インタビューログ662-37
聞き手: S.サメシュ博士
話し手: SCP-662-1 ("デーズ氏")
始めに: SCP-1867の影響で見つかる物の確認の際、SCP-1867が"デーズ"という執事を雇っていたことがいくつかの手記から見つかりました。SCP-1867の明白な知識といくつかのSCPオブジェクトの相互作用から考慮し、インタビューは、SCP-662-1がSCP-1867によって言及される同じ個人であったかどうか、そして、何を知っているか、もしそうなら、その主張の真偽をはかる為に行われました。
<開始日時, ██/██/20██, 12:53 PM>
サメシュ博士は、接見室に入り、席について、SCP-662を鳴らします。38秒の後に、接見室へのドアは開き、そして、デーズ氏が入ってきます。
デーズ氏: ごきげんよう、サメシュ博士。本日はどのようなことをなさいましょうか?
サメシュ博士: 座ってください、デーズさん。いくつかあなたに聞きたいことがありまして。
デーズ氏: かしこまりました。
デーズ氏が着席する。
サメシュ博士: あなたはこれまでにセオドア・トーマス・ブラックウッドという男に仕えたことはありますか?
デーズ氏: ええ。かなりの期間ブラックウッド様にお仕えさせていただきました。
サメシュ博士: ふむ。我々はブラックウッド氏に関するある事実を確かめたい。
デーズ氏: 申し訳ございません。従者として私は雇い主の私生活について話さない義務があります。
サメシュ博士: 詮索するつもりはないよ、デーズさん。ブラックウッドと名乗る個人は今のところ我々が保護しており、彼自身の為にも我々は彼の主張の真偽をはかる必要があるんだ。
デーズ氏: 本当ですか?そうは思えませんが。私は1893年にパタゴニアでの不愉快な事件でブラックウッド様が死亡されたと聞かされました。
サメシュ博士: なるほど。それでは初めてブラックウッド氏に雇われたのはいつですか?
デーズ氏: 1837年6月28日ですね。
サメシュ博士: それはどれくらいの期間ですか?
デーズ氏: 断続的に60年程になりますかね。
サメシュ博士: 断続的に?
デーズ氏: ブラックウッド様は頻繁に国外へ出られておりましたので、従者の必要がありませんでした。使用人が彼の土地での仕事を容易くこなしておりましたので、私は彼が不在の間一時的に他の方に雇われておりました。
サメシュ博士: 最後に雇われたのはいつですか?
デーズ氏: 正確な期日は思い出せませんが、世紀の変わり目の直後だと信じております。
サメシュ博士: デーズさん、先程ブラックウッド氏は1893年に亡くなったと言ったはずですよね?
デーズ氏: はい。
サメシュ博士: どうやって世紀の変わり目まで彼の元で仕えていたのですか?
デーズ氏は一瞬沈黙する。
デーズ氏: 確証は持てません。
サメシュ博士: わかりました。ブラックウッド氏の使用人としてのあなたの主な仕事は、何でしたか?
デーズ氏: 主にブラックウッド様の土地と使用人達の管理ですね。それに加え、財産と約束を管理し、ご不在の間彼宛の手紙を受け取り転送し、買い物を行い、冒険で得た物や彼の武装を整備しておりました。
サメシュ博士: ブラックウッド氏に雇われたときにはあなたは今の能力を持っていましたか?
デーズ氏: 思い出せません。
サメシュ博士: 初めてブラックウッド氏と会ったとき、彼は何歳でしたか?
デーズ氏: 紳士として、私は尋ねませんでした。
サメシュ博士: なるほど。では彼を何歳だと思っていますか?
デーズ氏: 外見から察するに、40歳未満ではないかと。
サメシュ博士: では最後に見たときは?
デーズ氏: 40歳未満ですね。
サメシュ博士: 彼は60年間歳を取らなかったということですか?
デーズ氏: それは…申し上げることが出来ません。
サメシュ博士: ブラックウッド氏とこれまでに彼の家族や幼年期の話をしたことはありますか?
デーズ氏: 家族について話していた覚えはありませんね。彼は子供の頃、英国西部に住み、イートン・カレッジに通い、莫大な遺産を受け取り、爵位を継いだと言っておられました。
サメシュ博士: その爵位は?
デーズ氏: 子爵であったと思いますが、どういった場面で伺ったかまでかは。
サメシュ博士: 彼は結婚していましたか?
