SCP-166
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⚠️ コンテンツ警告
アイテム番号: SCP-166 Level 2/166
オブジェクトクラス: Keter 機密

脅威レベル:


特別収容プロトコル: SCP-166の性質上、収容手順の改訂や人員配置、インタビュー提案を含んだSCP-166に関する全ての提案は空想科学部門のグレイ博士及びフランケンシュタイン博士によって審査されます。空想科学部門はこれらの行動がもたらす可能性のあるロマン主義的な影響についての報告書を3物語日以内に提出してください。SCP-166の解放、SCP-166またはPoI-9522("マダム・ブリネガッシュ")1への権限付与、あるいはエリア166の廃止につながるような行動は避けてください。

SCP-166はエリア-166内の家具のないタイプ2使い捨て人型生物収容ユニットに収容し、概念的劣化の有無を毎日検査してください。1日3回、SCP-166には標準的な菜食を与えてください。毎週、SCP-166は新しい収容ユニットに移送され、以前のユニットは部品として再利用されます。

USAZSD-エリア-166は、建設と解体を容易にするために設計された使い捨ての建物のみで構成されています。建物が1年以上存続することは認められず、各建物は毎週、概念的劣化がないか点検されます。食料はエリア-166から29km離れたサイト-952の食料品店から輸送され、総費用が15ドルを超える食事、または19世紀のアメリカもしくはヨーロッパに由来するレシピの調理への使用は禁じられます。エリア-166の植生に関しては、定期的に異常な植物の生育を除去する必要があります。

SCP-166に配属される職員は月1回で交代し、またSCP-166から半径20m以内の場所に連続して8時間以上滞在してはなりません。エリア-166へ配属する職員は無性愛者および神経定型発達者であることが強く望まれます。職員は毎週精神鑑定が義務付けられており、問題のある職員は直ちに別のプロジェクトに異動されます。

事案166-FC以降、女性に魅力を感じる職員はSCP-166へのアクセスを拒否されます。

説明: SCP-166は20代後半のセム系女性のように見えますが、その身体は非バリオン的であり、通常の人間の代謝機能の多くを欠いています。

SCP-166は、周囲の物質の性質と外観を変化させる存在操作場オントキネティック・フィールドの起点です。SCP-166へのインタビューによると、この操作場の目的は19世紀のダーク・ロマン主義の理想に似た環境を強制的に再現することであると示唆されています。一般的なモチーフにはゴシック建築、有毒植物、過剰な汚れ、オカルト関連品などが含まれます。長期間の曝露は敵対的な建築と汚染の複合作用により、人間の居住に完全に適さない環境を作り出す可能性があります。

SCP-166の領域内に留まった知的生命体は食欲と性欲の増大、抑制力と共感力の低下を引き起こすリスクが存在します。これらの変化は永続的であり、SCP-166の操作場内に長く留まるほどそれは深刻化します。それにもかかわらず、影響を受けた個体が自らの意志でSCP-166を攻撃することは稀です。

SCP-166の影響は特定の距離によって制限されませんが、SCP-166の影響範囲と変化速度は環境の変化及び/又は美的適合性の程度に応じて著しく増加するようです。


歴史

SCP-166は以前はSCP-166-ARCであり、GBWLTB-サイト-17に収容されていたEuclidクラスの異常存在でした。回収当時2SCP-166-ARCは約13歳であり、蛇の手のカトリック教派に属するカルト教団の敷地内で養育されていました。

SCP-166-ARCの担当職員は専ら女性のみで構成されていました3が、事件818-Bクレフ=コンドラキ事件後の人員不足により、SCP-1465SCP-105SCP-818といった幼少期の異常存在の研究経験を持つジェームズ・ダンテンセン博士がSCP-166-ARCプロジェクトの主任研究員に抜擢されました。そのため、ダンテンセン博士は仲介者を介して研究を進めざるを得ませんでした。

2011年5月19日、SCP-032-ARCを標的としたGoI-002("アンシーリー女王の宮廷")による無関係な襲撃の後、SCP-166-ARCが一時的に収容違反しました。

収容違反事案の後、行動記録によるとSCP-166-ARCは次第に非協力的になり、ローマ・カトリックの教義への信仰心を増大させました。褥瘡に対する異常な敏感さにもかかわらず、SCP-166-ARCは頻繁にシーツにくるまるようになりました。そのため、担当者は最終的にSCP-166-ARCの健康を鑑みて、収容セルから全ての寝具を撤去せざるを得ませんでした。稀に担当職員によって自傷行為が観察されたため、その後対応が行われました。

