SCP-022-JP
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収容直前のSCP-022-JP(擬態中)

アイテム番号: SCP-022-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-022-JPは標準的な人型収容室に収容して下さい。収容室の壁面全てにブラックライトを取り付けます。当直のセキュリティ担当はブラックライトを2個以上携行して下さい。

SCP-022-JPには食事として1日3回、検閲済みの書籍を1冊ずつ与えます。食用か否かに関わらず、禁止書籍のリストに記載された書籍を与えてはいけません。対象との接見や音声を伴う録画は、研究目的に限定されます。

説明: SCP-022-JPは人型のオブジェクトで、頭部が書籍で構成されています。首から下は若い女性で、生理学的には人間のそれとほぼ同じです。知能は平均的な成人より高く、知能テストの平均値は109でした。対象は現在、日本語・英語・ドイツ語・フランス語・北京語の文章をかなり正確に読解できます。ただし会話は日本語でしか行えません。

SCP-022-JPは"メイク"と呼称する方法で偽装し、頭部も人間になりすますことができます。眼鏡をかけたアジア系女性と推定される顔になります。他のパターンは確認されていません。この擬態は、一定以上のUV-Aを含む照明で2方向以上から照射した場合に解除されます。そのため最も簡易な方法は、ブラックライトで照らすことです。原理は解明されていません。

SCP-022-JPの特異性は、身振りを伴う発話を行った場合に発生します。これらを認識した人物の知識や肉体に、異常な影響を及ぼします。録画された会話にも特異性が確認されました。一方、文章や音声での会話、あるいは身振りだけの場合、特異性は発現しません。そのため音声と動作を認識した場合に特異性が発現すると考えられます。

SCP-022-JPは収容前、"臨時教員のホンナ先生"と自称して各地の学校に出没しており、正規の教員の代行として授業を担当していました。いずれの事例でも関係者は不審感を全く抱いていなかったことが確認されています。これらの"授業"を受けた生徒に相次いで異常が発生したため、財団の目に留まりました。確認された事例の一部を抜粋します。

場所 内容 結果
███中学校1年B組 数学の授業を担当。リンゴ5個とみかん8個を調理し、できたジャムをノートに塗る。 生徒たちは未習得だった二次方程式を完全に理解した。11人の生徒が軽度の食物アレルギーを発症。
███高校運動場 体育の授業を担当。砂場に大型車の廃タイヤを置き、生徒と一緒に転がし続ける。 生徒は全員「鉄棒の授業だった」と回答。全員が大車輪を習得していたが、着地法が未習得だったため翌週の鉄棒の授業で3人が骨折。
████幼稚園うさぎ組 おゆうぎの時間を担当。[編集済]と[編集済]を用いて、[編集済]を模した遊びを行う。 園児たちは全員「たのしかった」と回答。園児間での恋愛が急増し、一部が問題行動を起こす。
国立███大学中庭 統計力学の講義を担当。シャボン玉を使い、表面張力について説明。 学生たちは「エントロピーの講義だった」と回答。精神的に不安定になる学生が続出。2名が自殺未遂を起こし、「バブルだ、それは泡だ。この宇宙は[編集済]によって熱的終焉を迎える」 と発言したため全員に記憶処理を実施。

財団は過去の事例から対象の出現地域を予測し、対象を最後の事例である国立███大学敷地内で確保。対象は抵抗せず、財団に保護を求めたため、そのまま収容しました。その後の対象へのインタビューの結果、対象は以下の事例を申告しました。

場所 内容 結果
██小学校4年2組 理科の授業を担当。地図を赤く塗りながら、水彩絵具の使い方を説明する。 児童たちは「リトマス試験紙の授業だった」と回答。酸と塩基について高校化学レベルの知識を得る。児童たちはその後、図画工作で赤い絵具しか使わなくなった。
█████大学文学部203教室 社会思想史の講義を担当。地図を赤く塗りながら、水彩絵具の使い方を説明する。 学生たちは「社会思想史の講義だった」と回答。全員が「冷戦時代の共産主義について斬新な解釈を示した」と評価。それまでの政治信条とは無関係に、全員に共産主義に対する極度の崇拝、もしくは嫌悪が確認された。

財団の追跡調査の結果、これらは事実であると確認されました。同じ"授業"を行い、異なる結果が出ていることから、特異性は"授業"を受ける側の知識に左右されると考えられます。財団は検証のために実験を実施しました。

実験記録004 - 日付2014/██/██

対象: 知的水準の異なるDクラス職員4名。

実施方法: 対象に事前説明なしにSCP-022-JPの説明を聴講させる。内容は地図を赤く塗りながら、水彩絵具の使い方を説明するもの。
結果: 殺人の前科を持つD-7235が突如興奮し、放火の前科を持つD-3951を殺害。D-3951の死体は原因不明の発火により全焼した。それ以外の2人はそれぞれ「中学校の社会科の授業だった」「絵具の説明だった」と回答。

分析: 聞き手の知識や先入観によって、SCP-022-JPの発話は異なる結果をもたらすことが確認された。なお物理的な特異性も発現することが判明したため、同種の実験は禁止とする。

対象は現在、収容に対して協力的です。また対象は書籍以外の固形物を栄養として摂取できません。そのため財団は対象の要求に応じて、書籍を食事として提供しています。
検査の結果、摂取された書籍は咀嚼によって分解され、炭水化物とタンパク質に変化することが確認されています。栄養価は書籍の内容によって変化し、SCP-022-JPは内容ごとに風味も異なると証言しています。一般的に高度で専門的な内容ほど、栄養価が高くなる傾向が確認されています。

その後、対象は摂取した書籍の内容を部分的に記憶することが判明しました。収容違反の恐れがあるため、技術書・歴史書・哲学書などを与えることが禁止され、禁止書籍のリストが作成されました。

補遺: SCP-022-JPの情報は、SCP-022-JPへのインタビューによる証言が大半を占めています。これらの内容は検証が不十分であるため、補遺として記載します。インタビューログを参照して下さい。

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