アイテム番号: SCP-019
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-019は幅広の格子に乗せて広さ3m×3m×4mの強化コンクリート製の部屋に置き、部屋には焼却設備を取り付けてください。焼却設備を起動していないときには室温を摂氏0℃に維持してください。板ガラスの窓で仕切られた観測室をSCP-019の常時観測に使用し、SCP-019-2個体が観測され次第焼却設備を起動してください。SCP-019-2がアウトブレイクした場合、各個体は火器で処理可能ですが、その群れがアウトブレイクした場合には、火炎放射器の方が効率的であると思われます。SCP-019は常に立てて置いてください。
説明: SCP-019の見た目ははとても大きな陶器の花瓶で、瓶口は直径1.8m、高さは2.4mです。様式や装飾からは古代ギリシアで作られたものと推測されるものの、未知の加工によりその表面は破壊できないため、作成年代を結論付けるのは不可能です。有効な破壊手段が見つかれば、議論の余地なくSCP-019は破壊されます。
定期的にSCP-019から実体が出現し、これらはSCP-019-2と指定されます。実体たちは様々な点で多様ですが、傾向としては小さく、大抵は人型で(動物型の姿を取ることもありますが)、ひどく敵対的です。歯や爪で攻撃してくることもよくあります。相当に脆弱である(特筆すべき事に、高い可燃性をも持ちます)にも関わらず、実体たちは十分に強力であり、多数であれば憂慮すべき脅威をもたらします。
完全に安静な状態で摂氏0℃に保っているときには、実体はSCP-019から一時間当たりおよそ一体の頻度で出現することになります。以下の傾向がSCP-019-2の実体化の頻度に影響することが知られています。
- SCP-019の移動
- SCP-019への脅威
- 寒暖どちらであれ極端な温度
- 周辺環境一般の突然の変容
- SCP-019の内部に物体や生体を入れること(『洪水』反応を起こすことが知られています)
SCP-019-2の実体化の頻度に影響があるかもしれない傾向は、
- SCP-019近くに生きた人間が存在すること
- 現在の天候
- SCP-019傍の特定の個人(或る幾人かは他の人よりずっと激しくSCP-019-2発生頻度に影響を与えている様子です)
加えて、SCP-019をひっくり返したり傾けたりすると、まるであらかじめSCP-019-2個体で『満たされている』かのような反応を返しますが、にもかかわらずSCP-019を上から覗き込んでもただ暗い穴を見るのみです。対象に干渉するとSCP-019-2の生産頻度が上がるせいで内部空間の広さを測るのは困難ですが、外側を測った大きさとは一致しないと予測されます。
補遺: 文書SCP-019-2-A
SCP-019-2に関する記録、ライト博士とヴォークス博士により記録された。
████/██/██
SCP-019-2個体を収容室から持ち出し強化檻に入れ、水と生きた鶏を食べ物として与えた。個体は静かで、持続的で、不明瞭な発語を行うが、これは音声学的には古ギリシア語族の言語に似ていると特定された。この類似の理由は未詳とはいえ、今のところ個体は動物以上の知性は持たないものと考えられる。
個体は48時間以下しか生きられず、解剖の結果、生体構造は細胞レベルでは通常の生物学の知見と一致することが明らかになったが、しかし筋骨構造は極めて不安定なものであった。他に特筆すべき特異性としては、呼吸器系の不安定さ、次に消化管がないこと、そして実質上他の内臓が存在しないことが挙げられる。他の個体を捕まえてもすべて同じように振る舞い死んだ。
注: SCP-019-2個体はSCP-019の外では有意の時間生きるつもりがないように見える。 -ヴォークス博士
████/██/██
あるSCP-019-2個体が部分的に透明になり、監視チームの監視を逃れた。該当個体が長期間野放しになっていたせいで収容ユニットが少々の損傷を受けた。記録にないSCP-019-2である。監視チームはさらなる特異性についての報告を継続することにする。
████/██/██
監視チームの報告によれば、現在SCP-019-2個体の一部ははっきりと焼却への抵抗性を他のものよりも強く示しているとのこと。SCP-019の方の防衛機構なのでは、という仮説が考えられる。
████/██/██
ほとんどのSCP-019-2個体が今や焼却装置の効果に対してほとんど完全な抵抗を示す。焼却装置の代わりに酸槽を用いることを考えなくてはならない。SCP-019-2の『進化』については目下研究中であり、あるいはこれはSCP-019-2に知覚が存在する証拠となるかもしれない。