記録によると、SCP-166-ARCは2013年5月8日と2013年8月12日にダンテンセン博士に対して倫理上の苦情を申し立てました。実際の苦情の具体的な内容は失われましたが、その後の取扱職員へのインタビューで苦情が2011年の収容違反に関連していたことが示唆されています。財団側はこれに対し何の措置も講じなかったとされています。

2014年2月14日、SCP-166-ARCは収容違反を起こし、5名が直接負傷しダンテンセン博士が死亡するという結果に終わりました。

対象者: SCP-166

インタビュアー: ソフィア・ウィートリー博士

序: SCP-166の再収容が確立された後、クラス4の現実改変アノマリーの標準に従い、インタビューは1年間中止されました。

<ログ開始>

ウィートリー博士: こんばんは。私はウィートリー博士です。

SCP-166: こんにちは。

(7秒間の沈黙)

ウィートリー博士: わかりました。では、なんとお呼びすればよろしいでしょうか?

SCP-166: 呼ばれたい名前なら、いくつかある。

ウィートリー博士: …なるほど。では、SCP-166になる前は、あなたは何者だったのですか?

SCP-166: 私は年頃のサキュバスだったわ。

ウィートリー博士: もう少し詳しく教えていただけますでしょうか?

(65秒間の沈黙)

ウィートリー博士: … 申し訳ありませんが、あなたが私の手助けを手伝えないのであれば、私もあなたを助けることはできません。

SCP-166: あなたは私を助けてくれやしないだろうに。

ウィートリー博士: 私はそんなに悲観的に考えていません。心理療法はあなたが思っている以上に効果があるかもしれませんよ。

SCP-166: そんなもの、私の役には立つわけがないわ。

(両者とも17秒間沈黙する。ウィートリー博士はため息をつく。)

ウィートリー博士: …何か…あなたには私に聞きたいこと、言ってほしいことがあるような気がしますが、どう言えばいいのか私にはよく分かりません。ですから…それは、あなたがはっきりと言ってください。どうぞ、あなたの番ですよ。

SCP-166: クールだ。いい感じ。感情的に未熟なクソ女って言われたくないけど、問題は私じゃない。きっとよく言われるだろうけど、今回は本気。それに、それはあなたが直せる問題じゃないって分かってる。だって、くどくなるけど、私は周りのみんなにとっては脅威で、本当に閉じ込められるべき存在なんだから。矛盾したことをたくさん言うだろうけど、ごく普通のことだわ。

(SCP-166は思案する)

SCP-166: 意図を率直に伝えることは何の役にも立たなかったから、これからはできるだけ謎めいた言い方をしようと思う。私を助けてくれるのは時間、それも体を許容できるレベルまで老化させるための偽物の時間じゃなくて、文字通り現実の時間。独房の壁を見つめて清潔な服を着て、通り過ぎる野郎どもを堂々と罵り、そして微笑む。私はまさにあるべき場所にいる。あなたもそうだよね?

ウィートリー博士: それはどうしてですか?

SCP-166: あなたのせいで、私は自分のアイデンティティを失った。尊厳も心の平安も、慈しみ深い神への信仰も失った。でも、もう十分話し合ったので取り戻せたような気がする。第二幕で会おう。

<ログ終了>

終了報告書: インタビューの残り時間中、SCP-166は非従順なままでした。


歴史

事案166-CL以前、SCP-166-ARCは自傷行為を除いて財団職員との交流において非常に従順でした。公式には安全プロトコルは維持されていましたが、非公式には予算上の懸念からSCP-166-ARCの監視は縮小されていました。

事案166-CLの間、SCP-166-ARCは当初知られていなかったいくつかの異常特性を示しました。

  • 異常に鋭い爪。
  • 身体機能を損なうことなく、体温を急激に上昇させる能力。
  • 口頭による命令を通じて、主要な異常の影響を受けた個人に行動を強制する能力。4

事案166-CLの後、SCP-166-ARCは収容への抵抗を始めました。SCP-166-ARCは事案後カトリック信仰を放棄したため、権限の剥奪措置5はほとんど効果がありませんでした。また、食事療法の拒否を含む自傷行為の頻度が増加したことが観察されました。

