SCP-044-KO
評価: +5+x

アイテム番号: SCP-044-KO

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-044-KOは世界中で発見された███例が施錠された特製の冷蔵ボックスの中に保管されています。外部へと搬出することはいかなる場合であっても許可されません。これを用いて実験や研究を行う際はレベル4以上の幹部より書面による承認を得る必要があります。研究員と常駐する保安要員はレベル3に制限されます。

オブジェクトが保管されている部屋は高さが2mで、面積が8m×12mとなっています。内部は実験室と冷蔵ボックスの存在する第2収容区画が約8m×2mの面積で分かれており、収容容器は約10cmの厚さの特殊なドアや防火壁によって保護されています。研究区画は4人のレベル3の保安要員の監視と管理を受け、研究員は手荷物検査を優先的に受けることになっています。オブジェクトの容器と内容物はレベル4の幹部の立ち会いの下、非浸透性の保護衣を着用したレベル3のエージェント達が███████を介して内容物を廃棄し、残った容器は焼却してください。

説明: SCP-044-KOは、██████████社にて生産された3L入りのNS生理食塩水輸液パックに入っている液体です。このオブジェクトは20██/██/██、ロシアの██████病院で存在が確認されました。報告の当日、オブジェクトは投与前までは一般的なNS生理食塩水に見えました。しかし、████病院の██████の患者に最初に投与してから約██分後、投与量が20ガット(約80cc/hr、約3秒に1回のペース)に設定されていたにも関わらず、それよりも速く患者の体内に透析されており、静脈血がカテーテルを介して体外に排出され、約2L分の血が流出し急速な脱水症状と█████の症状を見せて死亡しました。これ以降、他の病院でも同様の事件が発生しました。

財団は、問題の生理食塩水輸液の生産シリアルナンバーを追跡し、生産されていた問題の生理食塩水はもちろん、その前後に生産された製品を全て回収し、事件に関わった人物のクラスB記憶処理や[データ削除済]を行い、その製品が生産された█████工場を[データ削除済]しました。問題の輸液パックはシリアルナンバーが████████で███████の3LNS生理食塩水輸液パックであり、その総数は約█████個ほどでした。

このオブジェクトは、自分から行動することはありませんが、人体に投与されてから時間が経過すると急激な速度で静脈を介して浸透し、血液と混合することなく体内を巡りながら血流を妨げ、脱水と███████の症状を引き起こすことが確認されました。

その他の実験では、化学的には他のNS生理食塩水と異なる部分はありませんでしたが、電気反応を通じた分子吸着実験で一般的なNS生理食塩水と異なる点が明らかになりました。この実験では特に変則的に動く分子が発見され、これを抽出しようとする試みもありましたが、分離することがなく抽出に失敗しています。また、病院で勤務した経験のある担当者の話によると、一般的なものよりも微妙に重いと証言しています。

補遺SCP-044-KO-1:

実験名: SCP-044-KOの反応時間の実験と浸透遮断の実験

対象: それぞれ6人のDクラス職員で構成された対照集団Aと実験集団B

実験方法: 集団Aには医務室から持ってきたNS生理食塩水の溶液を、集団BにはSCP-044-KOを投与する。

集団Bの構成員はB-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6と再分類し、それぞれの反応が発生したときの時間差による浸透遮断時の生存の可能性を調査する。

投与から10分: 集団A、Bともに何の反応も示さない。
投与から██分: 集団Bでほぼ同時に急激な溶液の投与速度の増加と血液の逆流が確認される。
集団Bの反応を確認してから██+2分: B-1に対する投与を中止し静脈注射を撤去。急激な体力の消耗と血液の減少による無気力を示したが、後に回復した。
集団Bの反応を確認してから██+4分: B-2に対する投与を中止し静脈注射を撤去。急激な体力の消耗と血液の深刻な減少により心機能が低下し重体に陥る。
集団Bの反応を確認してから██+6分: B-3に対する投与を中止し静脈注射を撤去。心機能の低下により死亡。
集団Bの反応を確認してから██+8分: B-4、5、6死亡。死因は心臓発作と脱水症状の複合的なものと確認された。

以降サイフォン作用に基づく実験で、投与する部位の高低を変化させたとき、対照集団と比べて投与位置を高くした実験集団の方が投与位置を低くした実験集団よりも1~3分程度遅延し、投与を中止した時も生存確率が高かった。

結果: SCP-044-KOを投与してから██分後に反応が発生した。██分を起点に5分以内に投与を中止すると生存する確率があり、5分を超えると死亡する。

分析: 集団Bの生存者の検査の結果、急激な脱水症状と████の症状、血液の減少が確認された。血液の減少は、SCP-044-KOによる循環障害と脱水、およびカテーテルを通した多くの血液の逆流が原因と推測される。しかし脱水症状と████の症状の原因は解明できなかった。

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