グラス博士の定期心理鑑定
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以下はサイモン・グラス博士によって行われた財団職員の心理鑑定の抜粋です。

グラス博士: よろしい、始めましょうか。アルト・クレフ博士──

クレフ博士: [被験者はウクレレをグラス博士に渡す]

グラス博士: ……、とてもいいですね。[少々難しそうにAのメジャーコードを弾く]博士、面談を開始しましょう。どうかそのシナモンロールは取り出していただいて──

クレフ博士: ツイストだ。

グラス博士: 何ですって?

クレフ博士: これはシナモンツイストで、ロールじゃない。一つどうだい?

グラス博士: えっと。あなたの鼻に入っていないものはありますか?

クレフ博士: いや。

グラス博士: でしたら結構です。ともかく見ていきましょう──、何てことだ、誰がショットガンをここに持ち込むのを許可したんだ?

グラス博士: さて、エージェント・ディオゲネス、ち、調子はどうです?

エージェント・ディオゲネス: 調子は良い、だがなぜ私に毎週の精神鑑定が必要なのかが疑問だ。ほとんどの人間は月に1回だけなのに。

グラス博士: ですね、ごもっともです、そうですね聴いてくれますか、土曜日の夜には何をして過ごしますか?

エージェント・ディオゲネス: うーん……。

グラス博士: え、ええと、ううん……、ハイキングはお好きですか?

ゴースト局長: 小さく、ゆっくりと円を描くんだ。信じろ、きっと彼女はお気に召すさ。

グラス博士: [ノートに書いている]待った、私の舌か手を使って?

コンドラキ博士: よし、それで、あいつがはらわたに蹴躓いたもんだから、俺はようやくあいつに追いついた。

グラス博士: はあ……。

コンドラキ博士: そして俺はあいつのバカ面にこんなふうに撃ちこんだ。バーン。脳みそはそこら中に、なあおい、素晴らしいね。一緒に居たDクラスは赤ん坊みたいに泣き喚いてたよ!

グラス博士: それがあなたの財団で働いている間の──お気に入りの──思い出なのですか?

グラス博士: ではそれをどのように感じましたか?

ライツ博士: あいつを殺りたい!つまりね、私はファックする気持ちの準備はできてたの、そしたら彼はテレビゲームを買ったのよ?まるで、まるで──

グラス博士: アガサさん、ランプを置いてください。アガサさん……、警備員、警備員!診察室Aへ!

ギアーズ博士: ……。

グラス博士: 難しいことじゃありません、見たものを話すだけでいいんです、それだけのことです。

ギアーズ博士: ……、左右対称のインクのシミが見えます、黒の#4インクのようです。紙が中央で折り曲げられていることから、これはロールシャッハ、つまり「インクのシミ」テストだという結論に至りました。

グラス博士: ……、OK……、でもなにか形に見えませんか?蝶みたいだとか、海とか人間だとか、なにかないですか?

ギアーズ博士: いいえ。

グラス博士: 本当に?一瞬何かを見たように見えましたよ……。

ギアーズ博士: いいえ。抽象的な形状の黒い集合物に見えます。

グラス博士: ……、OK……、他のものを試しましょう……、ちょっと……、そんな目で見つめるのをやめてください……。

グラス博士: ……。

クレフ博士: ……。

グラス博士: では……、何を話しましょうか……。

クレフ博士: 私は基地で皆殺しにすることについて考えていた。

グラス博士: ……、何と?

クレフ博士: 何でもない。

グラス博士: あなたが基地で皆殺しにすることを考えているって言ったように思えましたが。

クレフ博士: からかってるのか?そんなこと言っちゃいない。どうして私が朝目覚めると青い殺菌剤から抜いたカミソリで助手の喉を切り裂いてそれからホールを裸で走りぬけ行く手を阻む者をみんなめった斬りにしようと時々考えているなんて言うんだ?

グラス博士: あ……、あんたまた言いましたね!