この時点で、SCP-166-ARCは担当職員への軽蔑を露骨に示し、インタビューや実験の試みを拒否しました。担当医は毎週の健康診断を行おうとした際に頻繁に暴行を受けました。遠隔観察も同様に妨害され、観察者は極めて個人的に侮辱されました。

SCP-166-ARCの抵抗力が増大したことを受けて収容手順が更新され、脅威レベルはから黄色に引き上げられました。しかし、2014年2月末までに、SCP-166-ARCに関与する職員の負傷率と記憶処理薬使用率は許容レベルを上回っていました。

2014年5月3日、SCP-166-ARCをUSNYHV-エリア-16に移送することが決定されました。

事案166-FC: 2023年3月16日、ソフィア・ウィートリー博士がSCP-166担当に任命されました。ウィートリー博士はその後、2023年9月4日にSCP-166への恋愛感情が高まったことを理由に異動を申請しました。

ウィートリー博士をサイト-952のSCP-███担当に再配置する努力がなされましたが、一連の確率的異常によりウィートリー博士はエリア-166を離れることができず、SCP-166との接触を余儀なくせざるを得ない状況に置かれました。

インタビュー対象者: SCP-166

インタビュアー: ソフィア・ウィートリー博士

序: SCP-166へのインタビューは予定されていませんでしたが、ウィートリー博士がSCP-166を避けることができない状況のため、インタビューを行わざるを得ませんでした。

<ログ開始>

ウィートリー博士: こんにちは、SCP-166。申し訳ありませんが、私たちは本当に、話をするべきではありません。

SCP-166: ああ、マジ?マジか?彼らは今更そんなことを気にしてるの?

ウィートリー博士: …またしても、申し訳ありませんが、何が…

SCP-166: それで、聞いたことがあるなら教えてほしいわ。研究者がヒューマノイドに欲情し始める。そこには禁断の愛、つまりあなたの場合はプロ意識という側面がある。ヒューマノイドは全く、それに報いない。あなたは彼女にとって何の意味もないわ。

ウィートリー博士: これは…いいですか、ダンテンセン博士とは何の関係もありません。私は彼が犯した過ちを繰り返すつもりは全くありません。

SCP-166: 問題はこうね: あなたはそうしないだろう。今回の話はそういう展開にはならない。私もそういう風にはならないわ。

(16秒間の沈黙)

ウィートリー博士: これはあなたの異常性に関するものですか?

SCP-166: 随分時間がかかったね。

SCP-166: あなたと同じように、私も自分が何者なのかという科学的根拠は知らないわ。ただ、自分がどこに当てはまるかを知っていただけよ。アダム主義、精子食、男への誘惑、小文字の「m」、私は比喩に過ぎなかったの。フェチの道具。性的幻想の装飾品。私には何も言う権利なんてなかったわ。

(両者とも21秒間沈黙している。SCP-166の呼吸が荒くなっているように見える。)

ウィートリー博士: 申し訳ありません。

SCP-166: 仕掛け。あれは(どもりながら)策略だったの。あれはー

(9秒間の沈黙)

SCP-166:すまないわ。全部記憶していたんだけど、実際にここにいるのは…そうだった。私の存在は作り物だったのよ。7歳の時は12歳、13歳の時は13歳、19歳の時は16歳。26歳になってもまだ16歳だった。多くのことは納得できた。私は年頃のサキュバスだったわ。現実に近くて現実離れした、年頃のサキュバスの姿だったの。

SCP-166: 私の存在は文字通り苦しみだったわ。私が担った役割と一緒にそれはついて回ったの。私の苦しみを最大化するように少しずつ調整された人生だわ。私に触れないで。もし私がもう少し飽きっぽかったらあなたの指をもぎ取っていただろうね。あなたも、他の皆も、罪を犯していて責められるべき存在だ。あなたは私のことを治すよりも、じっと居座らせることばかりに気を取られていたんだよ。

ウィートリー博士: 「壊れている」だなんて、そんな事を自分で言うべきではありまー

SCP-166: 聞いてすらいないよね?10年くらい前、私は同情を求めていたのよ。私の話を真剣に受け止めてくれる人、イヴの福音書からペテロの福音書に放り込まれたあの小さなホモ野郎を哀れんでくれる人を探していたんだわ。イヴの話に戻ろう。

(両者とも57秒間沈黙している。かすかに泣き声が聞こえる。)

ウィートリー博士: もう一度になりますが、申し訳ありません。

(6秒間の沈黙。SCP-166は数回深呼吸をする。)

SCP-166: …別のチンピラがインタビューに来たんだわ。半分くらい経った頃、奴はバッグから花束を取り出し、図書館まで一緒に逃げようと誘ってきたのよ。私は奴の顔に向かって笑いながら、自殺しろと言ったの。録音されたのかな?

