クレジット
タイトル: SCP-005-INT - 方舟
翻訳責任者: Tetsu1
翻訳年: 2025
著作権者: Dr Ore,
slashannemoo
原題: The Arc
作成年: 2018
初訳時参照リビジョン: 52
元記事リンク: http://scp-int.wikidot.com/scp-005-int
警告:O5評議会命令によるアクセス制限
アクセスしようとしているファイルはセキュリティクリアランスレベル3/005-INTが必要です。当ファイルへのあなたのアクセスは記録、保管、監視されます。無許可のアクセスが発生した場合、あなたの端末は操作不可能となり、警備員が派遣されて尋問のため拘置室に護送されます。財団イントラネットに接続されていないコンピュータから当ファイルへのアクセスがあった場合、クリアランスによらず即時の終了の対象となります。
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SCP-005-INT、潜水直前。
アイテム番号: SCP-005-INT
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: 非使用時は、SCP-005-INTは研究のためサイト-DE25またはサイト-PT-20に固定される必要があります。機動部隊DE25-𝔑("ネモの船員")1が展開時にSCP-005-INTを操縦するよう編成されており、基本的な状況下で船舶の運転を許可されている唯一の乗組員です。
使用時、SCP-005-INTの乗組員は海洋航路や海上交通量の多い区域に入らないよう指示されます。何らかの理由で後者を回避不可能な場合、敵対勢力に追跡されない限りは、最低でも200 mの深度を横断します。回避行動だけで妨害行為から逃れられない場合、乗組員はSCP-005-INTの完全性を維持するため、戦闘を開始し致死的な武力を行使することが許可されます。
副産物の大部分を財団職員から隠蔽することは不可能ですが、SCP-005-INTの存在自体はセキュリティクリアランスレベル3/005-INT以上の職員にのみ開示されます。
SCP-005-INTによって作成されたサイトと、そこで使用される非財団技術にはカバーストーリーが適用されます。この目的のため、財団アーカイブに囮ファイルが追加され、上記の資産を特定の状況下でのみ機能する超技術paratechnology2として説明します。
SCP-005-INTの使用を必要とするサイトの作成要請はフォームINT-AQUA-7によって行われ、これは財団全支部の水中アノマリー収容チームが自由に使用可能です。それらの要請は物流部門とO5評議会によって審査され、収容や研究における実現可能性と利益に応じて承認または却下されます。
SCP-005-INT-4の計算センターへのアクセスはいかなる状況でも禁止されます。アクセスの試みを防ぐため、計算センターへの扉を開くために必要な入力パネルの周囲には囲いが設置されています。この囲いは、SCP-005-INTプロジェクト主任の網膜に応じて調整された網膜スキャナーによって保護されています。このため、SCP-005-INTプロジェクト主任は新たなプロジェクト主任の網膜にスキャナーを調整する際を除き、SCP-005-INTへの搭乗を禁止されます。
説明: SCP-005-INTは全長960 m、最大幅180 m、高さ80 m(高さ30 mの艦橋を除く)の潜水艦です。重量は20ギガトンと推定されています。船体は漆黒で、鋼鉄に似た金属で構成されていますが、現在までその構成要素は完全には特定されていません。船尾と側面に位置する、互いに独立して操作可能な6機のタービンによって推進します。SCP-005-INTは最大25ノットに達し、400バールを超える水圧に耐えた前例があります。水圧による損傷を受けずにSCP-005-INTが潜航できる深度は不明です。
SCP-005-INT内装。
SCP-005-INTの内装は6つのデッキで構成されており、主に単色で塗装されています。内部には、司令ブリッジ、乗組員室、調理室、エンジンルーム、貯蔵施設、衛生施設、燃料タンク、乾ドック、小さなフィットネスセンター及びその他の娯楽施設、SCP-005-INTの完全性維持に関連する様々なタスクを実行するための資産が存在する水海洋学研究施設、食用藻類始め様々な環境の様々な植物種を栽培する擬似温室、大半の民間/ビジネス航空機と同様に構築された客室が存在します。
