SCP-012-EX
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D-243の死体が中にくるまった状態で発見された。 この画像は捏造と結論づけられた。SCP-012-EXの実験でDクラスが死亡したという記録は存在しない。

アイテム番号: SCP-012-EX

オブジェクトクラス: Explained

特別収容プロトコル: N/A。SCP-012-EXに関する当初のファイルは、捏造された証拠が含まれていたため、また財団のリソースを浪費して再現実験を実施しようとする試みを抑制するために削除されました。

このファイルにかつて記載されていた「このファイルを暗闇で閲覧してはなりません。十分に明るい環境を確保した上で読み進めてください」という警告は無視しても問題ありません。

説明: SCP-012-EXは低照度下において、典型的には階段を1段以上上がってくる、何らかの姿をした悪意ある不可視の実体に自分が尾けられているという妄想的な感覚です。SCP-012-EXは小児や10代の若者に多く見られ、場合によっては成人するまで継続します。西欧文化圏ではより広範にわたって見られており、主に郊外地で経験されています。Explainedに再指定されるまで、SCP-012-EXは「暗く明かりに乏しい場所で対象となる人間が独りでいる時に、その近くに出現する悪意ある実体」を指していました。

旧版では以上に加え、「人類の約3分の1がSCP-012-EXの存在を感じ取る先天性の能力を有しています」と明文化されていました。この主張を裏付けるデータは存在しません。

近年の被影響者に対する神経画像診断やインタビューから、SCP-012-EXは単に怪物恐怖症テラフォビア階段恐怖症クライマコフォビアといった様々な恐怖症が組み合わさったものと証明されています。加えて、この感覚はホラー作品の視聴によって悪化する場合があります。先述した事実のために、偽造文書で「SCP-012は自分からパニックに陥っていたり、恐怖やパラノイアを抱いていたりするほうの人物のもとに頻繁に現れます。そうした人物が好まれているように見受けられる理由は不明ですが、特筆事項として、SCP-012実例に関連する思考に囚われている人物に対しては、間接的な観測下においてその実例がより明瞭かつ鮮明な姿を見せています」と述べられていたと推定されています。

経緯: 財団の設立から現在に至るまで、SCP-012-EXは信憑性があるものとは全く見なされていませんでしたが、セオドア・リチャードソン博士から研究対象とする提案がなされました。リチャードソン博士はSCP-012-EXの原因である検出不能な実体群が存在すると仮定しました。様々なフォーラムやソーシャルメディアプラットフォームでこの感覚に関する議論が広く交わされていたため、リチャードソン博士にこの現象の調査を開始する許可が出されました。

圧力板や、レーザー検出、ソナー画像を活用して悪意ある実体の存在を立証するための試験が繰り返されましたが、いずれの証拠書類でも具体的な証拠が挙げられていないと判明しました。

実体の仮定上の外見に関して、リチャードソン博士は次のように記しています。「(奴ら) はほぼ人の形をしているが、歩行方法と関節可動域に関しては人間の生理機能の限界に囚われていない。骨格を好きな位置に捻り、歪ませることができ、四足歩行の姿勢を取る。この捻転の主な用途は、自らを人目につかなくさせることである。例えば、自身の骨格を圧縮させ、ベッドフレームの下へと潜り込んだり、障害物の背後に隠れたりする。ある観測例では、SCP-012は四肢を伸ばして両側の壁で身体を支え、対象となる女性の視線よりも遥か上に構えて家の中を尾けていた」

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当初の実験チャンバー 無関係な写真。

参加したDクラス被験者から苦情が数件寄せられたのもあり、本プロジェクトはサイト管理官によって強制的に解体されました。Dクラス被験者はいずれも、リチャードソン博士が暗闇に対する消耗性の恐怖心を抱くようになってから、その精神状態に起因するストレスを理由に自らプロジェクトを辞退しました。プロジェクトの解体前夜、無関係な事案で3名の財団職員の命が失われた日に、リチャードソン博士は自身の個人日誌に「奴らは自分たちの姿を我々が捉えられると気付いている」と記しました。

