アイテム番号: SCP-003-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-003-JPは東シナ海の収容エリア-8109に設置されています。収容エリア-8109の情報は地図、衛星写真から抹消してください。収容エリア-8109の位置する海域には海上強盗の出現情報を流布し、財団の所有する海上保安庁所属の巡視艇にてパトロールを行ってください。収容エリア-8109の20km以内に民間船舶が入った場合は、無線による海域離脱を命じてください。5km圏内に侵入した場合は船舶を拿捕し、乗員にCクラス記憶処置を施した上で、120km以上離れた海域に開放してください。船舶が明らかに上陸を目的としている場合は、無線妨害を行ったうえで沈没させてください。
収容エリア-8109には回収部隊い-7"虎縞猫"を常駐させ、出現したSCP-003-JP-1の回収を行ってください。SCP-003-JP-1の危険度に応じて回収部隊い-8"赤猫"、回収部隊い-9"大熊猫"の出動、あるいはSCP-003-JP-1の破壊が承認されます。SCP-003-JP-1の破壊がきわめて困難な場合は、収容エリア-8109に設置された核兵器の起爆を行ってください。
回収されたSCP-003-JP-1が分類済みオブジェクトの場合は、関係部署に報告の上、再収容を行ってください。
また、駐留する回収部隊は島内を捜索し、未回収のSCP-003-JP-2を発見してください。回収されたSCP-003-JP-2はサイト-8190の重要文書庫に収容してください。SCP-003-JP-2の閲覧は、3名以上のO5の許可を得たレベル4以上の職員にのみ認められています。
国内でシナリオ81BCクラスの事態が発生した場合は、SCP-003-JP及び同等品の積極的活用が許可されます。
説明: SCP-003-JPは東シナ海の██████島(収容エリア-8109と指定)に放置されている、████████戦中の████████████国によって開発された物資輸送装置です。24の[削除済]を格納した容器と高さ3mの金属製の円筒がケーブルで相互接続されている構造で、外部からのエネルギーの供給が無くとも動作します。19██年に[削除済]を用いた超能力兵器として開発されましたが、戦況上の理由から物資輸送装置として調整されました。しかし原因不明の暴走により、現在SCP-003-JPは無秩序に物品を周囲に取り寄せます。SCP-003-JPによって取り寄せられる物品(SCP-003-JP-1と指定)は生物無生物を問わず、肉眼やカメラなどで監視されていない状況にある物体が対象となります。4████件中3件程度の割合ですが、SCPオブジェクトとして指定されているオブジェクトや、財団が確認していないオブジェクトにも及びます。
SCP-003-JPが財団の目に留まったのは、SCP-███の収容違反によるものです。SCP-███が収容環境から突如消失し、装着されていた追跡装置が██████島を示したことにより発見に至りました。発見当初、██████島にはSCP-003-JPが██年の間に取り寄せたSCP-003-JP-1が無数に散在しており、大規模な回収ミッションが展開されました。
現在、SCP-003-JPはその性質から施設内での封じ込めが困難と判断され、██████島に設置されたままとなっており、配置された部隊によるSCP-003-JP-1の回収によって対応を行っています。また、分類済みオブジェクトを取り寄せる可能性がある点については、危険度の高いものはカメラなどで監視されているため、SCP-003-JPの影響を受ける可能性が低いとされています。また、SCP-003-JPの解体作業中に起きた、作業員の失踪及び取り寄せにより、SCP-003-JPにはある程度の自己修復機能があると考えられます。現在、SCP-003-JPの破壊は保留されています。