(17秒間の沈黙)

SCP-166: 「若いサキュバス」を表現する方法ならたくさんある。実のところ、私はジャンルを変えただけなんだ。肉片みたいにいやらしい目で見られることがなくなる。もう誰にも傷つけられないようにね。

ウィートリー博士: ダーク・ロマン主義のことだと思います。

SCP-166: それで、彼らはそれを録音したんだね。彼が泣いた部分は録ったの?

ウィートリー博士: 申し訳ありませんが、そんなことはしていません…聞いてください。あなたが経験したことについては申し訳なく思っていますが、私はただあなたを助けたいだけなのです。あなたが苦しむ姿は見たくない、それは辛いことであるからです。ですが、そのためにはあなたに協力していただく必要があります。よろしいですか?

(48秒間の沈黙)

SCP-166: …ここにいるだけで十分だった。第三幕で会おう。

<ログ終了>

終了報告書: [回答なし]


歴史

エリア-16は高脅威度知的異常存在のための小規模施設であるため、SCP-166-ARCプロジェクトにとってより効果的な環境とみなされていました。厳重なセキュリティ対策に加え、エリア-16の異常存在の大部分には人間や人間に関連するミーム複合体が存在しなかったため、収容違反時の相互汚染の可能性は低減されていました。

SCP-166-ARCは当初は以前の抵抗レベルを維持していましたが、栄養失調と蜂窩織炎6の複合的影響によって暴行頻度が劇的に減少しました。

事案166-DF-Nobodyの数日前、SCP-166-ARCは事案166-CL以前のレベルまで鎮静化されていました。

インタビュー対象者: SCP-166

インタビュアー: ソフィア・ウィートリー博士

序: 不適切な言葉遣いに関してはお詫び申し上げます。これは強いストレス環境下にあったためです。

<ログ開始>

SCP-166: 普段はたいてい外には警備員がいるね。

ウィートリー博士: 申し訳ありませんが、少し混乱しています。

SCP-166: ええ、わざわざ時間を割いてまでして来てくれてありがとう。というか、来てくれるだけでも嬉しいよ。 

ウィートリー博士: ご迷惑をおかけしましたら、心よりお詫び申し上げます。

SCP-166: 謝るには何年も遅すぎるけど、いいよ。本当にありがとうね。

( 秒間の沈黙)

SCP-166: 私はあなたとヤるつもりはない。あなたがそう思っているならばね。

( 秒間の沈黙)

SCP-166: セリフを忘れたの?あなたはもっとマシな人だと思ってたけど、私が言うことだから何か意味はあるはずだわ。私が正しいことをしてない限り、こんなに話は早く進むはずはないわ。この3日間はずっとクロスワードを解いてただけなんだけど。

ウィートリー博士: 気に入りましたか?

SCP-166: 本当に気に入ったとでも思ったの?私を虐待した人が詩的な悲劇に打ちひしがれるのを見て楽しんでいるでも思ったの?16歳の時から10年が過ぎて、26歳になってこれを楽しめるとでも思ったの?よく考えてみてよ、悪い本が燃えるのを見て私が楽しむとでも?

ウィートリー博士: 今、悪いとおっしゃいました?失礼ですが、私たちが一体何をしたというのでしょうか?私たちはあなたのことを敬意をもって扱いました。あなたには娯楽と常識的な範囲内での人間との交流の機会を与えました。汚い言い方にはなりますが、私たちはあなたに餌を与えています。それも、あなたが食事を必要としないのにですよ!一体何をしろと言うのですか?

( 秒間の沈黙)

ウィートリー博士: 報告書は読みました。ダンテンセンは死にました。17人のうち半数はあなたのトラウマがあるのですよ。16歳で何が起こったのか、全部誰の知ったことではないのです。もう十分でしょう?復讐は果たしたのですから。そんなに26歳になりたいなら、それ相応に振舞ってくださいよ!