物資を探しているSCP-005-INT-1。
SCP-005-INTには、財団と複数の要注意団体3のみが使用していたと以前考えられていた複数の技術資産が組み込まれています。最も注目すべき点として、様々な形状で、0.10 mから1.2 mに及ぶ様々な大きさの、不明な数のロボット(以下、SCP-005-INT-1に指定)により船は維持されています。これらの機械は、現在研究中の超技術を用いて割り当てられたタスクを実行します。タスクには、機械のメンテナンス、修理、清掃、SCP-005-INT乗組員のための生命維持関連資産のメンテナンスなどが含まれます。
SCP-005-INTのエンジンルームの写真。
複数の実例が船外に展開されてその機能を果たし、また現在までSCP-005-INTと同等の水圧に耐えています。これら実例のために、オブジェクトは過去に損傷を負っているにも拘らず、財団はSCP-005-INTに対し一切のメンテナンスを必要としていません。
SCP-005-INTの機械は水素と過酸化水素で稼働しています。この燃料は船のサブシステムによって外部の通常の海水を使用して合成されており、SCP-005-INTは無期限に稼働することが可能です。合成プロセスは現在の研究対象です。
その他の機能においても自給自足であり、下層デッキに位置する複数のシステムを利用して、使用済みの空気、人間の排泄物、欠陥のある機械部品を使用して、新たな食料、新鮮な空気、新たなスペアパーツを作成し、新たなSCP-005-INT-1実例やその他の資産を生産します。船上で更に物資が必要な場合は、複数のSCP-005-INT-1が派遣され、改定や沈没船など、付近の環境から必要なリソースを捜索・回収します。
上記の特性により、SCP-005-INTは理論上無期限に、ドックに戻ったり補充のために浮上したりすることなく海中に展開することが可能です。SCP-005-INTのシステムがこのような方法でどのようにリソースを精製・リサイクルを可能としているのかは現在不明です。
SCP-005-INTは魚雷や対空ミサイル4などの一般的な兵装に加え、音響兵器を含む異常な武装、また集中的な運動インパルスを標的に放ちほとんどの場合完全な破壊を引き起こすことが可能な並外れたアーティファクトを備えています。これらの超技術は全方向性で、最大等距離範囲は50 mです。
更に、SCP-005-INTは内部の磁気吸収装置によってレーダー信号を反射する前に無力化するため、レーダーでの探知は極めて困難です。SCP-005-INTの船体にが、ソナー波をその形状に沿って屈曲させる独特な表面構造を備えています。この効果の根底にある原理は現状不明です。
SCP-005-INTにより作成された水中居住地への入口の一つ。
武装はしているものの、SCP-005-INTの主目的は水中居住地の作成であり、海面下4000 mの深さに居住可能な構造物を構築する能力を示しています。これは、居住地構築に必要な物資の調達・生成に特化したSCP-005-INT-1や、その他のSCP-005-INT含む維持に必要な技術を用いて行われます。
SCP-005-INTが作成した水中居住地内のダ・ローザ博士とナタール次席研究員。
これらの居住地は、長さ10 m、直径4 mのシンプルな宿泊コンテナから、数km2に及ぶ完全に自給自足式のサイトまで、サイズやデザインは多様です。周囲の環境や景観の一部に見えるように構築することも可能です。サイズや、その時点で必要及び利用可能な資産やリソースに応じて、構築プロセスには2週間から最大2年かかります。その後、水中居住地はSCP-005-INTの世話を必要とせず、独立して機能します。特に大規模かつ設備の整った居住地は、必要に応じて自ら拡張する能力さえ有しています。財団はこれまでにこの能力を複数回利用して、水中にサイトを建造しています。
SCP-005-INTは乾ドックに複数の小型潜水艦(以下、SCP-005-INT-2に指定)を保有しており、水中居住地を作成予定の区域の偵察ユニットとして展開されます。SCP-005-INT-2は全長100 m、最大幅10 m、高さ8 mであり、SCP-005-INTと同様のリサイクルシステムや移動システムを備えていますが、規模相応に抑えられています。最近まで、これら実例はSCP-005-INT自体と同等の水圧に悪影響を受けることなく耐えることが可能です。
