ラグナロク ハブ
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そしてガングレリは言った。「神々の長は、神々の最も神聖なる場所は何処にあるのか?」ハールが答えた。「トネリコの大樹ユグドラシルである。そこでは毎日、神々の評議会が開かれる。」ガングレリは続けて言った。「そこはどのような所なのか?」ヤヴンハールが答えた。「このトネリコは全ての木の中で最も優れた偉大な木である。その枝は全世界に広がり、天上にまで達している。この木を支えるのは三つの根で、三つはそれぞれ大きく離れて伸びている。一つ目はアース神族の元に。二つ目は霜の巨人の元、かつてギンヌンガガプのあった地へ。三つ目はニヴルヘイムに至るが、その下にあるフヴェルゲルミルという泉には大蛇ニーズヘッグが棲んでおり、下から根を齧っている。そして、霜の巨人の元に伸びる二つ目の根の下にはミーミルの泉がある。この泉には知識と知恵が隠されているのだ。」

スノッリ・ストゥルルソン著 「新エッダ」 より

YN-クラス "ラグナロク"
知識終焉シナリオ


私はこれを瓶詰めの手紙として放っている。誰が、どのように、いつ、これを受け取るのかは分からない。しかしそれが誰であれ、私の話を聞いて、この言葉を広める必要がある。秘密は最早問題ではない。クリアランスもだ。なぜなら、確保、収容、保護を為すためには、自らが収容している物が何であるかを、さらに重要なこととして、どのように収容すればいいのかを知る必要があるからだ。そして、我々はその全てを一噛み毎に失っている。そして、それは我々自身のせいかもしれない。

  • SCP-3488 Mimir, The Root Of All Knowledge by SeraDomiCher

複数の情報をつなぎ合わせてみた。 全員が全てを失ったわけではなかったので、我々は何が起きているのかを知っていると思う。少なくとも、何が起きているかの解釈はできている筈だ。そうだ、我々は実際に他者と、GOIやその他の人々と意思疎通し、我々が抱える問題を隠さないことにした。彼らも我々と同じようにした。そして、いくつかの事実が分かってきた。それは衝撃的なことだった。

これは単なるデータベースの喪失ではない。地獄だ。最悪だ。しかし、我々は大規模な収容違反に対処したことがあるし、複数のサイトが完全に破壊されたことさえあった。その度に立ち直ってきたんだ。しかし、木々はパニックを起こしつつある。たった数件の問題だったはずが、爆発的な増加を見せはじめている。

もう手遅れかもしれない。やれるだけの事はやってみるつもりだ。だがこれは、我々が我々であるというだけで、初めから定められていた破滅だったのかもしれない。

畜生。この状況から抜け出さなければ。人生には道がある。全てが失われたと思っても、見た目ほど暗くないこともある。問いを投げかける前に銃の引き金を引く行為がこのような事態を招いたのかもしれない。我々は全体を見ていないのかもしれない。我々には他に相談できる者がいるかもしれない。

それまでの間は、彼女の呼びかけに、そして我々の先駆けに耳を傾けてくれ。自分が持っている情報の断片を全て見つけるんだ。そしてそれを共有しよう。私は財団に話している。我々の協力者や敵対者に話している。街の人々に話している。自分が知っていることを共有してくれ。できるだけ多くの人に自分の知識を伝えて欲しい。共有するんだ。そうすれば、もしかしたら、この状況から抜け出す方法を共に見つけ出すことができるかもしれない。


大樹ユグドラシルは
人が知るよりも大きな
苦悩を背負う。
牡鹿が上から噛み、
幹は朽ちかけ、
下からはニーズヘッグが齧る。

大樹ユグドラシルの下には
さらに多くの蛇が横たわる。
愚かな猿たちが考えるよりも
蛇たちの数は多いのだ。
ゴーインとモーイン
(彼らはグラフヴィトニルの子)、
グラーバクとグラヴヴォッルズ、
オヴニルとスヴァーヴニル。
それは彼らの永遠の運命なのだろう。
彼らは木の根を齧り続ける。

スノッリ・ストゥルルソン著 「新エッダ」 より

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