アブノーマル教授のサイエンス・ラボ-JPシリーズスペシャル「博士と教授」
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以下は20██/██/██にオンライン動画共有サイトにて確認された、要注意団体「ワンダーテインメント博士」及び「アブノーマル教授」が出演したと思われる映像記録です。
この番組は番組内で説明されているように、前後編に分かれているものと思われますが、現状前半及びCM部分のみ確認されています。後編は財団の機密事項に関与している可能性が非常に高く、早期の発見が求められています。
また、番組内で紹介されている「博士のちびっ子研究員のための実験セット」は、現状捜索が行われておりますが、発見に至っておりません。


映像記録:███-JP-A

出演者: 
a:SCP-2702-1「アブノーマル教授」 
b:要注意団体「ワンダーテインメント博士」
c:SCP-2702-2「アシスタントロボのプレスコット」


「アブノーマル教授のサイエンス・ラボ-JPシリーズ第1期スペシャル」とのタイトルコールの後、実験室と思われる部屋が映される。背景にはロボ・プレスコットが映り込んでいる。

録音された拍手の音に迎えられて画面右側からアブノーマル教授が登場する。、

アブノーマル教授: やあ、ニッポンのちびっこ研究員の諸君、こんにちは! 今日は素敵なゲストが来ているんだ! 早く紹介したいよ。

アブノーマル教授: でも、その前に……君たちは普段どんなおもちゃで遊んでいるかな?

録音音声の子供の声が口々に玩具、ゲーム、お人形などと答える。アブノーマル教授は耳に手を当て、大げさに大きく頷いている。

アブノーマル教授: お人形? いいね、テレビゲーム? おお、素晴らしい! でも諸君、もっと素晴らしいものがあるよね! そう、僕も大好きな玩具! 君たちも絶対ひとつは持っているはずさ、ワンダーテインメント博士のとびきり楽しいおもちゃをね!

画面中央に赤を基本とした「ワンダーテインメント博士」のロゴが表示され、フェードアウトする。

ロボ・プレスコット: 教授、話が長いデス。このままだと博士がおじいちゃんになっちゃいマスよ。
録音された笑い声。

アブノーマル教授: おっと、そうだったプレスコット! 彼を待たせちゃいけない! それじゃご紹介しよう、僕の大親友!

アブノーマル教授: ワンダーテインメント博士だーっ!

アブノーマル教授が大きな手振りで画面左側を指すと、ファンファーレの音色と共に白衣を来た白髪の男性が現れる。映像はそのままワンダーテインメント博士と思われる男性を追い、アブノーマル教授と握手を交わすシーンをズームで映す。

ワンダーテインメント博士: やあ、日本の良い子たち! 元気にしているかな? いつもワンダーテインメント博士のおもちゃで遊んでくれてありがとう! みんなの楽しい声が私達の励みになるんだよ!

ワンダーテインメント博士が画面に向かって笑みを向けている。同時に録音された子供の歓声。

アブノーマル教授: 今日はね、ワンダーテインメント博士と一緒に「科学のおもちゃ」の作り方について説明しよう!

ロボ・プレスコット: 教授、そろそろ始めないとちびっこ研究員たちが飽きてしまいマスよ。ちびっこがだだっ子になってしまいマス。

録音された笑い声。 アブノーマル教授が大げさに自分の額を叩く。

アブノーマル教授: ああ、そうだともプレスコット! それじゃあはじめよう、ワンダーテインメント博士!

アブノーマル教授及びワンダーテインメント博士が実験室中央のテーブルに移動する。テーブルは「ワンダーボックス」というシールが貼られた大きな箱が置かれている。

アブノーマル教授: ワンダーテインメント博士のおもちゃはどれもこれも、とっても科学的で面白い! そうは思わないかい? 博士、博士はどうやってああいう玩具を作っているのかな。

ワンダーテインメント博士: そうだなあ、難しい質問だね。私は子供たちが喜んでる顔が大好きなんだ、だから、子供たちのことを思い浮かべながら作っているんだよ!

