第一章 2501事変
人は、一人じゃ救われない。
つまり君は償いの場を求めている。そうだね?
key Crew: 鳥飼 亙, 空鳥 棗
馬鹿みたいに真っ直ぐな人間にしか救えないものもあるんだろう。
key Crew: 熊澤 威, 金本 義
そこで見てればいい。私が生き方を教えてあげる。
key Crew: 橘 咲, エステル・クリストフィ
真実というのはいつだって二重底だ。
key Crew: 黒山 鼡
決別しなければならない。
key Crew: 鳥飼 亙
Coming soon…
Q9ALT #6
僕達が、此処に居た証明を。
一歩を踏み出せ。
by
Kota-2
サイト-Q9ALT
AA-2101世界の財団が、文明の消失した隣接する平行世界、AE-2102に建設した特殊サイト。世界間を渡航する幾つかの異常技術を駆使して他の世界の危機に赴き窮地を脱する一助となることを目的としている。
世界番号
[2桁の英字]-[4桁の数字]で表される。英字は左から[自然科学的正常性評価][人間社会的正常性評価]の順でA~Eの5段階で評価し、付与・更新されている。数字は重複のないように設定されているが、どの世界でこの命名則を採用したのが発端であるかは不明。
財団技術部門
異常・非異常に関わらず、民間の技術開発では実現不可能な先鋭的技術の開発に携わる部門。開発物/開発技術はART-[数字]-[支部コード]で表される技術番号で管理されている。また、民間の技術開発は国際的に秘密裏の技術統制が行われており、表社会の技術革新にディレイが掛けられている。
特例避難区域
異常事件の被害で住居を失った人々を保護する施設。AE-2102におけるこれは別の世界から避難してきた人々をAE-2102に定住させるための自立型小規模都市となっている。
とくに、Q9ALTに併設している特例避難区域はエリア-JPと呼称されている。
リスク隔離原則
AA-2101で施行されている規則。他の世界へ渡航した存在は原則、AA-2101に戻ってくることが許されないとするもの。この原則により、Q9ALTの職員はAE-2102での事実上の永住が決定づけられている。
サイト-8165(AA-2101)
愛知県西部に位置するサイト。都市型の事務サイトであり、サイト内で収容しているオブジェクトは少ない。その代わりに移動不可オブジェクトの担当割り当てが比較的多い。
サイト-8170(AA-2101)
岐阜県南部に位置するサイト。集落のない山間部に建設された大規模収容施設だが、当初の想定と比べその地域で発見された異常存在の数が非常に少なく、なおかつ交通の便も悪いため他のサイトから大型オブジェクトを搬入する事もできないため、結果として技術研究施設の役回りとなっている。
ヒト指向性アノマリー
人型のSCiP、人に対して特異な反応/性質をもつSCiP、人工物のSCiPの総称。
世界間距離
相対的な距離の指標。AA-2101およびAE-2102でのみ用いられる指標であり、別世界ではそれぞれの計測方法が存在する。
鳥飼 亙 Torikai Wataru
身長162cm/体重51kg/1998年生/男
心の友: アイマスク
Q9ALTの新人指揮官、元の世界で指揮下にあった24人の精鋭を失った事への自責の念を抱えながらQ9ALTに来た。地形を鳥瞰図的に視認する第二の視野を持っているが、長時間使用していると二次関数的な疲労の蓄積に見舞われる。実直な性格で、Q9ALTに来てからはそれがより顕著になった。夢の中で時折謎の男に干渉されている。
空鳥 棗 Atori Natsume
身長174cm/体重62kg/????年生/女
好物: エクレア
Q9ALTの戦術立案担当、詳細不明。鳥飼にやたらと絡むがその理由も不明。幻影を操る能力を持ち、本来そこにあるものを見えなくしたり、或いは全く異なる姿に見せたりすることが出来る。この効果は視覚以外にも及ぼされる。常に二手先、三手先を見通しているかのような物言いをしてみせる。
熊澤 威 Kumazawa Takeru
身長198cm/体重86kg/1989年生/男
愛称: くまちゃん
Q9ALTの戦闘員、質実剛健な性格で子供受けがいい。ある劇場で金本と共に異常性を獲得し、金本と道を違える事になった。時間制限付きで巨体化+身体強化を行うことが出来るが、能力使用後は反動で数日間重度の筋肉痛に見舞われる。
金本 義 Kanemoto Yoshi
身長176cm/体重76kg/1987年生/男
味覚: 超甘党
熊澤のかつての相棒、消息不明。劇場で遭遇した事件により身体強化、装備変形、転移、微弱な確率異常を付与された。過剰なまでにお堅い正義漢で、熊澤には財団に向いてないとまで言われており、本人もそれを自覚していた。
橘 咲 Tachibana Saki
身長168cm/体重59kg/1991年生/女
瞳: ●ジェードグリーン
Q9ALTの戦闘員。驚異的な再生能力と生存能力をもち、陽の光を浴びている間は体の一部を植物に変化させて自在に操れる。自己犠牲がちな行動理念だが、人一倍に仲間思いで、生存欲求が高い。日中の非戦闘時は居眠りしがちで、眠っていない時も眠気と抗っているせいで口数は少ない。
エステル・クリストフィ Estel Christophii
身長155cm/体重51kg/????年生/女
瞳: ●ジョンブリアン
