SCP-001-H - 最大正常性領域
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ホープタウン

アイテム番号: SCP-001-H

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-001-Hにおいてはその収容プロトコルを維持するべく、サイト-0が運営されています。

人口管理部門はSCP-001-H住民が2,500,000人2,000,000人を超過することがないよう調整してください。上記の基準値を超過した場合には人口削減策の行使が許可されます。具体的な策としては、犯罪率上昇、内政不安、強力な疾病のほか、住民福祉の減退、医療サービスの改悪などが挙げられます。

フロンティア領域には機動部隊アルファ-10 ("境界警備隊") を配備してください。彼らにはSCP-001-Hへの進入を試みる部外者をすべて排除し、外的脅威から保護する任務が課せられています。

ヴェール・プロトコルの維持を目的として、それと同じ名を冠する部隊が組織されました。加えてハイパーニューラルネットワーク・CAKENETが構築され、これを用いてあたかもインターネットが正常に動作しているかのように偽装しています。

現状の収容プロトコル破綻推定時期: 2035年。

説明: SCP-001-Hは面積約600500km2の領域です。正確な面積は測定できていません。これは異常現象がどの地点から発現するかがはっきりしていないことに起因します。SCP-001-Hはグレートブリテン島の南部に位置します。

SCP-001-Hの中心部はホープタウン (ХоуптаунHopetown) という町にあり、2030年時点での人口は1,791,568人です。この町には地下サイト-0が存在し、トンネル網により管理棟やフロント企業と結ばれています。SCP-001-Hのうち町を取り囲む外縁部分は「フロンティア」に指定されています。

SCP-001-Hはオブジェクト一覧に掲載されているどのアイテムとも異なり、異常性と呼べるような性質を有さず、またその内部に異常物品が含まれているわけでもありません。しかしながらSCP-001-Hの特異性および人類種の生存においてそれが果たす意義を鑑みれば、財団による保守と特別収容プロトコルの制定は不可欠です。

SCP-001-Hは知られる限り唯一の、アクセス可能かついかなる異常影響も被っていない土地です。当オブジェクトは、人間が正常かつ比較的安全な環境で生活できる最後の領域と考えられています。現在のところ他の土地で存続している人間文明を捜索するあらゆる試みは失敗したものとされています。

部隊 "ヴェール" の活動が功を奏し、SCP-001-Hの全住民は世界が正常状態にあると認識しています。

境界異常領域に関する説明: SCP-001-Hは3つの異常領域と隣接しており、これらによってオブジェクトの境界が確定しています。

北東異常領域は、SCP-001-Hとの境界の長さが最も長い異常領域です。フロンティアからはこの領域に入射した (太陽光をはじめとする) 任意の光が0.006cd/m21まで減光するという視覚異常が観察できます。これが原因となり、北東異常領域が常に夜中であるかのような錯覚が生じます。

また機動部隊アルファ-10隊員から、北東異常領域内の様々な地点にて町のような蜃気楼を目撃したという報告もなされました。現在のところ、インフラの類が北東異常領域内に存在するかを立証するための遠征は一度として完遂できていません。

北東異常領域の調査は、2020年6月付O5評議会命令により禁じられています。

西方異常領域はその内部にいる人の思考を不規則に実体化する機能を有します。当初この異常性は財団によりサイト-0用リソース補充目的で使用されていましたが、インシデント001WA-013以降、O5評議会により西方異常領域への訪問は保留されています。

また西方異常領域からは、機動部隊アルファ-10隊員らとSCP-001-H外に居住する人物との遭遇報告が1件なされました。詳細は文書「インシデント001WA-014」に記録されています。

南方異常領域は現行の仮説に基づけば、自律性の捕食性実体であると考えられます。このアノマリーは自身の射程範囲内の環境と相互作用することで、捕食対象を殺害することができます。捕食対象の遺体は未知の手段により1日のうちに消失します。

2030年5月12日に実施された最後の調査遠征の終了後、南方異常領域の面積が拡大して機動部隊アルファ-10前哨地にまで迫りました。当イベントを受けO5評議会は南方異常領域への追加遠征を禁止しました。

境界異常領域に関する詳細については当該文書を閲覧してください。

収容確立経緯: SCP-7561の記録後、財団は一連の解析予測を行いました。その目的はこの世界における異常領域の増加動向ダイナミクスを導出することでした。この研究により今日こんにちSCP-001-Hに指定されているその領域こそ、財団の全活動期間を通してもっとも異常現象が少なかった場所であることが判明しました。また当該領域では今後も異常領域が発生しないであろうことも推定されました。