クレフ博士: 何を言ったって?気分は大丈夫か、グラス博士?顔色が悪いぞ。

グラス博士: 私とこの基地の全員を惨殺するって脅したでしょう!?

クレフ博士: いやそんなことはしてないよ。

グラス博士: いいえ言いましたとも!巻き戻します、聞きなさい!

<テープレコーダーの再生音>

クレフ博士: 本気かい?私が朝起きて髭を剃ることをきみに話しているようにしか聞こえないが。

グラス博士: なにっ?聞け!あんたはこう言ったぞ……

クレフ博士: なあ、グラス博士、幻聴はしばしば過労とストレスで発生するんだぞ。しばらく休むべきじゃないかな。

グラス博士: ……、クレフ、あんたはこの面談から逃げられない。くだらない暴力的な脅迫で私を怯ませて、面談を早々に終わらせようとしているだけだろう。そのような横柄な手口は明らかに見え透いていると警告しておく、今もし……

クレフ博士: どうして私がそんなことするんだい?催眠剤入りガムを用意して、親切な軽食の差し入れを装ってきみに勧め、いつでも好きなときにきみを殺して焼却炉に投げ込めるように眠らせて、全ての証拠品を破壊し絶対に私が追及されないようにするって言い張るのと同じくらい馬鹿げているよ。

グラス博士: ……

クレフ博士: 気分が良くないようだね、グラス博士。横になってしばらく目を閉じているべきじゃないかな。

グラス博士: ……、わかった、もう行っていいよ……

クレフ博士: ガムはいかが?

グラス博士: ……。

ギアーズ博士: ……。

グラス博士: 蝶に見えません?

ギアーズ博士: いいえ。

グラス博士: タコは?

ギアーズ博士: いいえ。

グラス博士: 顔が溶けていく恐ろしい爆発は?

ギアーズ博士: ……いいえ。

グラス博士: ふわふわした子犬は?

ギアーズ博士: いいえ。

グラス博士: ちょうどここに幸せな子犬が見えないんですか?見てください、この紙の下の方を……

ギアーズ博士: 不定形の黒インクのシミが見えます……、それと貴方の指が。

グラス博士: ……どうしたら同時にこうも協力的なのとイライラさせるのを両立できるんですか……

コンドラキ博士: よし、血痕が守衛のロッカーに続いているのに気づいたのはその時だった。コソ泥野郎は血を流しながら箒とモップの後ろに隠れようとしたんだ!

グラス博士: あなたは……、コーヒーマシンのフィルタ交換を怠ったことをめぐって、レベル2職員数名と銃撃戦になったと本気で言っているのですか?

コンドラキ博士: そう君は大したことじゃないと思うかもしれないが──

グラス博士: あなたはもう休憩室のコーヒーマシンを使っていないのに?

コンドラキ博士: ここでの問題はものの道理だよ、グラッシー。フィルタがなければコーヒーもないということ、コーヒーがなければ研究員が疲労する、疲労した研究員は失敗する、代償の多い失敗は俺の書類の山の中で赤い数字になる。俺が何を言いたいかわかるよな?

グラス博士: [間をおく] コンドラキ博士、面談の間に剣を砥ぐのをやめてくれたらうれしいですね。

コンドラキ博士: 迷惑かい、博士?

グラス博士: [ため息]

コンドラキ博士: タバコをやっても大丈夫かい、いい?

メモ:
私の公式見解として、全ての財団職員はさまざまな社会規範の喪失に苦しんでおり、深刻な情緒障害を抱えた無道徳的人間であると考えていることを示しておきたい。土曜日に私とボウリングをしに行くべき、非常に素敵な若い女性もしくは男性であるエージェント・ディオゲネスを除いて。 ── グラス博士

メモ: いくつかの面談の部分はサイト-17管理者のコンドラキ博士に関わる機密情報のため改変されている。書かれた出来事は保存目的で承認され事実とみなされる。レベル4クリアランスを持つ者は文書[データ削除済]の「コーヒー氏」事件に関する情報として見ることができるだろう。 O5-2

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