SCP-004-JP-J
評価: +132+x
blank.png

アイテム番号: SCP-004-JP-J

オブジェクトクラス: Ain

特別収容プロトコル: その性質上、SCP-004-JP-Jを収容することは不可能です。直接的な抵抗はYK-クラス:世界終焉シナリオを引き起こす恐れがあることから、オブジェクトによる査察行為は全て黙認しなければなりません。現在、財団ではオブジェクトの改変対象から逃れるための取り組みが進行中です。

173room.jpg

改変されたSCP-173の収容房

説明: SCP-004-JP-Jは特殊な現実改変者の総称です。オブジェクトは通常、一般的な人間と変わらない行動を見せますが、"青少年の育成に不適切"と見なした要素(後述)に遭遇すると、猛然と怒り始め、対象への現実改変を試みます。改変の規模は最大でタイプ・ブラック1レベルに達し、存在の抹消や過去改変に至ることさえあります。なお、オブジェクトは財団や他の超常組織を中心に分布していますが、その理由は明らかになっていません。

SCP-004-JP-JはSCP-173の収容房にて初めて確認されました。定期清掃のため、3名のDクラス職員が収容房へと入った所、突如として激昂し、「汚い、食事時に読んだらどうする」「小さなお子様も見てるんだぞ」「作品の顔が素っ裸で良いのか」等と、意味不明な批判を繰り返しました。その後、SCP-173によって通常通り終了されましたが、Dクラス達は再び立ち上がると、「首を折るとは何事か」と言い放ち、現実改変を実行。改変後、SCP-173は下着を着用した姿に変化しており、握力は「首の凝りが取れる」程度にまで弱体化しました。また、収容房にはトイレや洗面所、ユニットバスが出現し、排泄物と血液の混合物を効率的に処理できるようになりました。

当インシデントをきっかけに、潜伏していたSCP-004-JP-Jが一斉に蜂起し、倫理委員会を占拠。新たな倫理規定を制定し、財団界隈における不適切要素の排除を開始しました。以下は改変の対象となった不適切要素のリストです:

不適切要素 主な改変対象 結果・備考
流血、過激な暴力表現 機動部隊、エージェント、オブジェクトの██% 水鉄砲やゴム製ナイフなど、全ての武器が玩具に変化し、無力化された。戦闘は暴力を伴わないもの2のみ行えるよう制限された。
不気味、恐怖、不快な表現 オブジェクトの██% 該当要素の減少/喪失、外観の著しいデフォルメ。
性的表現 財団職員の█%、オブジェクトの█% 風紀の大幅な向上。オブジェクトは健全な状態に変化した。例として、SCP-166は無力化した上で解放され、SCP-297の外観は一般的な電動マッサージ器に改変された。
猥褻、卑猥、下品、変態、その他冒涜的な表現 財団職員の██%、オブジェクトの██% 同上。SCP-004-JP-Jの間で「性的表現」の線引きに関する激しい対立が発生。数回のK-クラスシナリオを経たのち、それらしき表現をまとめて規制することとなった。
飲酒表現 財団職員の██%、酩酊街 総じて下戸に変化。遺物からの情報によると、酩酊街世界のアルコール類が全て「こどもののみもの」に変化したために、住民に不満が溜まっているという。
喫煙表現 財団職員の██%、SCP-4999 ちくわに置換された。

SCP-004-JP-J対策案: 現在、財団では職員およびアノマリーのこれ以上の改変を防ぐために、O5評議会による指導の下、多種多様な対抗プロトコルを発案・実施しています。以下はその一例です。


midnight.jpg

2重の対策を施されたエージェント・許


プロトコル-ミッドナイト

不適切要素の視認を困難にすることで、SCP-004-JP-Jによる改変を回避する案です。隠蔽対象には「マトリクス色彩変調機」「シナノ=ウツロ式小型空間異常」「割り込む光・改」「濃霧展開型危険部位遮断装置」いずれか1点の使用が義務付けられていますが、安全を期すためにも、複数の使用が推奨されます。




プロトコル-レッスン

不適切要素を詳細に分析し、改善しようとする姿勢を見せることで、SCP-004-JP-Jに対象の教育的価値を認識させ、改変を回避する案です。当プロトコルを遵守すれば、本来規制対象となる「くそったれ3」等といった言葉についても、ある程度使用することができるようになります。



bears.jpg

プロトコル適用下における敵対組織との戦闘風景。人間的要素を減らすため、衣服の着用は禁じられている


プロトコル-メタファー

規制対象の外観を他の生物や物体に改造することで、SCP-004-JP-Jによる改変を回避する案です。「人型生物への当たりがきつい」という仮説を元に編み出されたもので、既に多くの要注意団体にて導入されています。例として、壊れた神の教会の構成員はデフォルメされた乗り物へと変化したことで、一定の不適切要素を存続させることに成功しています。



ascension.jpg

実験台に志願したブライト博士の一部が[編集済]に興じている様子。左端隅に映るのはジェラルド博士


プロトコル-アセンション

SCP-004-JP-Jの倫理観の変化により、上述したプロトコルが破綻した際に備えて考案された最終手段です。SCP-███・SCP-████・SCP-████-JPを組み合わせることで、財団内の全人員・アノマリー・資産を非物質的存在に昇華させ、不適切要素そのものを認識不可能にします。

確かに、彼らのおかげで世界は随分と平和になった。アベルは爽やかな好青年に生まれ変わり、不死身のトカゲは無駄にでかいカピバラへと成り下がった。しかし、その代償は相当なものであった。今や財団は、さながら無菌室の如き状態に陥った。オブジェクトは勿論の事、エージェントからDクラスに至るまで、紳士淑女・聖人君子のように振る舞うことを強いられている。

違う、ここはそういう世界ではないのだ。これ以上改変が進むのであれば、我々はプロトコル-アセンションを発動し、特殊な手段でなければ観測できない地へと逃げ込まねばならないだろう。 - O5-13

ココナラヤリタイホウダイデキルゾ ゼロゼロヨンノバーカバーカ! - ブライト


インシデント004-JP-J-2: 発見から数週間後、SCP-004-JP-Jの態度が急変。査察行為を停止したり、改変を取り消したりする者が現れ始めました。「そろそろ別の所にいきます」「疲れた」「意外と面白かった、応援してます」等と供述していますが、その真意は明らかになっていません。

彼らの心境に何があったのかは知らないが、何はともあれ、嵐は去りつつある。対抗プロトコルを解除し、混沌とした日常へと戻る準備を進めていこうではないか。 - O5-1

P.S.
「あいつだけは表に出すな」「財団が誤解されかねない」「リストごと封印しろ」等という苦情が最近、有識者から寄せられている。正直我々もそう思うので、ブライト博士の物質化は当面の間見送ることにする。

ハ? - ブライト

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。