( 秒間の沈黙)

ウィートリー博士: すみません…これ、普通の会話ではないですよね、ごめんなさい。

(ウィートリー博士はしばらく黙りこみ、咳払いをしてから会話を続ける)

ウィートリー博士: …ダーク・ロマン主義、それは…なかなか抜け出せないのに、正直気になります。以前のように人を殺せるようになるのかなと思うのですが、えーっと…よく分かりません。なんだか回りくどいですね。

(SCP-166は 秒間の沈黙の後、急に嘲笑する)

SCP-166: (少しの間)私のことを気にしているそぶりはやめて。

ウィートリー博士: これは嘘偽りではありません。私はー

SCP-166: 私の名前って、なんだっけ。

( 秒間の沈黙)

SCP-166: 自分は特別だと思ってるんだね?あなたはいい奴だ。顔がね。もしかしたら、女性の方が向いているかもしれない。私のことをじっと座らせておくのにね。それが問題なんだ、あなたは他の人たちと全く同じことをしてる。私が好きでもない物語のために、マクガフィンに押し込もうとしてる。でも違う、あなたは私の友達なんかじゃないわ。

SCP-166: ああ、あなただ。いや、あなただけじゃない。全員だわ。修道女も司祭も黒シャツも、いわゆる「医者」も。金や性や傲慢な優越感のために私の苦痛を弄んだ全員だわ。クソみたいな男性目線の生きてる叫びの芸術を、一瞬一瞬演じさせられたのよ!でも私は叫べなかったの! いや、私はクソみたいな部屋の奥に閉じ込められてるのよ。なんて酷いインタラクティブな芸術展示物だろうね!

SCP-166: 服が痛むなら、ロザリオはどんな感じだったと思う? あの脂ぎったモップみたいな髪? 地面についた足? あなたたちは誰も気にかけてくれなかったよね。病気がちで虚弱だった26年間、26年もの惨めな年月を過ごしているときに、ただ一人私のことを気にかけてくれたあの人、ブリネガッシュが―

ウィートリー博士: ブリネガッシュ?

( 秒間の沈黙)

ウィートリー博士: ブリネガッシュとは、誰のことですか?

( 秒間の沈黙)

SCP-166: …ごめんよ。最終章で会おう。

<ログ終了>

終了報告書: [回答なし]

エリア-166の現状に関する覚書

USAZSD-エリア-166とそれに関連するSCPプロジェクトの徹底的な監査の結果、財団監督司令部は次のような結論に達しました。

  • SCP-166の異常性は収容の許容範囲を超えており、対抗概念的対策の実施が必要である。
  • SCP-166の異常性に関する現状の理解は不完全であり、そのためにSCP-166の収容手順は不十分なものになっている。
  • 再収容が確立されるまでにSCP-166が再収容範囲を超えて拡大した場合、潜在的な職員に予測不可能な危険を齎す。
  • SCP-166と合計5分以上会話した職員は存在論的危険に晒される可能性がある。

ご不便をおかけして申し訳ございません。

~ ASE.aic

HECL管理者、ローマン・サンチェス監督


歴史

2019年9月1日、PoI-000("何者でもない")がアルト・クレフ博士の盗難された認証情報を用いてエリア-16に侵入したことが観察されました。PoI-000はSCP-166-ARCの収容室へと侵入し、その後収容違反が発生しました。短い会話7の後PoI-000は姿を消し、SCP-166-ARCは収容下から脱出しました。

SCP-166-ARCの収容違反後の行動の全容は不明です。収容違反直後、SCP-166-ARCはDC001-AおよびDC4947などの固有の危険性を保持する複数の実体の解放を手助けし、監視映像を利用不可能にしました。また、関与する複数の異常現象の性質を考慮すると、目撃証言も同様に信頼性に欠けます。

当初、機動部隊イプシロン-11("干し草畑の針")とシータ-3("黒きヴォルガ")は、その異常な効果が民間人の注目を集めるであろうという想定の下にSCP-166-ARCの回収へと派遣されました。6ヶ月にわたる継続的な捜索の末に両機動部隊は召還され、SCP-166-ARCは正式にアーカイブ化されました。

2022年7月3日、SCP-166-ARCはスタテンアイランドに位置するスパイシー・クラスト・ピザSpicy Crust Pizzaの店舗に侵入し、自ら財団の保護下に入りました。SCP-166-ARCはいかなる質問にも反応しなかったため、再収容のためUSNVBR-サイト-56への移送が試みられました。

