の內一頭は毛皮標本と骨格標本で、残り一頭は液浸標本で処理する事が決定した。

丁一号―丁██号作戦活動結果

- 捕獲係活動日時:昭和十二年██月█日―昭和十八年█月██日。

-進行:丁一号作戦と同じ戦術をもとに朝鮮半島全域で進行された。進行したすべての作戦の進行と結果が大きく異ならないので、個別に結果を整理しない。

-結果:すべての作戦を通して、水虎の痕跡と目撃証言は多数確保されたものの、水虎捕獲係はそれ以上水虎の存在を確認できなかった。最後に行われた丁██号作戦以降、水虎捕獲係はそれ以上の水虎捕獲活動を中止した。

-備考:支那戦線と南方戦線の悪化により、異常事例調査局の朝鮮部も各戦線に援軍を送る事を決定した。これに際し、大きな成果を出せずにいる水虎捕獲係を解体し、一部の人員を南方戦線に配置する案が取り上げられたが、虎見英雄中尉が本営を訪問した直後に本営でこれは却下され、水虎捕獲係全員を満州国の異能鳥獣猟係に新編した[編集済]係に再編するよう指示した。

水虎捕獲係が[編集済]係に再編した後、朝鮮部が行った収蔵庫調査作業の結果、保管されていた水虎の毛皮標本八点・骨格標本七点・液浸標本一点の內、毛皮標本と骨格標本各自二点ずつがなくなっている事が確認された。朝鮮部遺物担当係がこれを本営に報告し、消失した標本の行方を捜査するよう要請したが、本営で棄却された。



大日本帝国異常事例調査局本営公文

異常事例調査局朝鮮部水虎捕獲係が進めた加藤計画丙三号作戦活動結果が異常事例調査局本営へ報告されて以降、朝鮮の野生水虎を捕獲し飼育するのは非常に難しい事が確実だと、本営では結論付けている。したがって、本営は日本動物園水族館協会と協力し、水虎繁殖係を別途構成。帝国内の動物園で虎と豹を人為的に交配し、異能を持った水虎を出生させ軍事的に活用する事を目標としたが、虎と豹を合舍する事にはほとんど失敗し、ようやく合舍に成功した事例でも繁殖はできなかった。

昭和十八年八月十七日、上野動物園が 戦時猛獣処分により、虎や豹をはじめとする園内動物を毒殺・絞殺・餓殺等で処分したのに続き、全国の動物園がこれに同調して保有する動物を処分する事により、帝国内の動物園の支援が得にくくなったため、水虎繁殖係も自然に解体する事を告知する。


大日本帝国異常事例調査局本營
昭和十八年九月██日





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