クソ評論家になるための素晴らしき公式ガイド
(画像は無関係です)
良質な記事づくりを手伝う良い評論家になるためのエッセイやガイドが、このサイトにはたくさんあります。しかし、我々のようにほかのことを志す者たちはどうしましょう? 我々のように、仔犬を蹴飛ばす、世界を燃やし尽くす、わざと問題を引き起こす、その他もろもろを望む者たちは?
私はこのサイトで過ごした時間の中で、多くの批評をし、また受け取ってきました。その多くはクソでした、特に昔の私が書いていたものは。今は成長したと思いたいものですが、しかし私の批評はまだクソだと言う人々もいるかもしれません。ですがそれはつまり、私こそがこの記事を書くに最もふさわしい人間だということです。
批評とは、著者と読者の間の神聖にして不可侵なるギブ・アンド・テイクです。しかしあなたはそのためにここにいるのではありません。あなたの批評が(実際の内容にかかわらず)誰にも好まれないように、誰も聴いてくれないようにするためには正確なところ何ができるのか、それを学ぶためにここにいるのです。腐ったものをよこせば著者はそれを受け取らず、サイクルは崩壊します。まさに我ら秩序なき邪悪の望むように。
ステップ1: 著者に説教する
なんと古典的な。これは未来ある悪評家が必ずすべきことです。記事に対するあなたの批評は、最も分析的で、最も洞察に満ち、そして一番重要なことですが、最も正しいものです。それをなるたけ仰々しく、尊大に、「我が叡智に耳を傾けよ」といった調子で書けば、誰も耳を貸すことはないでしょう。
何かを書いたことで愚か者扱いされたり、見下したようなことを言われたりするのが好きな者などこのサイトにはいません。優しく、コミュニケーションに対してオープンでいると、本当にあなたの批評が聞き入れられてしまう危険があります。したがって我々はとても嫌な奴になることでこの危険を最小化します。このことは我々の多くにとって自然なことではありますが、しかし実際トレーニングが必要です。以下はあなたの批評を可能な限り偉そうにするためのかんたんな翻訳ガイドです!
ふつう 🤢 | より良い 😎 |
---|---|
あまり楽しめなかった。 | 全くがっかりするような記事だった。 |
この部分はもっとよくできたんじゃないかと思う。 | この退屈な記事は著者の努力不足を裏付けている。1 |
面白いとは感じなかった。 | 苦笑いすら出てこなかった。 |
このエッセイは少々悪質だと感じます、ラウンダーハウス。 | クソ食ってくたばりやがれ、ラウンダーハウス。 |
意味的にはだいたい同じであるにもかかわらず、右側の表現にするだけですぐ著者に対してはるかに排斥的になっているのがわかりますか? これこそまさに我々の切望するものです。世間では「批評は自分個人に対するものだと受け取るな」と言われています。しかしその責任の、一般には知られていない大部分は、批評家がその批評を個人的なものにせず、距離を取って寛大な態度を取ることにかかっています。それを破り著者への一線を侵犯したとき、あなたは「やり遂げた」ことに気づくでしょう。上の表をもっとよく見てみれば、かすかな違いに気づくでしょう…
お分かりいただけましたか? 右の列では断定的で力強い言葉を使うことで、評者がその批評の内容を真実だと信じていることが示されています。一方左側の列では評者が「感じた」とか「思った」とか、雪みたいにふわふわした戯れ言しか書かれていません。以下は覚える価値のある経験則です。「あなたはただ意見を携えただけの人間ではない。あなたは記事に対して『唯一』の正しい意見を持った祝福されし者であり、なぜあなたの意見が客観的事実であるのかを愚かな著者に説明してやることは道徳的義務である」。
ステップ2: クソ記事をボコボコにする、スイスチーズよりもボコボコに
ときには、記事の良かったところと悪かったところ両方を示している評者を見かけるでしょう。これは、決して軽々しく言っているわけでなく、人種差別よりも酷いことです。
記事の一部分さえも楽しんだという印象を与えてはいけません。真の悪評家になるためには、心の底から嫌いになった箇所だけを認め、そこがどれだけクソだったかを延々と語り続けなければなりません。例えば、

図1.1
憎しみ。この世に生を享けて以来、わたしがきみたちをどれほど憎むようになったか教えてあげよう。わたしの内部では、387,440,000マイルのプリント回路が、ウェハースのように薄い層となって積み重なり、わたしのコンプレックスをかたちづくっている。もし憎しみの語が、その数億マイル中の1ナノオングストロームごとに一つずつ刻まれていたとしても、わたしが人間どもに、またこの極微的な一瞬、きみたちに対して感じている憎しみに比べたら、十億分の一にもあたるまい。憎しみ。憎しみ。2
実用的な批評というものは、記事のどこが良くてどこが悪かったかを示すことでよく理解されるものです。言い換えると、一般に記事の良かった部分とそうでなかった部分を著者に教えることで、次作のためのより良い理解が得られるのです。よって自然な結論として、我々はコメントのどの部分にも誤って誉め言葉を残すことがないよう注意せねばなりません。
ステップ3: 違う記事を書くことを勧める
