サウジ・イラン両指導者がメッカにて会談 宗教対立の終結及びテロ組織に対する聖戦を宣言
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政治

サウジ・イラン両指導者がメッカにて会談 宗教対立の終結及びテロ組織に対する聖戦を宣言

公開日 2023年7月11日20:30

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会談が行われたイスラム教の聖地メッカ

サウジアラビア外務省は7月11日、同国内にあるイスラム教の聖地メッカにてサウジアラビアのサルマーン国王とイランの宗教最高指導者ハネメイ師が会談を行い、相次ぐ中東でのパラテク兵器を用いた超常テロ及びカオス・インサージェンシーや夏鳥思想連盟を始めとする超常テロ組織によるイスラム世界への侵略に際して、宗派の垣根を越え共同でイスラム世界を防衛することで合意したと発表した。1400年近くに渡って繰り広げられたスンナ派とシーア派の抗争にひとまずの平和的解決がなされたことになる。

同会談ではサウジアラビア国軍司令官とイランの精鋭軍事組織イスラム革命防衛隊の司令官が握手をする場面も見られ、両国関係者が揃ってメッカのカーバ神殿に巡礼する姿などもあった。会談の調停を行った境界線イニシアチブのウサマ・アル=カフタニ氏は「私自身かつては教義を異とするイラン人と手を取り合うことになるとは考えていなかった、しかし世界の危機となればアッラーの教えを信ずるもの同士、聖戦を共に戦うのもやぶさかではない」とコメントした。

この合意に期待を寄せるのがイラクとアフガニスタンだ。イラク国内ではサウジアラビアとイランの中間に位置する国家として宗派対立が絶えず、2004年にフセイン政権に対するシーア派の反乱で始まったイラク内戦が反乱軍の勝利で終結した後も、旧フセイン政権派のスンナ派民兵や内戦に乗じたカオス・インサージェンシー工作員によるテロが続発し国内は不安定な情勢が長期化している。また、アフガニスタンではタリバン政権への反乱が多発する状況の中でマーシャール・カーター&ダーク株式会社との関係が疑われる民間軍事企業(PMC)などによって試作段階のパラテク兵器が次々と投入され、内戦が混迷を極めている。両国とも今回の合意による国内の安定化への進展が期待される。サウジアラビアが主導するスンナ派君主主義国家連合『湾岸協力会議』も共同声明で合意を支持した。

一方合意に反発する勢力も存在する。現在内戦下にあるイエメンのシーア派武装勢力フーシ派はこれを受けイランに対し『イスラムの敵に対する妥協』であると痛烈に非難し、カオス・インサージェンシーとの関係を示唆しつつ合意を破棄しない場合イエメン国内に駐留するイラン軍部隊及びイラン国内に対する無差別攻撃を開始すると警告した。

伝統的に中東諸国と対立していたイスラエルもこの合意に危機感を抱いている。イラン・イラク戦争でイラク原子力施設を爆撃して間接的にイランを支援した経緯を持つイスラエルは自らの敵である中東諸国の団結を恐れ、諜報機関モサドなどによって諸国の分断を図っていた。今回の合意をもとに中東諸国が反超常テロ組織だけではなく反イスラエルで足並みを揃えることになればイスラエルの存亡にかかわる重大な事態になることは避けられない見通しだ。


財団は語る

「この会談は無論歴史的快挙であると共に、我々財団にとっても多大な利益を生むものと考えています。十数年前までの不安定な中東情勢は、当地に置かれている財団施設が紛争に巻き込まれるリスクを増大させ、実際に民兵や正規軍によって財団施設が襲撃されて収容違反が発生するケースも存在しました。今回の合意はこういったケースの発生を抑制することに繋がると思います」と中東支部に所属する財団職員は語る。

ヴェール崩壊以降、超常組織でないイスラム教原理主義過激派勢力や反政府民兵などがアノマリー奪取による戦力増強や財団への敵対心から財団施設を襲撃する事例が増加し、財団は対応に苦慮していた。今回の合意には財団を始めとする正常性維持機関とのほぼ全面的な協力を目指す旨も盛り込まれており、イランの国家機関であるORIA(イスラム・アーティファクト開発事務局)司令官も最高指導者が署名した合意を支持、接収していた財団施設及び拘禁中の財団職員を解放すると発表した。ORIA内部では従来から反財団派と対外融和派の派閥闘争が深刻化されているとされ、少なくない反発が生まれることは必至だ。

中東に於いてイスラム諸国の協力を取り付けるということは極めて重大な意味を持っており、この合意によって中東における正常性維持機関と超常テロ組織との攻防は新たな転換点を迎えると見られている。


関連キーワード 境界線イニシアチブ カオス・インサージェンシー イスラム・アーティファクト開発事務局


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