なお、回収された技術文書(SCP-003-JP-2と指定)には、SCP-003-JPの製造方法が詳細に記述されており、薬物処理された[削除済]を使用することで容易に再現できることが判明しました。SCP-003-JP-2を参考に、Dクラス職員を用いて再現を行ったところ、過去の実験記録と同じ性能で動作するSCP-003-JPと類似した機能の装置が完成しました。しかし、SCP-003-JP-2中のSCP-003-JPと現在のSCP-003-JPの形状に大きな齟齬がある為、何者かによる改造、あるいはSCP-003-JPによる自己改良が行われている可能性があります。試作された装置は各種シナリオ発生時に備え、分解された上でサイト-8190内の8ヶ所に保管されています。
補遺:SCP-003-JP-1回収ログ:
日時については省略
回収アイテム | 回収結果と事後対応 |
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箱に入った中国製の鉛筆(HB 1ダース) | 回収後、回収部隊駐留施設に保管 |
ウシガエル一匹 | 回収後に解剖。胃の内容物から████県の██████池に生息していたものと推定される |
「233」のナンバー入りタグが付いた鍵 | 回収部隊駐留施設にて保管中。どこから回収されたかについては調査中 |
財布 | 中の運転免許証から持ち主を確認。持ち主の身辺調査を行い、本人に異常性がないことが確認された。アイテムは現在、サイト-8181にて保管中 |
貨物コンテナ | 回収後、中を確認すると男女25名の死体が収められていた。検死の結果、死因は脱水症状によるものと判断された。標本は全て保管エリア-8124に保管された |
雄のマレーグマ | 麻酔銃を用いて捕獲。サイト8169にて飼育中 |
8kgの石 | 分析の結果、表面に大量の宇宙線痕が確認された。おそらく月の石 |
拳銃1丁 | 刻印されたナンバーからエージェント████への支給品と判明。エージェント████への処分を撤回し、新たな拳銃を支給した |
財団職員██████ | SCP-003-JPの分解作業任務中、構成パーツの[削除済]を取り外した直後に失踪。SCP-003-JPに接続された状態で発見された。連鎖的な影響が考えられるため、██████の救出は保留中 |
SCP-███-JP | 発見当初は一般的な[編集済]だと考えられていたが、回収後にSCP-███-JPと判明した。再収容済み |
[削除済] | 収容後、SCP-███-JPとして分類された |
新兵器の稼働状況についての実験記録の概要を以下に示す。より詳細な内容については、各報告書を参照せよ。
対象: 空の燃料缶
攻撃方法: 対象を中心とする、上方向への力場形成
結果: 高速(目測では時速80kmほど)で上空に向けて飛翔。兵器停止後、4分でほぼ元の位置に落下。対象は落下の衝撃で破壊された。
所感: この出力ならば大重量物でも十分に浮遊可能だ。
対象: 空の燃料缶
攻撃方法: 対象を中心とする圧縮力場の形成
結果: 圧潰。対象は直径3cmの球状に成型された
所感: 出力はこれまでの実験と同程度だったが、威力は十分だ。敵戦車も破壊可能だ
対象: 海水を満たした燃料缶
攻撃方法: 2秒間の対象の熱量を増加、その後2秒間熱量を減少させた
結果: 燃料缶内の海水は瞬時に沸騰し、圧力で燃料缶が破裂。しかし海水が周囲に飛び散る前に熱量現象が行われ、瞬間的に海水は凍結した。
所感: 破裂した際に飛び散った燃料缶の破片で負傷者が一名出た。その他は問題なし。
対象: 一個小隊
攻撃方法: 海上に我が国の大艦隊の幻影を作り出す
結果: 対象は全員大艦隊を目視したと報告した。しかし、その内訳については全員異なる物だった。
所感:「大艦隊」と曖昧に指定したせいで、幻影が個人によって変化したと考えられる。しかし敵軍の情報攪乱用には十分である。
対象: 実験用筏近海を航行していた民間船舶
攻撃方法: 高出力[文書破損により判読不可能]
結果: 船体は無傷。船舶に接近したところ、乗組員の半数は死亡、残る半[文書破損により判読不可能]
所感: [文書破損により判読不可能]果は確実に敵軍を無力化できるが、副産物の処理に手間を要する。陸上での使用は避けるべきだと考えられる。