
SCP-054-FRの既知された最初の画像。
アイテム番号: SCP-054-FR
脅威レベル: 橙 ●
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-054-FRの発生が確認された全ての海岸の周囲約1kmは警戒区域に指定されています。クリアランスレベル3以上の職員のみが収容区域に立ち入る事が許可されています。海洋哺乳類の研究の趣旨に(場所に応じて)基づき、あらゆる民間人の立ち入りは禁止されています。必要に応じてAクラス(目撃者用)またはCクラス(被害者用)の記憶処理を施します。SCP-054-FRが撮影された写真やビデオは破壊し、証拠が公開された場合には、それらは偽装であると暴露する大規模なキャンペーンを開始する必要があります。
説明: SCP-054-FRは████████と█████の西海岸、及び████、██████と██████の東海岸の複数の波に発生する現象です。影響を受けた波が物理的に変形することが特徴で、それは一般的なホホジロザメ(Carcharodon carcharias)の顎に酷似しています。非水棲生物及び人間がSCP-054-FRと付近の海岸の間に位置する場合、影響を受けていない波の3倍の速度で移動することができます。SCP-054-FRによって引き起こされた外傷はホホジロザメによるそれに類似していますが、直接的な圧力は影響を受けた波の高さに比例します。被害報告は手足の切断のみの簡素なものから被害者の完全な消失まで及びます。致命的な外傷の68%は被害者が波に被われている間に起こります。かつてSCP-054-FRを出現させたことのある人間が海岸から約250mの距離にいる場合、SCP-054-FRの出現率は大幅に増加します。その対象となるのは、遊泳者やダイバー、あるいは小型の水上機などですが、主な犠牲者はサーファーです。
SCP-054-FRは被害者に最も近い波にのみ出現します。SCP-054-FRの餌食となる可能性のある人間が多いほど、波の顔はより大きくなります。一度可視化したSCP-054-FRは波に触れると速度を増して高速化し、███km/hにまで到達します。さらにSCP-054-FRが出現する際の兆候は無音かつ予測不可能なものです。ただし衝撃が加えられる前に波の下に潜水することが、有効な自衛手段となります。
SCP-054-FRは最低4mの高さの波を形成することができますが、形成できる最大の高さは不明です。
補遺054-A: SCP-054-FRが発生するとされる海域で数リットルの動物性血液を注ぐと2分以内に出現することが一連の実験で判明しました。また当該地域で海水中の液体が散逸すると、この波は押し砕けることが分かっています。ヒト血液(財団の病院施設で収拾)を利用したさらなる実験は同一の反応を引き起こしましたが、平均僅か60秒でSCP-054-FRの一部が形成された。この反応は一つの血液バッグを水中に注ぎ込むことで観察されました。
補遺054-B: 海鳥数羽が4mの高波の前を移動したときに、これら海鳥が「飲み込まれる」ことが確認されました。しかしSCP-054-FRが他の生物に反応することは稀で、反対にヒト個体への攻撃は遥かな頻度で確認されています。
補遺054-C: 現在までに行われた全ての観測によって、負傷して水中に血液を撒き散らしている個人は健全な対象に比べて、SCP-054-FRの被害に遭う可能性が4倍になるとの結論が出されています。一方で負傷もしておらず、水中での動作を極度に制限しているか、もしくは静止している個人がSCP-054-FRの攻撃対象となったことは未だ一度もありません。
補遺054-D: SCP-054-FRの出現時に発砲しようとする全ての試みは銃弾が水の壁に飲まれるため、効果がありません。また個人の匂いを隠蔽する試みも、SCP-054-FRがこうした撹乱の影響を然程受けていないことから、無益なものであることが判明しています。