2009年に複数のアノマリーによって引き起こされた一連のインシデントの後、異常現象が少ない領域は「高正常性領域」に指定されました。その1年後に財団はこれら地域の公共インフラおよび制度的インフラ増強プログラムを始動しました。SCP-001-H領域内でサイト-0が着工されました。

2012年、高正常性領域には「SCPオブジェクト・カテゴリー-H」というステータスが付与されました。

2029年、サイト-0とSCP-058-Hとの連絡が断絶しました。SCP-058-HはSCP-001-Hを除けば知られていた中で最後の高正常性領域であり、ノルウェーの町・ロングイェールビーンにありました。SCP-001-Hは財団の収容下にある最後のオブジェクトと考えられています。

補遺 1 - ヴェール・プロトコル全面放棄プロセス:

現行のSCP-001-H特別収容プロトコル違反の見込みが十分高くなった場合、ヴェール・プロトコル全面放棄がO5評議会により開始されます。このプロセスは以下に示す段階を踏みます。

  1. 直近数年間の真なる史実や財団の活動を発表するための、公開用資料を作成。
  2. サイト-0にある全世界史保管ユニットを封鎖。
  3. サイト-0の埋葬用フロアに勤務している者やAクラス職員を除く全職員に対し、青酸入りカプセル剤を配布。
  4. 前述のカプセル剤服用を決心した職員に対し、各人の希望に応じて埋葬あるいは火葬。
  5. サイト-0の埋葬用フロアに勤務している職員にも青酸入りカプセル剤を配布。
  6. 1. で述べた資料を公開。
  7. ホープタウンの薬局や病院において青酸入りカプセル剤を無料配布。
  8. Aクラス職員にも青酸入りカプセル剤を配布。

O5評議会はその実行までの時間的猶予が著しく短かった場合、上記項目の一部を省略することが許可されます。

補遺 2 - O5評議会から当オブジェクトに割り当てられた職員へのメッセージ

我々は大事業を成し遂げた。

今や我らが解析班は、世界終焉の日付を誤差1週間の精度で予言可能である。そして我ら皆もまた、己が為すべき務めによく奉仕している。これを称して我々は諸君に盛大な賛辞を贈らせてもらいたい。

おそらく全活動期間を通して我々が変更したものは、我らのたった一つの基本原理だけであろう。怪奇にして異常なるあらゆるものに代えて今日こんにち我々が収容しているのは、かつての正常な日々の面影。だがそのような事物は、現在の世界においてはむしろ特異にして怪奇なものに思われる。

我々にはこれ以外に道はなかった。異常アイテム件数が指数関数的に増加していることはかなり前から指摘されていた。SCP一覧のオブジェクトシリーズも急速に埋められていく。これではアイテムを一時保護施設から恒久収容チャンバーに移すのも間に合わない。

遅鈍な経理手続きはこのような業務ペースに対応できず、資産も霧散していった。収容違反インシデントも相当に頻発するようになった。

だがそれでも我々は己が務めを果たし続けられた。

あの時…そう、憐れむべき無辜の生命たちを犠牲として、ニュージーランドが今日SCP-7561と呼ばれているものに成り代わったあの時…大衆はこの世界の秘密が白日の下に晒されるのを期待していた。しかし海洋支部の勇敢なる職員らのおかげで部隊 "ヴェール" の結成が間に合い、記憶捏造実施システムも完成に至り、既に開発が最終段階に迫っていたCAKENETもスタートアップに漕ぎ着けた。

世界のあちこちがボロボロと崩れ続けていく中、我々は皆この状況に対する己の無力さを痛感していた。今、最後に残った旧世界の断片…それがSCP-001-Hなのだ。我々のリソースは、その消費計画を遵守する限りは2035年までは保つことになる。とはいえ皆が理解している通り、不測の要因によって…例えばごく最近、南方境界異常領域で起きたようなことがあった場合には、我々の活動限界はもっと短くなりかねない。だがそれでもなお、我々は自らの目標を追い続けねばならない。

人類が健全で正常な世界で生きていけるように、他の人類が光の中で暮らす間、我々は暗闇の中に立ち、それと戦い、封じ込め、人々の目から遠ざけなければならない。最後のその瞬間まで。

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