デーズ氏: そういった女性はおりませんでした。
サメシュ博士: 先程武装について言及しましたね。それはどういったものでしたか?
デーズ氏: 主にピストルとライフルです。またいくつかの原子力ライフルやマンチェスターのモス様による高性能分子分解銃も所持しておりました。それらは私が購入させていただきました。本当に素晴らしい兵器でした。最も魅惑的であったであろう電気ライフルと共に帰ってきたある冒険が懐かしいですね。それはかつて私で試し、最も効果がありましたから。
サメシュ博士: ブラックウッド氏はあなたで試したのですか?
デーズ氏: 政府機関がそれを知ったらさぞかし動揺するだろうとは予測しておりましたが、私はあくまで要求に応えたまでです。いずれにしてもご覧の通り、私はぴんぴんしております。
サメシュ博士: ブラックウッド氏はこれまであなたに旅の話をしましたか?
デーズ氏: しばしばさせていただきました。彼は、時折研究のジャーナルを改訂し、単語選びに関する見解を私にお求めになられました。私も彼の話はとても楽しませていただきました。
サメシュ博士: デーズさん、最近我々が取得したジャーナルの1つを読んでいただきたい。
デーズ氏: かしこまりました。
サメシュ博士は1883年5月-6月の出来事に関連するJournal#23からデーズ氏に抜粋のコピーを手渡します。デーズ氏は12分間黙読します。
デーズ氏: 終わりました。
サメシュ博士: あなたが知る限り、このジャーナルでの出来事は本当ですか?
デーズ氏: 私はフランスでの出来事には居合わせておりませんが、ロンドンでの出来事は私が記憶している限り完全に間違いありません。
サメシュ博士: フランスでこの出来事について何か聞いたことはありますか?
デーズ氏: このジャーナル中の記述は、ブラックウッド様が帰り次第私に伝えたことに一致します。当時、災害の性質についての多くの推測が新聞紙上に出回りました。デイリー・テレグラフは世界の終わりだとも。
サメシュ博士: それは確かですか、デーズさん。
デーズ氏: 勿論。
サメシュ博士: デーズさん、我々は1883年に怪物あるいは核爆発に言及しているあらゆる新聞報道やフランスの文書を見つけ出すことができませんでした。セオドア・ルーズベルトの人生に関する日記と関係のある記述は、彼がニューヨークで1883年中滞在し、その間米国を出発しなかったことを示している。試しに調査しましたがプロヴァンスには放射線の痕跡はありませんでしたし、アヴィニョンまたはその周辺地域の1883年以前の建造物にも被害を受けた証拠が見つけられませんでしたし、異常な程の多くの人が死んだこともまたありませんでした。我々はこれらが真実だと立証する証拠を全く見つけることが出来ないんですよ。
デーズ氏: 見つけられるとは思えません。
サメシュ博士: それはどうしてですか、デーズさん?
デーズ氏がたじろぐ。
デーズ氏: 申し上げることが出来ません。
サメシュ博士: わかりました。あと少しだけ。もう1つだけ質問します。ブラックウッド氏に仕えている際、彼はうみうしでしたか? あるいはうみうしのように見えましたか?
デーズ氏: 今なんと仰いましたか?
サメシュ博士: アカフチリュウグウウミウシです。デーズさん。Nembrotha kubaryana。あなたが彼を知っていた間、彼はうみうしでしたか?
デーズ氏: いいえ。
サメシュ博士: ありがとう、デーズさん。以上です。
デーズ氏: ありがとうございました。
デーズ氏は立ち上がりドアまで歩きます。彼は、部屋を出る前に振り返ります。
デーズ氏: 実はですね…
サメシュ博士: はい、デーズさん?
デーズ氏: 関連しているかはわかりませんが、先程の質問で数年間に見た中で最も妙な夢を思い出したのですが。
サメシュ博士: なんでしょうか?
デーズ氏: ブラックウッド様は彼の書斎へ私を呼び出されました。私が到着した時、小さなうみうしが彼の長椅子に座っておりました。彼が私に挨拶し、スコッチアンドソーダを頼むのが聞こえました、そして、彼の声はうみうしから発せられているようでした。私は何か困窮しているか異常ではないかと尋ねましたが、何不自由なくこれまでどおりだと断言されました。私は…その後何が起きたか思い出せません。
サメシュ博士: ありがとうございました、デーズさん。
<終了時刻 1:17 PM>