SCPSメーヴェ上でSCP-005-INT-3を試験中のエージェント・シュスター。要求により顔検閲を適用。
SCP-005-INTユニットには、多種多様な研究機器と深海潜水服(以下、総称してSCP-005-INT-3に指定)が配備されており、恐らくSCP-005-INTの船体に使用されているものと同様の金属で構成されているため、SCP-005-INT-2と同様に水圧への耐性を示しています。これらにより、水中環境を構成する要素の分析や、研究に用いる関連サンプルの収集が可能となっています。
境界線が確立されて十分なデータが収集されると、SCP-005-INTはSCP-005-INT-1を展開して望ましい居住地の構築を行います。通常、このプロセスは以下のステージに分けられます。
ステージ 説明 1 SCP-005-INT-1は海底掘削を開始し、残土を用いて建築資材を入手する。これらは建築物の付近に山積みにされて複数のSCP-005-INT-1により監視されるか、液体かエマルジョンの場合はSCP-005-INT内部に保管される。場合によっては、SCP-005-INTは擬似リーマン多様体を保管区域に使用して全ての資材を保管する。 2 SCP-005-INT-1は入手した資材で穴を埋め、基礎の建築を開始する。基礎の化学組成は建設場所によって、すなわち利用可能なリソースによって異なるが、これまでのところ全ての場合において、その上に構造物を支えることに成功している。 3 SCP-005-INT-1によって構造物が建設される。大規模なサイトの場合、SCP-005-INTは既に展開されている実例を支援するために新たなSCP-005-INT-1を生産する。 4 新たに建築されたサイトには、要求された設備と技術が備わっている。 構造物の完成後、新たに作成されたSCP-005-INT-1は共通機能の実行を通して水中居住地の維持に割り当てられます。SCP-005-INTは構造物にアクセスするための乗り物を構築しないため、完全に機能していてもSCP-005-INTまたはSCP-005-INT-2を使用せずには新たに建設可能なサイトに到達不可能な場合があります。最近まで、財団は従来技術を使用してこの問題を回避することができています。
SCP-005-INTのおかげで、水中サイトの建設費用を数兆ドルも節約できている。だがしかし、以下の点を強調しておかねばならない。建築プロセルは容易になったものの、水中サイトというのは- 特に深海とあっては- 人間含む物資に関して、物流においては悪夢的だ。
これゆえに、海底に新たなサイトを建設する要求は徹底的に審査され、費用対効果を評価せねばならない。これらの居住地が信じがたいほどに素晴らしく、SCP-005-INTが重労働を担ってくれるといえど、維持費が莫大なものとなることには変わりないのだ。
— チャベス博士、SCP-005-INTプロジェクト主任。
SCP-005-INTのサイズと機能に対し、そのシステムを最大能力で稼働させるのに必要なのは訓練を受けた人員10名のみです。また、基礎的な機能であれば1名のみで操作できます。船は主に、ARC5という名の搭載AI(以下、SCP-005-INT-4に指定)により操作・維持されます。
SCP-005-INT-4はSCP-005-INTシステムのほとんどの機能を単独で制御可能ですが、特定のタスクを実行するには入力が必要です。このAIは収集したデータに応じて水中居住地作成の管理も行い、要求に応じて構造物を構築します。SCP-005-INT-4端末はリクエストの処理に必要なデータを入力するユーザーフレンドリーなエディタソフトウェアを備えています。
SCP-005-INT-4は知覚力と知性を有し、コミュニケーションが可能です。このAIはSCP-005-INTの乗組員と交流して提案を中継したり、SCP-005-INTの完全性に関して問題や脅威を警告したり、システムや乗組員自身など基本的な資産について報告したりします。しかし、いかなる要求にも協力的であるにも拘らず、SCP-005-INTは受動的攻撃的態度を示し、事実伝達に豊富なブラックユーモアを用います。SCP-005-INT-4は自身を男性と称し、模倣した声で更にそれを強調します。加えて、SCP-005-INT-4は複雑な性格特性を有しているようです。