ダンピールの少女。とある世界にヴァンパイア退治をしに来たQ9ALTのメンバーに連れられてQ9ALTにやってきた。治癒能力と身体形状の変化能力を持ち、夜は元気になるが日中はパフォーマンスがガタ落ちする。子供ならではの勘の良さと、血が憶えている天性の才能で高い戦闘技術を見せているが、やや単純すぎる性格が仇になることも。
黒山 鼡 Kuroyama Nezumi
身長168cm/体重61kg/1991年生/男
好きな歌手: 尾崎豊
Q9ALTの工作員。元は別世界(番号不明)で秘密結社に所属していたが、ある事件に巻き込まれて漂流した。元の世界に帰る手掛かりを得るためにQ9ALTに所属している。何かと独断で動きたがる癖があり、時折鳥飼の胃を痛めつけている。彼が大切にしているビジネスバッグは元いた世界から持ち込んだものらしい。
伊勢山 信 Iseyama Nobu
AA-2101のサイト-8165の管理官。Q9ALT建設計画の責任者であり、空鳥以上に遠い未来を見通したかのような物言いが目立つが、それは異常性ではなく専ら彼の経験に基づくもの。保守派に大変嫌われている。
大上 満 Ōkami Mitsuru
AA-2101のサイト-8170の管理官。重度のアノマリー差別主義者で、金本の放逐を命じた張本人。筋金入りの保守派だが普段の振る舞いではそれを隠し、機を見極めて他者の計画に切り込むことを得意としている。
柿鶴 仁志 Kakizuru Hitoshi
AA-2101のサイト-8165の機動部隊て-11"ヒペリカム"隊長。鳥飼がQ9ALTに来る発端となった事件で失踪。威圧感のある老け顔で新人隊員を度々怖がらせているが、隊長を任されるに相応しい度量も兼ね備えている。
雲雀田 日和 Hibarita Hiyori
AA-2101のサイト-8165の機動部隊て-12"オオデマリ"隊長。鳥飼がQ9ALTに来る発端となった事件で失踪。よく喋るタイプのコミュ障で、砕けた話し方をしようとするとやたら鬱陶しい物言いと立ち回りになってしまう。根は真面目。
志鷹 忍 Shidaka Shinobu
Q9ALTの狙撃手、よく喋る肥満中年男性。自主的にQ9ALTに加入した数少ない例。腕一流、モチベ三流。
服部 智 Hattori Tomo
Q9ALTの後方支援部の職員。通信機器を強化したり無理やり繋いだりできる異常性をもつ。丸眼鏡。
相貝 桜 Aikai Sakura
エリア-JPの執務官。以前は熊澤、金本と共にAA-2101のサイト-8170に在籍していた。お節介焼き。
青木 優 Aoki Yū
Q9ALTの後方支援部の職員。鳥飼が来るまでは空鳥に振り回される役回りの苦労人だった。鳥飼からはそこはかとなく同類の臭いを感じている。
五木 吾 Itsuki Ware
Q9ALTのエンジニア。蛇っぽい皮膚が体表に点在するほか、ピット器官に近しい異常性を有している。学生時代に友人に煽られてスプリットタンにしてしまい、激しく後悔している。
シリーズ概要
財団は世界を渡り歩く術を手に入れ、数多の別世界が窮地に立たされている事を知った。しかし彼らに手を差し伸べる事にはリスクが伴う、だから見過ごす他ない。──それじゃあ、あんまりじゃないか。
"Q9ALT"は、可能な限り多くの命を救うべく無人の平行世界に建てられた隔離拠点、サイト-Q9ALTに配属された職員達の戦い、信念、或いは葛藤を活劇的に描いていくシリーズです。彼らはみな捨て去れぬ過去を抱えてQ9ALTを訪れ、仲間との出会いとその活動を通じて過去との正しい向き合い方を見出していきます。
"もう一度、歩き出す為に。" それがQ9ALTの主題です。
執筆ガイド
Q9ALTの読み方は"キューキューオルト"です。
メインシーズンは私
Ruka_Naruseが制作・進行していきますが、それとは別にシーズン外作品としてのQ9ALTが存在し得ます。私は前述の通り活劇的に描く事が主となりますが、他の作品がそれに倣う必要はありません。また、このシリーズは別世界に渡航して物語が展開するという基本構造であるため、様々なオープンカノンとのクロスオーバーが可能であると考えています。
Q9ALTシリーズにおいて推奨される作品の内容の例を以下に羅列します。
- 別世界への救援活動(これがQ9ALTの基礎となる要素です)
- シーズン外連作
- 他カノンとのクロスオーバー
- 既存人事や他作品の登場人物とのクロスオーバー
- メインシーズンで省略されたシーンの補完
- Q9ALTでの日常風景
- 新たな職員がQ9ALTに加入するまでの経緯、或いはその逆
勿論、これらは私が思いつく限り書いただけに過ぎないため、これ以外の作品も歓迎されます。
また、Q9ALTにて推奨されない内容が一つだけあります。それは"一方的に救うだけ"の構成です。ただ単にQ9ALTが別世界に赴き敵を蹂躙するだけの内容を書いたならばそれはきわめてメアリー・スー的であり、それを避ける為にはQ9ALTのメンバーにとっての"得るもの"や、容易に解決できない葛藤、あるいは──私はそれを書く事を不得手としていますが──暗く沈んだ結末などがあると良いでしょう。副題を用意する、とも言い換えられます。
なお、各エクストラエピソードを正史とするか否かの扱いについては読者に委ねるものとします。勿論、ハナからifストーリーとして制作して頂いても構いません。
このほか質問・相談などありましたら私のDiscordまたはTwitterのDMにてお願いします。