アブノーマル教授: でもそれじゃちびっこたちじゃ作れないじゃないか! 博士、今日はみんなが作れる科学のおもちゃを紹介して貰わないと!

ワンダーテインメント博士: Wow! そうだったね、それじゃあ今日は「博士のミラクルキャンドル」を作ってみようか!

ワンダーテインメント博士がワンダーボックスと貼られた箱を開く。中からは大きなボウル、ビーカー、ポット、蝋燭、カッター、いくつかの試験管が登場する。

ワンダーテインメント博士: まず、此処に大きな蝋燭があるね。これをゆっくり真ん中の芯から剥がして、ビーカーにいれよう! この芯は後で使うから取っておこう!

アブノーマル教授: 次はどうするんだい?

ワンダーテインメント博士: 次に、このクレヨンをね! ほら、色々な色があるだろう? プレスコット君、君はどの色が好き?

ワンダーテインメント博士が画面左のロボ・プレスコットに対して20色のクレヨンを見せる。ロボ・プレスコットはまるで「呆れたように」自分の機械の頭を搔いている。

ロボ・プレスコット: 博士、私はロボットデスからネ。色の好みなんて言われても困りスス。強いて言うなら銀色デスが。ピカピカしてて。

ワンダーテインメント博士: おお、じゃあ今回は銀色を使ってみようか。 カッターでゆっくり削ってビーカーにいれよう! 刃物は危険だから、お父さんかお母さんに手伝ってもらってね!

銀色のクレヨンが削られる。画面中央にも「注意:刃物を扱うときはお父さんお母さんと一緒にやろう!」とのテロップが表示される。

ワンダーテインメント博士: それじゃあ、次はこのビーカーをお湯につけて、ゆっくり棒でかき回すんだ。ほら、どんどん蝋燭が溶けていくだろう?

アブノーマル教授がボウルにお湯を注ぎ、ビーカーを浸す。徐々に蝋が溶け出しクレヨンと交じり合っていく。

アブノーマル教授: みるみるうちに溶けていくね。こうやって物が温まって溶けることを「融解」っていうんだ。アイスだって暖かい部屋に出していたら徐々に溶けてしまうだろう?

アブノーマル教授: そうやって、固いものが温まって溶ける温度のことを「融点」っていうんだけど、蝋燭とクレヨンはほぼ同じ温度で溶けるんだよ。それに、成分もほぼ同じだからこうして混ざり合うことが出来るわけさ。

アブノーマル教授の言葉にあわせて画面上に「融解」や「融点」の文字が表示され、液化したように溶ける演出でフェードアウトする。

アブノーマル教授: でも博士、これじゃただの蝋燭になっちゃうんじゃないかい?

ワンダーテインメント博士: ここで、博士の特製レシピの登場だ! ほら、これを見て、素敵な物がいっぱいあるだろう? これをそっとビーカーに入れるんだ。

机に置かれたいくつかの試験管がズームアップされる。それぞれ「夢見心地の夢」や「あまい練乳牛のミルク」、「ふわふわの雲」等とラベルされており、ワンダーテインメント博士はそれらをビーカーの中に注ぎ込む。
10秒程すると、ビーカーの中の蝋が変化し、淡い虹色に光り輝き始める。

アブノーマル教授: おお、色が変わった! プレスコット、これはすごい!

ロボ・プレスコット: そうデスね、でも銀色じゃないデス。

ワンダーテインメント博士: まあまあ、そう言わないでおくれよ! さあ、最後にとっても大事なものの登場だよ!

ワンダーテインメント博士が最後の試験管を手に取る。中身は紫色の液体でラベルには「不確定要素」と記されている。

アブノーマル教授: オオー! 博士、博士、それは何だい?

ワンダーテインメント博士: これはね、とっても素敵な「不確定要素」っていうものなんだ。これを入れると、とっても面白いことになるんだよ! 

アブノーマル教授: 「不確定要素」! 難しい言葉だ! ちびっこ研究員諸君のために説明しよう!