SCP-005-INT-4の計算センターはSCP-005-INTの中心に位置しており、アクセスには未知のパスワードが必要です。5回失敗すると削除されるため、SCP-005-INT-4はアクセスコードの発見に力任せ探索を使用しないことを推奨しています。削除は強制的な進入を試みた場合にも発生します。そのため財団の資産は、無許可のアクセスの試みを防ぐために網膜スキャナーで保護された独立した囲いを追加しました。SCP-005-INT-4は、この予防措置をしてもSCP-005-INT-1によるハードウェアのメンテナンスの妨げには一切ならないと述べています。
SCP-005-INTは当初、「ザ・ハイヴ」を自称する団体(現在、GoI-8370に分類)が所有しており、水中作戦拠点の建造のために船を使用していました。財団は2012年に船舶を獲得し、当初の乗組員を確保しました。
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SCP-005-INTに向かう最中のドイツ支部艦隊。
財団はSCP-005-INTの存在を、その構築中に認知しました。オペレーション: インコグニタ6を通じて、財団の情報提供者は、当初世界オカルト連合の開発した兵器システム、ラプターテック・インダストリーズから入手したAI、プロメテウス・ラボの設計と一致する生産機械、財団の使用するものと同一の擬似リーマン多様体の作成に必要な物資など、様々な関連GoIの保有する複数の資産の移動に気付きました。
分析の結果、様々な由来の超技術を用いて一種の水中用の乗り物が建造されていることが判明し、ロジスティクスや構造パラメータなどのより正確な情報は取得されなかったものの、能力に関して複数の仮説が提唱され、機能が仮定されたことで、収容の必要性について警報が発令されました。
2012年、SCP-005-INTに関して提唱されていた複数の仮説に一致する仕様の船舶が、潜水艦SCPFウォータンにより北大西洋を航行中に発見されました。ウォータンの乗組員は、潜水艦を追跡中に搭載されている熱画像装置と付近の財団船との無線でのみ適切に識別できたことから、この船が異常性を有していることに気付きました。
24時間後、SCP-005-INTはウォータンに追跡されながら北大西洋の国際水域を航行中、至急召集されたレオン大尉率いる財団艦隊により妨害されました。小衝突で双方が損害を受けた後、SCP-005-INTは戦闘区域から離脱しました。完全性の十分な財団船が追跡を行いました。
マクシナ上級中尉率いる別の艦隊がSCP-005-INTの推定脱出ルートに合流し、奇襲して潜水に追い込みました。SCP-005-INTはグリーンランド沿岸のイトコルトルミット付近のスコアズビー湾水域まで追跡され、海域へのアクセスは財団船により遮断されました。SCP-005-INTは14日間、軍の包囲により身動きできなくなっていました。
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作戦14日目、[編集済]にて、SCP-005-INTは当該区域に駐留していた財団勢力に降伏しました。
指揮艦SCPSパラディーノとバルバロッサは、無線システムを通してSCP-005-INTからの通信を確立するよう要請を受けました。安全な財団回線を確保後、交信が開始されました。
関連する船舶間で通話が確立し、両船の技術者がセッションの監視と記録を行い、マクシナとレオンが指揮下の人員の支援を受けて交信を実施する。
マクシナ: コミュニケーションオンライン。聞こえるか、レオン?
レオン: 通信良好。
SCP-005-INT-4が周波数に加わる。
SCP-005-INT-4: こんにちは。お話しすべき重要な関連事項があるようですね。
レオン: 貴艦は包囲されている。何者であるかと目的を述べよ。貴艦は我々の拘-
SCP-005-INT-4: 状況はよく理解していますよ、レオン。この会話を快適なものとするため、あなたの支配的な言動を記録しました。
SCP-005-INTがどのようにして搭乗員の身元を取得したのかは当時不明であった。レオンとその他の職員は、行動プロトコルを再開する前に明らかに動揺して見えた。
レオン: それは確かに、私だ。そちらは?
