SAPHIR ハブ
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アルジェ・ロッジの構成員たち、1913年。
撮影状況不明。

神秘主義終焉のための無神論者協会1、通称“SAPHIR”サフィールは専ら西ヨーロッパ全域を勢力圏としている要注意団体ですが、東側諸国、北アフリカ、そしてアメリカ合衆国の東海岸地域でも活動しています。

知られている中で最古のSAPHIRに関連する活動は1909年まで遡るものの、大幅な発展を遂げたと思われる1960年代まで、SAPHIRは極めて不透明な組織のままでした。この発展の正確な要因は不明です。

SAPHIRは、あらゆる形態の信仰・宗教・迷信こそは人類にとって不幸の根源であると信じ、それらの信仰・宗教・迷信、そしてその源であると見做したSCPオブジェクトに立ち向かうと唱道しています。

合理性とヒューマニズムの理想を支持すると主張しているにも拘らず、SAPHIRはテロ行為目的で異常な手段を使用し、伝統的宗教とオカルト宗教の双方に攻撃を加えることを躊躇しません。主な犠牲者となるのは往々にして民間人です。また、これらの攻撃は迷信や(彼らは未来予知を愛好する民間人も標的としています)、財団などのライバル組織に向けられる可能性もあります。

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“6月12日の作戦のためのRUBIS選抜”
撮影状況不明。

内部構造:

SAPHIRは実際的な指導者や中央権力に従っておらず、約50の半ば独立した支部ロッジに分かれています。各ロッジは独自の方針で自由に行動できますが、その意志さえあればお互いに協力する場合もあります。ただし、全てのロッジの構成員はロッジ・リーダー1名の責任と権限の下にあります。これらのロッジ・リーダーたちは毎年、“柱廊”ストアとだけ呼ばれる未知の場所に集合してサミットを開催します。

SAPHIRは構成員に平等主義ポリシーを付与すると主張しますが、全てのロッジ・リーダーと大半の高位構成員は市民科学分野の権威である教養人および/または富裕層のようです。N███ ████████ █████、C███ █████、R██████ ███████などの一般社会に知られている著名な科学者の一部は、密かにSAPHIRエリートの一員になっていると信じられています。

資金調達:

SAPHIRは財政手段の一部を支持者たちから会費として調達し、また別の一部は数名の裕福な後援者からの寛大な寄付金で賄っているようです。これらの金銭的支援の中でも財団が積極的に監視しているのは、アメリカ合衆国の東海岸を本拠地とするシルバースタイン家と、少なくとも1930年代から頻繁にSAPHIR構成員を輩出しているスイスのファウスティル家です。SAPHIRの一角を担ってはいないが異常存在および/または宗教の根絶に関心を持つ組織からの財政援助もあり得ると推測されています。しかし、その疑惑はまだ確証されていません。

活動:

SAPHIRの活動は情報収集、テロリズム、研究、無神論主義への積極的な改宗活動、異常な物品や現象の破壊を重視しています。この目標のために、SAPHIRは幾つかの部門に分かれています。

  • 特異点シンギュラリティの回収・戦略的使用・抑圧2: RUBISリュビはSAPHIRの現場活動部門であり、多かれ少なかれ財団の機動部隊に相当します。彼らの目的は、その名が示すように、SCPオブジェクトを回収すること、それらを宗教に対して(例えば攻撃のために)使用すること、そしてそれらを破壊する — 破壊不能と判明した場合は対抗するか、影響力を制限する — ことです。

SAPHIRは財団のように自由裁量で運用できる軍事力を持たず、また構成員の大半は一般人であるため、各RUBISチームはその時必要な知識・実践技術・正確な手段を有する構成員たちの自発的志願によって組織され、状況に即興で対応します。その結果、RUBISは任務次第で1名のみの場合もあれば、100名以上で構成されることもあります。素人であるが故にしばしば捕縛されるものの、RUBISの任務成功率は60%です。

  • 諸機関・同盟・教条主義的対立組織の内部における潜入・脅迫・諜報3: EMERAUDESエムロードは異常な社会との接点を持つ他組織内の潜入エージェントを指します。彼らは特に有害な影響を及ぼす可能性が高く、恐らくSAPHIRにとって最大の戦略的アドバンテージです。彼らはSCP財団などの“諸機関”、世界オカルト連合などの“同盟”、そして境界線イニチアチブなどの“教条主義的組織”の内部に存在しています。

EMERAUDESは極めて数が多く、慎重で、効率的です。SAPHIR構成員の殆どは科学者であるため、財団への潜入に何ら問題を抱えておらず、多くの場合はスパイと知られずに選択・雇用されます。既に財団に勤務している研究者の一部がフィルブソン症候群を発症し、やがて秘密裏にSAPHIRに加わる事例も仮定されています。既に1970年代から合計██名のEMERAUDESが財団内で発見され、███名前後の職員が内部保安部門の監視下に置かれています。

  • 非現実の真理探究、合理主義的思考、無知の排除4: ZIRCONジルコンは超常現象検証家で構成された部門であり、“何故それが有り得ないか”についての正確な報告書を書くために、異常現象の現場に最初に派遣されます。懐疑主義と弁論術のエキスパートである彼らは、SAPHIR内外の意思疎通の管理や、SCPオブジェクトへの“科学的な”(しかし露骨にバイアスがかかった否認主義的な)研究も担当しています。

SAPHIRの研究者たちが独自に行う異常物の研究は、本質的にSCPオブジェクトの実際の能力や限界を探る内容に限られており、対象をどのように破壊/抑制/使用すべきかを把握するのが目的です。SAPHIRは異常存在についてそれ以上の興味を抱いておらず、彼らの研究施設から回収された技術文書の一部が“形態力場”や“地電流共鳴”などの(超常物理学分野では概ね時代遅れと見做されている)用語を使っていることから、彼らは超常科学の分野において大幅に遅れていると証明されています。

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