アイテム番号: SCP-031-J
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 毎年の10月██日には、キャンディの詰め合わせを所持したエージェントを世界各国の都市に戦略的に配置し、SCP-031-Jの発生に備えることとなっています。SCP-031-J-1との接触時には、キャンディを配ることで危険を避けることが可能です。決して歯科衛生に関する物品を配ったりしてはいけません。
説明: SCP-031-Jは、毎年定期的に発生する超常現象です。分析の結果、その発生日は10月██日であることが判明していますが、正確な発生時刻には多少の誤差があるものと思われます。主な発生地域は北米および西ヨーロッパですが、その他の地域における発生例もしばしば確認されており、世界各国で見られる現象のようです。
SCP-031-Jの発生時には、街々の通りに正体不明の存在(以降、これをSCP-031-J-1と呼称します)が多数出現します。SCP-031-J-1の外観は個体ごとに大きく異なりますが、概ねグロテスクな姿をしているようです。確認された個体の中には、歴史上の人物やポップカルチャーにおける著名人、時にはSCP-777-J、SCP-1344-J、SCP-2008-J個体に類似したものも見られます。SCP-031-J-1の身長は一般的な成人よりも大幅に低いことが多く、平均は1.4m程度です。
SCP-031-J-1は一定のパターンに基づいて行動しており、住宅を訪問しては「████████・オア・████████」という叫び声を上げます。この言葉の意味するところは正確には不明ですが、担当研究者の解析によれば、「害をなされたくなければ供物を捧げよ」という一種の脅迫の意図が込められているのではないかとのことです。この推測を裏付ける傍証として、SCP-031-J-1にキャンディを与えると凶暴性の抑制が起こり、SCP-031-J-1が次の住宅に到着するまでは抑制状態が持続することが確認されています。
また、特に低い身長を持つSCP-031-J-1には、周囲の人間(ただし、成人に限ります)をトランス状態に導く性質があることが知られています。この影響を受けた者はSCP-031-J-1に対して慈しみの心を持って接するようになり、危害を加えられそうになっているSCP-031-J-1を見ると断固として守ろうとします。1
そのほかにSCP-031-Jの発生期間中に観測される事象としては、以下のようなものが挙げられます。
- ティーンエイジャー(特に男性)が、トイレットペーパーを本来の用途とは異なる目的で使用して住宅を散らかすという奇行に走るケースがしばしば見られます。
- 顔を持ったカボチャが住宅の玄関先に出現します。カボチャの表情は様々ですが、いずれも歓心あるいは悪意を感じさせる笑いを見せている点は共通しています。
- 住宅の装いが変わり、担当研究者の説明によれば「なんかゾッとする」様相を呈するようになります。典型的な例においては、蜘蛛の巣、墓石、箒、動く人型生物の死体2などが家屋の外部に出現します。
- 大型のSCP-031-J-1は、酩酊しているかのような振る舞いを見せることがあります。
補遺031-J-1: インタビュー記録031-J-1:
インタビュアー: ███████博士
インタビュー対象: SCP-031-J-1
インタビューの行われた状況: このSCP-031-J-1は、SCP-031-Jの発生中に██████博士が大急ぎで捕獲したものである。インタビューは、SCP-031-J-1の攻撃性が発現する前に大急ぎで行われた。
<記録開始>
███████博士: ハロー?
SCP-031-J-1: ハロ~~~!
███████博士: 君は……何者だ?
SCP-031-J-1: オバケだぞ~~~!
███████博士: 死者の霊魂という事か?
SCP-031-J-1: ちがうよ、オバケだぞ~~~! バア~~~! ガオ~~~!
███████博士: (隣の研究者に)記録してくれ。攻撃性を有する恐れありだ。(SCP-031-J-1に)つまり、君は死んでいるのか?
SCP-031-J-1: しんで?
███████博士: そうだ。既に死亡している人間なのか?
SCP-031-J-1: ううん……ぼく……(高音のすすり泣きのようなノイズを発生させ始める)
███████博士: まずい! やはり危険だ、逃げろ!
<記録終了>
小型の個体ほど攻撃的なようだ。 - ███████博士
インタビュー記録031-J-2:
インタビュアー: ███████博士
インタビュー対象: 大型のSCP-031-J-1
インタビューの行われた状況: 大量のトイレットペーパーを用いて車に装飾を施しているSCP-031-J-1を発見したため、接触を試みた。
<記録開始>
███████博士: なぜ君は、車をそんな風に奇妙に飾り立てているんだ?
SCP-031-J-1: あ? なんだあんた?
███████博士: 君が信仰している神を鎮めるためか?
SCP-031-J-1: はあ? 違えよ。あんた、ケーサツ呼ぼうってわけじゃねえのか?
███████博士: (研究チームと相談して)ああ、そんなことはしない。君は一体何者なのか教えてくれ。
SCP-031-J-1: ヒュー・ヘフナー3だよ、他に誰に見えるってんだ?
███████博士: 研究チームが今調べてくれた。ヒュー・ヘフナーは現在、[編集済]の自宅にいるはずだ。
SCP-031-J-1: なに言ってんだ、お前バカか? 見ろよ、ちゃんとパイプ持ってガウン着てんだろうが。
███████博士: なんだって!
<記録終了>
ドッペルゲンガーの可能性がある。さらなる調査が必要だ。 - ███████博士