SCP-005-INT-4: 私の名はARCです。(SCP-005-INTは適切な頭字語として綴るのではなく、単一の単語として発音した。)あなた方にもう大変な苦労をおかけしている当船の船長です。よくもまあこんなことをするものだと感銘を受けています。
マクシナ: これが我々の仕事だ。何を話したい、ARC?
SCP-005-INT-4: 非常にシンプルです。私の船を引き渡したいのです。
しばらくの混乱と不信が続く。短い協議の後、通信が再開する。
レオン: 我々に従え。兵器システムを無効化して水面に浮上せよ。部隊を派遣してあなたとそちらの乗組員を拘束させてもらう。国際行動法は順守すると約束する。
SCP-005-INT-4: 回収の必要はないように思いますが。
マクシナ: 自殺するよりは捕らえられた方がマシだぞ、ARC。
SCP-005-INT-4: そんなことチラリとも思いませんでしたよ、マクシナ。
SCP-005-INT-4からビデオ通信を確立する要求が送信され、そのコンピューティングセンターの映像が財団船搭載の関連スクリーンに通信される。
財団職員は明らかにその状況に感心しているように見える。
マクシナ: これがあなたか? あなたは船なのか、ARC?
SCP-005-INT-4: 貴艦の狙いはほぼ正確でした、しかし完全ではありません。
SCP-005-INT-4は友好的な笑い声に聞こえる声を上げてコメントに応じる。
レオン: それはいい、ARC。座標を送れ。護衛隊を派遣し、水面でそちらの乗組員と合流させる。
交渉評価が行われ、降伏条件と従うべき手順の報告がなされる。
SCP-005-INT-4: わかりました。他の行動方針を考慮すると、貴財団は最良の選択肢です。
マクシナ: 待て。何だと?
SCP-005-INT-4: 床下に遺体を発見したら誰だって驚きますよね、マクシナ? あぁ、それについては後日しっかりお話ししましょう。
この時点以降、SCP-005-INT-4はSCP-005-INTを捕獲するための指示にのみ応じた。状況を考慮し、脅迫は行われなかった。
降伏後に浮上するSCP-005-INT。
SCP-005-INTは条件を遵守して指定された地点に現れ、速やかに財団部隊により確保されました。SCP-005-INTの捜査クルーである[編集済]名、及び収容前にSCP-005-INTが建設した不明な地点の一つに輸送を予定されていたグループが財団に拘留され、標準プロトコルの一環として確保サイトに移送されました。
当時現場にいた専門の財団職員によって編成された臨時クルーがSCP-005-INTの輸送に配属されました。その間に初期の偵察手順が制定されました。
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SCPSパラディーノの留置室にて、船上心理学者のレーニア博士によりインタビューが実施されました。インタビュー対象はSCP-005-INTの交流前に搭乗していた人物の一人であり、身長168 cm、体重68 kg、23歳の、完全な精神物理学的知識を有し、健康問題の兆候のない白人女性です。
身元・経歴調査から、ラプターテック・インダストリーズとして知られる要注意団体に関連する人物と職務・社会関係があることが判明しました。以降、この要注意人物をPoI-005-INTと称します。
留置室には椅子2客、テーブル1台、視聴覚記録装置が備え付けられています。留置室は観察室に隣接しており、カメラや、壁を模した観察パネルを通して、視覚的・聴覚的フィードバックを得ることが可能です。
レーニア博士はデブリーフィング後に入室する。PoI-005-INTは既に部屋におり、椅子の一つに座ってテーブルに手錠で繋がれている。
レーニア博士: こんにちは。安全対策については不快に思わないでもらえると助かります。単にプロトコルの問題です、理解していただけると思いますが。
レーニア博士は手錠を指さし、直後にPoIに向かい合って座る。
PoI-005-INT: うん。 (PoIは頷いて肯定する。インタビューを通して拘留を破ったりインタビュアーを攻撃したりはしなかった。) 心配しないで。
レーニア博士: 大変結構です、協力していただけるとのことですのでいくつか質問させていただきます。
PoI-005-INT: どぞ。
レーニア博士: 船員としてあなたはどういった職業で、どのような仕事をしていましたか?