アブノーマル教授が画面の端から白い布の掛けられたボードを引いてくる。布が取り払われると、黒板にいくつかのサイコロが描かれており、それらの出目は全て「?」になっている

アブノーマル教授: 不確定要素っていうのは、例えば君がサイコロを転がしたとするよね? その時に出る目は1かもしれないし、6かもしれない。 そういう「絶対にこうなる」っていう流れが決まっていない事を言うんだ。

アブノーマル教授: でも博士、「不確定要素」なんて優秀なちびっ子研究員でも、持っている子は少ないんじゃないかい?

ワンダーテインメント博士: 心配ご無用! 今なら「博士のちびっ子研究員のための実験セット®」に必ずついてくるからね!

アプノーマル教授がボードを回転させる。ボードの裏全面に、チョークで描かれたと思われる「博士のちびっ子研究員のための実験セット®」のイラストが描かれている。

アブノーマル教授: 「不確定要素」を持っていないちびっ子研究員の諸君は、ワンダーテインメントショップへ急ごう! ちゃんと説明を読もうね!

ロボ・プレスコット: 用法用量を守ってくだサイ。

アブノーマル教授がボードを押し戻す。遠くで大きく物が崩れる音や、何かが割れる音。同時に録音された笑い声が再生される。

ワンダーテインメント博士: さあ、みてごらん。みるみるうちに蝋燭の色が変わっていくだろう? そろそろいいかな、さっき取っておいた芯を、ビーカーの中でまっすぐに固定してね。これでちょっと冷やせば出来上がり! 冷えるまでアイスでも食べて待っていよう!

ワンダーテインメント博士が蝋燭の芯をビーカーに沈めて固定し、実験室の冷蔵庫へと格納する。
画面が暗転し、中央に時計のようなマークが現れ「30分後」とテロップが表示される。
映像が戻ると、ワンダーテインメント博士が冷蔵庫からパチパチと火花を散らすビーカーを取り出すシーンを映し出す。

ワンダーテインメント博士: さあ、もういいかな。 みてごらん、「博士のミラクルキャンドル」が完成したよ! 教授、手伝ってくれてありがとう!

アブノーマル教授: こちらこそ、博士! さあ、これからこのミラクルキャンドルで遊んでみようか!

ワンダーテインメント博士: この「博士のミラクルキャンドル」は、火をつけてじっと見ていると不思議な世界が見えてくるんだ。かわいいにゃんこが一杯の国? それとも溢れ出るケーキの山? 思いのままさ!

画面の左に子猫がデフォルメされた吹き出し、右側に同様にケーキで出来た山の吹き出しが表示される。

アブノーマル教授: それは面白そうだね! それじゃあプレスコットで試してみよう、ほらプレスコット! この火を見てごらん!

アブノーマル教授が火をつけると、ビーカーの火花はより大きくなる。火は様々な色に変化する。

アブノーマル教授: プレスコット、何が見える?

ロボ・プレスコット: ただの火デス。緑色でバチバチ燃えているただの火デスね。

アブノーマル教授: あれ? おかしいな……。僕には大きなとろけたチョコレートの山にみえるんだけど……テレビの前のちびっこ研究員の諸君にはどう見えるかな?

以降、BGMが消え画面が蝋燭の炎のみを映し出す。
この蝋燭の映像に曝露した者は「映像に吸い込まれるような」感覚を覚える。
5分経過後、突如ロボ・プレスコットの腹部の鳩時計が「ポッポー」と鳴き出し、アブノーマル教授に映像が戻る。

アブノーマル教授: おっと、博士! 時間が来てしまったようだ。さあみんな、目を覚まして! ワンダーテインメント博士を拍手で見送ろう!

アブノーマル教授が息で蝋燭を吹き消す。同時にBGMも再生され始め、映像は実験室全体を映し出す。

ワンダーテインメント博士: アブノーマル教授、今日はありがとう! 良い子のちびっこ研究員君、これからもよろしくね!

