アイテム番号: SCP-031-DE
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 現在、SCP-031-DEを完全に確保する手段はありません。現時点では、SCP-031-DEの確保は、SCP-031-DE出現事象への対応を全面的に専門とする国際委員会 (Iss-03) の結成によって確立されています。
説明: SCP-031-DEは20代の若い女性の自然発生的な出現という形で発生する現象です。SCP-031-DE-1と指定される当該女性は、被験者によると、イザベルという名前の短縮形であるイザを自称しています。SCP-031-DE-1は細身で、茶髪と茶色の目を有し、若干エロティックなユーモアのセンスを持つ美女として描写されます。
現在までに確認された全ての事例で、SCP-031-DE-1は自身と接触したあらゆる男性に対する著しい影響力を発揮しています。SCP-031-DE-1との簡潔な会話において、男性はいかなる話題でも非常に開放的かつ熱心に話すようになり、私的・性的な話題さえも回避できなかったようです。不特定の時間が経過した後、SCP-031-DE-1は被影響者の自宅に一緒に帰っても構わないかを躊躇せず訊ねます。SCP-031-DE-1の絶大な影響力のため、被影響者は仮にSCP-031-DE-1を自宅に招きたくなかったとしてもこれを拒否できません。
目的地に到着した直後、SCP-031-DE-1は被影響者の視界から数秒間離れようと試み、それによってSCP-031-DEの効果を活性化させます。視界の外部に出たSCP-031-DE-1はそのまま消失します。被影響者は強い眩暈と、座り込みたいという衝動を経験します。SCP-031-DEは更に感覚への影響を及ぼし始め、被影響者は視覚・聴覚不全を経験します。この段階を過ぎると、被影響者は外部刺激に反応しなくなり、意思疎通やその他の行動を実行に移すことが不可能になります。身体の生理学的な機能の喪失を招く可能性があるため、この状態は被影響者にとって極めて危険です。“トリップ”状態は最長2時間まで持続し、その後、被影響者は徐々に感覚を取り戻します。
SCP-031-DEが引き起こす意識喪失段階は、被影響者の視点からは、人生の様々な時点でSCP-031-DE-1から幾度も欺かれ、見捨てられながら一生を送るという内容の現実的な夢だったと説明されています。いずれの被影響者も、あたかも2時間の間に75年分の人生を生きたかのようにこの夢を知覚し、現実の生活だと思い込んでいました。被影響者が現実の生活を送っているのと同一の周辺環境で展開されることを除けば、現実の人生と夢の中の人生にはほとんど接点がありません。夢は被影響者の死で終結し、その後、被影響者は覚醒して再び刺激に反応を示し始めます。
補遺-1: これまでSCP-031-DE-1と接触した女性は、非常に短く、ごく限られた内容の会話しか交わしていないようです。これが、SCP-031-DE-1が女性に興味を持たないためか、女性との会話において異常な影響力が及ばないためかは未だ不明です。
補遺-2: また、被影響者たちは、SCP-031-DE-1は夢見段階で必ずしもイザベルという名前ではなく、多くの被影響者に対して異なる名前を使っていたとしつつも、容姿は変化していなかったと証言しています。
注記: 現在までに記録されたSCP-031-DE-1の出現はドイツ語圏に限られているため、SCP-031-DE-1はドイツ語圏にしか現れないものと推測されます。その他の制限はまだ確認されていません。
- ノルテ博士