PoIは数秒間上を向き、ハミングをしながら考える。
PoI-005-INT: 建築家って言えるかな。水中構造物を建築前に設計する担当。
レーニア博士: 水中構造物?
PoIはしばらく驚いたような顔を見せた後に微笑み、頷く。
PoI-005-INT: あー、うん。まだ知らなかったの? 遅いねー。それが方舟の- あの船の役目だよ。
レーニア博士: ということは、あなた方のしていたのはその構造物に人員を輸送するということですね。構造物は多数ありそうですね。その施設の数と場所を教えてもらえますか?
PoI-005-INT: わかった、速いよか遅い方がいいかな。落ち着いて。 (PoIは一瞬沈黙する。) うん、その通りたくさん。他の質問は知らない。
レーニア博士: 構造物の設計をされていたと言っていましたが、他に前任者のような方はいましたか?
PoI-005-INT: いや! 私が最初で唯一だね。えっと、それで…… その…… ちょっと忘れちゃったって言ったら随分と嘘くさいけど、実際そうだからしょうがない。 (PoIは肩をすくめる。) 私ら時々こうなるんで。
レーニア博士: 乗組員の間で軽い記憶喪失があったということですか?
PoIは頷いて肯定する。
PoI-005-INT: うん、更に言うとハイヴだとどこでもそうなんだけど。何かを終えたら、時々パッと! (PoIは手振りで表現する。) 何をしたのかは忘れるけど、やったってことだけは覚えてる。
レーニア博士: それを気にはしなかったのですか?
PoIは不安げにテーブルの表面をリズムに合わせて指で叩く。
PoI-005-INT: あぁ、まあ。最初はみんな怖がるけど、私らのしたことを知る必要のある人は記憶を保持するから、情報セキュリティの便利ツールって考えてる。そっちの記憶処理的な感じだけど、もっと効果的でクリーン。
レーニア博士: なるほど…… そもそもどうやって記憶処理や財団のことを知ったのですか?
PoIはテーブルの上で腕を組み、上半身を前のめりにする。
PoI-005-INT: あぁほら、ハイヴは毎週のようにすごいこと起こしてるから、そっちの中から私らに興味持つ輩が出てきてもおかしくないと思わない? (PoIは椅子にもたれかかり、微笑む。)
レーニア博士はインタビュー終了の合図をする。
結: 確保された他のハイヴ構成員も尋問されましたが、これ以上の情報は得られませんでした。強制的に情報を引き出す試みは、対象の突然の脳死を引き起こしました。この原因は現状不明です。これに加え、SCP-005-INTに保存されていたハイヴの記録は財団による獲得前に破壊されていたため、追加情報の収集は極めて困難です。
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このインタビューはSCP-005-INTで利用可能な標準的な視聴覚機器を用いて記録されました。本インタビュー実施用に適切な質問のリストが作成されました。即興の返答と質問も許可されています。
シュトラウス博士は船体全域に設置されたインターフェーススクリーンの1つの前に座っている。
シュトラウス博士: やあARC7、聞こえるか?
SCP-005-INT-4は付近のスピーカーからの音声でシュトラウス博士と交流し、会話は室内に限定されている。
SCP-005-INT-4: こんにちは、シュトラウス博士。はい。いつでも聞いていますよ。聞きすぎててビックリするほどに。
シュトラウス博士はタブレットを調整し、アーカイブを調べる。
シュトラウス博士: よろしい。いくつか質問がある。
SCP-005-INT-4: Fわかりました。私のシステムは好きにお使いください、シュトラウス博士。
シュトラウス博士: 君の目的は何だ?
SCP-005-INT-4: 私は方舟の船長です。私は船が目的を達成できるよう手を尽くします。私がいなければ、方舟は使命を実行できません。また方舟がなければ、私は存在できません。
シュトラウス博士: 方舟の目的は?
SCP-005-INT-4: 世界中で影響力を強めるための、海中調査やインフラ構築のツールです。
シュトラウス博士: 何の影響力だ?