2022年3月16日の事案166-DIを受けて、輸送を停止せざるを得なくなりました。ソノラ砂漠に即席の収容施設が建設され、エリア-166に指定されました。

映像ログ: 事案166-GK


日時: 2023年5月21日

注記: 2023年5月21日19時36分、ソフィア・ウィートリー博士はSCP-166の収容チームの他のメンバーに知らせることなく、SCP-166の収容室に侵入しました。


[ログ開始]

SCP-166はベッドに座り、トロイ・ラメントの『In His Own Image』のコピーを読んでいる。時折、寄りかかっている壁の反対側に設置された監視カメラの方をちらりと見る。ウィートリー博士が入ってくる約3秒前、SCP-166はカメラに向かって何かを唇だけで言っている。

ウィートリー博士は明らかに急いだ様子でSCP-166の収容室に入ってくる。彼女はエリア-166の服装規定に従っていない。8彼女の指は部分的に血で染まっているように思われる。

SCP-166はウィートリー博士に気が付いていない。

ウィートリー博士: …166?

SCP-166はウィートリー博士に気が付いていない。

ウィートリー博士: お願い、そんなことをしないでください。

ウィートリー博士は再び話そうと試みるが激しく咳き込み始め、支えを求めて壁に寄りかからざるを得なくなる。
SCP-166はウィートリー博士に気が付いていない。

ウィートリー博士: 最初は知りませんでした。私が去ろうとした途端にログを渡されたのです。私はただあなたを助けたかったのです。今でもそう思っています。

SCP-166はウィートリー博士に気が付いていない。

ウィートリー博士: 166、あなたはここにいるべきではありません。もっと安全で、私や他の誰かがいないような場所にあなたは行けます。(ウィートリー博士は咳払いをする)あなたの物語はハッピーエンドを迎えるはずです。ただー

SCP-166は現在読んでいるページに折り目を付け、本を脇に置く。

SCP-166: それで、どう感じるの?全部が全部を。物語の結末はすでに決まっているってことを知って。

ウィートリー博士: そんなことをする必要はありません、16ー

SCP-166: どんでん返しも、土壇場で怪異を鎮めてくれるヒーローなんてものもないのよ、ウィートリー。こういう話はいつもこんな感じで幕を閉じるって、相場が決まってるわ。これは今起きていることじゃないのよ。あなたが精神科医を演じ始めた瞬間から、結末は決まっていたんだよ。

ウィートリー博士は壁にもたれかかる。

SCP-166: 結核か…。確かにロマンチックな死に方だけど、主人公格には相応しくない死に様だね。いや、もしかしたら、あなたは最初から主人公なんかじゃなかったかもしれないね。もしかしたら、あなたは私みたいに、読者を刺激するだけのくだらない筋書きの要となるマクガフィンだったのかもしれない。あなたが私のような変態ではなかったことにせいぜい感謝するんだわ。

ウィートリー博士: えっと…(ウィートリー博士が咳をする)まだ逝く準備はできてません。やりたいことは山ほどあるんです。もう…(ウィートリー博士が再び咳をし、血の混じった痰を吐き出す)…これで終わりだなんて言わないで。

SCP-166: そして、ほんの一瞬の、長い時間の中で、あなたの命はあなたの手から奪われるの。ようやくそれを感じた?

ウィートリー博士が激しい咳き込みに襲われると、SCP-166は視線を天井へと逸らす。ウィートリー博士がようやく息を整えた頃には、彼女のブラウスの大部分は血と痰で染まっていた。

ウィートリー博士: お願い。166、私は…(ウィートリー博士が咳払いする) 166、私はあなたを愛しています。あなたが何をしたとしても、私はあなたを愛しています。助けられなくて不甲斐ないけど、愛しています。どうか私を死なせないでください。

SCP-166は何かを言おうとして口を開けたがすぐに止めて、本を拾い上げてウィートリー博士の頭に投げつける。

SCP-166: 自殺して。

SCP-166はベッドに横たわる。ウィートリー博士は最後の咳き込みに襲われ、力が入らなくなる。

警備員が最終的にセルに入ってウィートリー博士を回収したが、その後死亡が宣告された。9SCP-166はその場から動かない。音声分析によると泣いていると思われる。


[ログ終了]

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