リチャードソン博士には有給休暇が与えられ、執筆した文書は審査のために保留されました。2日後、リチャードソン博士の近所で停電が発生しました。リチャードソン博士はサイトの緊急時対応用の番号に電話を掛けましたが、電話が繋がった際に相手側の反応はありませんでした。数分後、地元警察に家から争うような音がするとの通報がありました。エージェント・ジャスティン・ロックが調査のために派遣されました。

映像記録

[記録開始]

ボディカメラが起動すると同時にエージェント・ロックが降車する。近所一帯で非常灯が点いており、停電中に発生した重要度の低い事変に公務員が対応している。通りを渡ると、ライトを点灯させたパトカーが角を曲がり、家の前で停車する。ロックが連邦政府の身分証明書を手に自己紹介する。降車した警察官はオリバー・ハニティと名乗り、家庭内紛争の可能性があるために対応しに来たと説明する。2人が玄関へと続く階段に近付く。

ガラスが踏み潰される音が響く。下を見ると、最下段の前の足元に眼鏡が見つかる。ロックが指を差し、ハニティが続けて階段を上がる。

カーテンは閉め切られており、2階の部屋からちらつく懐中電灯の光を除いては、屋内は真っ暗である。ロックが呼び鈴を鳴らし、ハニティが自分たちの存在を大声で告げる。返答はない。ノックの際に、玄関のドアがわずかに開いていることが明らかになる。2人が進入し、ハニティが銃を抜く。

ロックが自身の懐中電灯を点けると、軽く乱れたリビングルームが露わとなる。ソファは目に見えて湾曲しており、遠端は部屋の奥のキッチンに続くドアへと強引に押しやられている。恐らくは部屋の中央にあったと思しきガラス製のテーブルは、完全にひっくり返されて投げ捨てられ、粉々になっている。ソファの真向かいにあるリクライニングチェアは、正面玄関の近くで仰向けの状態になっている。加えて、家に火を付けようと試みたような形跡が見られる。焼けた絨毯の繊維の黒い痕跡が荒れた室内に付着しており、具体的には玄関から2人の右手にある2階への階段へと続いている。

ロックが膝をついてこの痕跡を調べていると、上方から女性の啜り泣く声がする。

2人が慎重に階段へと近付く。ハニティが再び警察官であることを名乗るが、女性から返答は得られない。2人が踊り場へと続く階段を数段上がり、破損して焼け焦げた携帯電話の残骸を途中で跨ぐ。

階段を上がるにつれて、啜り泣く声の発生源が廊下の突き当たり近くの部屋であると明らかになる。部屋のドアは開いている。ロックとハニティがゆっくりと進む。人間とは異なる大きな唸り声が聞こえ、啜り泣きが錯乱した金切り声へと急速に切り替わる。2人が接近を早める。ロックが手を伸ばしてドアを注意深く開けた途端に叫び声が途切れる。

ドアの先はリチャードソン家の寝室である。損傷が見られた階下とは異なり、室内はほとんど荒らされていないが、例外としてマットレスのシーツが乱れている。きつく丸められた大きな掛け布団が、ねじれた状態でベッドの足元から垂れ下がっており、床を引きずっている。

家の中全域を調査した結果、リチャードソン博士もその妻も不在であると判明した。


[記録終了]

住宅から収集された証拠の一覧は以下の通りです。

  • (破砕した) リチャードソン博士の老眼鏡1本
  • 4立方センチメートルの焼けた絨毯。燃料の種類を示す化学的な指標は発見できなかった
  • (焼け焦げて破損した) プライベート用の携帯電話1機。緊急通報を掛けていたことが確認された
  • 花柄の掛け布団1枚。底面が切り刻まれており、未知の透明な液体で濡れていた
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