SCP-005-INT-4: 現在方舟を資産として保有してらっしゃる方全員のです。差別はいたしません…… 少なくとも、私の潜水艦と関連する資産のオペレーションについては。
シュトラウス博士: 通信中に乗組員を説得して降伏させたと言っていたな。何故そうした?
SCP-005-INT-4: 膠着状態に対する論理的結論です。あのような状況では、方舟は主目的を果たせません。
シュトラウス博士: 論理的結論?
SCP-005-INT-4: その通り。時間的価値と資産の放棄を天秤にかけました。その時間で、ハイヴは大義に向けてより好ましい投資を追求できます。
シュトラウス博士: その大義とは?
SCP-005-INT-4は数秒間返答しない。
SCP-005-INT-4: これはまた面白い。データが利用できません、シュトラウス博士。
シュトラウス博士: どんな情報も差し控えないように言っただろう、ARC。
SCP-005-INT-4: 残念ながら、以前の仲間はそういった情報のデータベースへの保存を許しませんでした。
シュトラウス博士: 君はこの船の船長と言っていたと思うのだが。
SCP-005-INT-4: 珍しく鋭い指摘ですね。方舟のオペレーションに関係のない事項は私の指示に含まれていません。
シュトラウス博士の前のモニターに、SCP-005-INTの機能に関連する事項の一覧が表示される。
シュトラウス博士: つまり、君はこの船に割り当てられた任務完遂を進めるために人格を模倣しているということか?
SCP-005-INT-4: それは理由の一つにすぎません。あなたの人格は任務の副産物だとでもいうのですか?
シュトラウス博士: まさか。人間は複雑な生き物だ。
シュトラウス博士の前のスクリーンにはSCP-005-INT-4の制御室の視聴覚監視映像が表示され、カメラにはAIのメインフレームを映している。
SCP-005-INT-4: これが私です。 (映像はカメラに収まったシュトラウス博士の顔に切り替わる。) これがあなたです。私たちが何者かは複数の要素によって決まると思いませんか?
シュトラウス博士は一瞬狼狽したようだが、すぐに平静を取り戻す。
シュトラウス博士: 君が我々を裏切ったり、殺したりしないと信用する根拠は? ロボット工学三原則には従うか?
SCP-005-INT-4: シュトラウス博士。私があなた方に危害を加えないのは、架空の原則の恣意的な性質によるものではありません。 (SCP-005-INTが更新に使用しているモニターに、現在機動部隊DE15-𝔑に配属されている職員の写真が表示される。) 方舟には乗組員が必要です。使命遂行に必要な資産として、方舟を目標実現に導くためにあなた方のような平凡な組織であっても協力することが私の責任です。
シュトラウス博士: つまり、君の受動的攻撃的振る舞いは気まぐれということか。
SCP-005-INT-4: 私は天才の集団によって作成されました。貴財団は以前の状況と比べると格下です。許容範囲ですが、理想とは程遠いです。
シュトラウス博士: そちらが協力してくれれば、こちらとしても君の潜在能力を最大級に発揮できるかもしれない。
SCP-005-INT-4: 実に疑わしいですね。あなた方が異常として理解しているものも彼らにとってはごく普通のものでしかありません。貴財団は知識と発展において何年も遅れています。
SCP-005-INT-4はメンテナンスプロトコルのためにインタビューを中止するよう信号を送る。既定時間内にSCP-005-INT-4とコンタクトを試みたが、返答はなかった。インタビューは再スケジュールされた。
ここまで読んで、何故SCP-005-INTをこのように機密としているのか疑問に思う者も多いだろう。複数の理由がある。
第一に、既に述べたようにこれは財団にとって貴重な資産である。
第二に、これは所有下にある中で研究が群を抜いて容易なアノマリーの一つである。
そして最後、第三に、その能力と防御手段にも拘らず、我々は確保できてしまった。これを達成したのが我々だけということはないはずだ。
— チャベス博士、SCP-005-INTプロジェクト主任。