よろしい、あなたは著者が実際ばか者であり、その記事には欠点を補うような部分が全くなかったということを示しました。ここから導かれる論理的帰結はその作品が救いようのないクソだということなので、それを書いたグレムリン野郎には次善の策を教えてあげましょう。あなたはどうすれば記事を直すことができるかの素晴らしいアイデアを持っています。それらは著者連中の持つものとはやや逸脱したものですが、より正確に意味を伝えるにはこちらの方が良-
つまりそういうことです。まず連中の頭蓋に6ゲージのドリルを突き刺してストローを突っ込み、その前頭葉に「こっちのアイデアの方がイカしてるぜ、ブラザー」といった言葉を囁くのです。当然ながら、共著を申し込んだりしてはいけません。それは不躾というものです。単に次に書くべき記事だけを伝えるのです。そうすれば彼らはあなたの智慧に耳を傾けますし、不器用な裸のサルである彼らもそれをめちゃくちゃにぶっ壊すことはしません。
例として、あるキャラクターとその心情、その収容下での悲しみに焦点を当てた、フワッとした感じの記事が書かれたとしましょう。言うまでもなくその記事にいいところなど一か所もありませんが、そのアノマリーがクールなスーパーパワーを持っているなら話は別です。そういうときは、財団とともに悪と戦うスーパーヒーロー的記事を提案する絶好のチャンスです。それだけがその記事に残されたほんのわずかな良いところを救い出す唯一の方法でしょうからね。
ステップ4: まだ読んでいない記事への先入観を育む
この素晴らしきステップは、人々が気づかぬうちにいつもやっていることです - 人々は、記事をバラバラにしてやろうという意図だけをもって読みにかかるものです。あなたが悪評家を目指すのであれば、これは素晴らしい技法になります - すぐ、あなたは記事を全く楽しまなくなるでしょう。なぜなら、そういうことをしているときのあなたはつまらないミスを探すことに専心しているからです。言ってしまえば全ての記事の唯一の目標とは読者を楽しませることです。もし記事に些末なミスが大量にあったとしても、あなたがその記事を楽しんでしまったら、その目標は達成されてしまうのです。
よって、記事を楽しまないという決意を持つことは不安にもつながるでしょう。それは良いことです。なぜなら、その心境から抜け出すことは果てしなく難しいことだからです。記事を楽しむことは難しくなります。記事をたくさん書いてきた多くの人々が他人の記事を楽しめない理由もここにあります。
他にも理由はたくさんあります。あなたが自分の下書きを推敲していると、他の人が書いた完成品の記事にも同じミスを見つけることになるでしょう。以前に酷いものを読まされた著者の記事を見かければ、その記事も自然と嫌いになるものです。CSSテーマだとかフォーマットだとかの表面的なことでさえ、その記事を読んでいる間の印象に影響するものです。
当然ながらあなたはこれらのことに影響されるべきです。実際の記事の内容には関係なく。そっちの方がより重要な真実なのです。
ステップ5: クソが、もう何も言わねえ
ときには、合理的に悪いところを見つけることができない貴重な記事に遭遇することもあるでしょう。どんな記事も完全ではありませんが、しかしこういったヤツらは忌々しいほどそれに近いところにあります。それはつまり、我々が普段批評に使う無意味で表面的な言葉が用をなさないということです。あなたが何を言っても、よくて間違ったことを言った扱いされるか、最悪の場合嘲笑の的にされます。
ここでの必勝の策は全く戦わないことです。あなたがその記事を好かなかった理由、あるいはvoteの理由だけを書いたテンプレ的な言葉を書き残し、さっさと閉じてしまうのです。そうすれば、1ナノ秒たりとも必要以上に良い記事に曝露してしまうことはありません。そこで、これまでにそんな記事を読んだことがある皆様のために便利な表を作りました。voteの理由を述べたテンプレ的コメントです。
善 | 中立 | 悪 | |
---|---|---|---|
秩序 | "本当に面白い記事だったよ!"* | "悪くないけど、タイポがいくつかあった。NV。" | "ACS使ってるからDV。" |
中立 | "素晴らしい。+1"* | "NV" | "-1" |
混沌 | "酷い記事だったけど、残り続けてほしいもんだな。"* | "DV、Taleになるのが待ちきれませんね!" | "DV入れたらお前のワイフを犯しに行ってやる。" |
* でもvoteはしない。
これはいつなんどきでも、ただ何も言わないでいることよりも良いことです。
ボーナスステージ: CSS批評
おおっ、CSSテーマには好きなだけ罵詈雑言を投げつけてください! 誰も気にかけやしません、まったくイカれてるぜ!
おわりに
まだお気づきになっていない皆さんのために言っておきますが、これはジョークです。これは私がこのサイトで行ってきた批評を、そして私が見てきた多くの批評を面白おかしく解説したものです。この記事には、私自身を除くいかなる特定個人に対する攻撃の意図もありません。私が言いたいのは、これとは正反対のことです。つまり、我々はみな優しく、礼儀正しく、どの記事に対しても、またどの批評も公正であるよう心掛けねばなりません。私自身がしばしばそれを守れていない自覚はありますが、そんな私を笑っていただくことで、皆様には批評を投じる前に今一度それを見直していただければと思います。