録音の拍手音とファンファーレが再生され、ワンダーテインメント博士が退場する。画面にはロボ・プレスコットとアブノーマル教授が映し出される。

アブノーマル教授: 次は、さっき紹介した「博士のちびっ子研究員のための実験セット®」の紹介映像を見てもらおう。その後、番組の後編は特別編だ! 「SCP財団 日本支部の秘密」をお送りするよ、チャンネルはそのままだ!

画面下に「SCP財団ってなあに? 日本支部って? アブノーマル教授とプレスコットが全部教えよう!」とテロップが表示され、暗転する。

 


 
映像記録:███-JP-B

出演者: 
a:要注意団体「ワンダーテインメント博士」:白髪の白人男性。
b:ちびっ子研究員:推定10歳前後と思われる日本人男性。
c:ナレーション:男性のナレーション。


一般的に「理科室のような」と形容される、ごく標準的な実験室でちびっ子研究員(以降子供研究員と記載)が実験を行っている。
子供研究員が実験机に並べられたいくつかの試験管の中身を混合させると、内容物が大爆発を起こす演出があり、画面全体が暗転する。

ワンダーテインメント博士: やあ、素晴らしきちびっ子研究員くん! 実験はどうかな?

煤などで黒く汚れた子供研究員の肩をワンダーテインメント博士が叩く。

子供研究員: ワンダーテインメント博士! だめなんだ、どうやってもうまくいかないんだ……。

ワンダーテインメント博士: ははは、くじけちゃいけないぞちびっ子研究員くん! そんなときは、ほら!

肩を落とす子供研究員に、博士はバッグの中から「博士のちびっ子研究員のための実験セット®」と刻印された大きな木箱を取り出す。

ワンダーテインメント博士: 「博士のちびっ子研究員のための実験セット®」を使ってみよう!

ワンダーテインメント博士が腕を大きく広げる演出にあわせて画面が切り替わる。
それぞれナレーションにあわせた映像が再生される。それぞれの映像が切り替わる度に、色違いの試験管から液体が垂れ、白い煙が湧き上がる演出が再生される。

ナレーション: シャンプーから可愛いふわふわの子猫を作ったり……

シャンプーのポンプを押す度に白い子猫がポンプから出てくる。

ナレーション: 目玉焼きから恐竜を孵らせたり……

ベーコンが添えられた目玉焼きから全長推定10cm程度のティラノサウルスと思われる恐竜が黄身を破って出てくる。

ナレーション: 君の友達を大人に? それとももっと子供にしちゃうことだって簡単!

小さな人形が成長して大人になる。その後、徐々に子供に戻っていく。
映像が切り替わると、綺麗になった実験室の中心に「博士のちびっ子研究員のための実験セット®」の内容品と思われる物体が並べられている。

子供研究員: わぁ、すごい!

ワンダーテインメント博士: すごいだろう? さあ、ちびっ子研究員くん、実験を続けようじゃないか!

子供研究員: はい、博士! 

子供研究員が「博士のちびっ子研究員のための実験セット®」を用いて実験を再開する。

ナレーション: 「博士のちびっ子研究員のための実験セット®」には夢と希望、そして君の実験を助ける知恵が詰まってる!

ナレーション: さあ、ワンダーテインメントショップへ急ごう!

子供研究員が混ぜあわせた試験管の内容物から桃色の噴水のような液体が吹き上がり、画面全体を覆い尽くす。
画面下部に「博士のちびっ子研究員のための実験セット®をお使いになる際は必ず父兄の方が監督されるようお願いします」との注意書きがテロップで表示され、映像は終了する。


補遺1: 映像中に登場するワンダーテインメント博士は、映像記録:███-JP-Aに登場したワンダーテインメント博士とされる人物と同一人物であり、またナレーションの音声は同映像記録の「アブノーマル教授」の声と同一であることが判明しています。また、映像記録:███-JP-Bに登場する子供研究員の身元は現在判明しておりません。

補遺2: 映像中に登場する「博士のちびっ子研究員のための実験セット®」の内容物にはそれぞれワンダーテインメントロゴが刻印されています。

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