アイテム番号: SCP-067-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-067-JPはサイト-81██の大型標準コンテナに収容されています。コンテナ内には照明や光源を設置しないでください。観察や調査等のためにコンテナ内へ入室する際には、財団指定のパッシブ型赤外線スコープを着用してください。ペンライト程度の明かりの持ちこみは許可されますが、懐中電灯のような強めの光源となりうる物の持ちこみは禁止します。その他、実験用等で光源を持ち込む場合、レベル3以上の職員の許可を得てください。補遺1以前の旧収容プロトコルは別紙に記載されています。発見地点(当時の収容地点)に新設された橋に異常性が発生していないか、定期的に調査を行ってください。
説明: SCP-067-JPは異常な現象が発生する橋です。対象は200█年、山口県██市にて発見されました。対象は市街地に存在し、一般人にもその異常性がある程度知られていましたが、「目の錯覚」あるいは「子供の勘違い」として認知されていました。
SCP-067-JPは日出時間前後か日没時間前後に████lux以上の可視光線1が当たることで活性化し、その範囲内に異常な現象を発生させます。活性時間中、橋の上にSCP-067-JP-1が2体から複数体映し出されます。
SCP-067-JP-1は自律して行動する影です。大きさは15cmから1m以上の大きさまで確認されています。対象は影を"足場"にして行動することが可能です。対象は進行方向にある影や足場の影をすり抜けることもあり、足場にする影と通り抜ける影を選択していると推測されます。20██年現在、財団とSCP-067-JP-1との交流は成されていません。
SCP-067-JP-1は、主に他のSCP-067-JP-1と戦闘を行います。この戦闘はどちらかのSCP-067-JP-1個体が消失するまで継続され、平均6分間ほど続きます。複数体のSCP-067-JP-1が出現した場合、SCP-067-JP-1はそれぞれチームを組み、相手のチームが全滅するまで戦闘が継続されます。戦闘の停止条件が満たされた後、SCP-067-JPは非活性状態となり、SCP-067-JP-1は消失します。
観測されたSCP-067-JP-1の主要な形状は以下のものです。
SCP-067-JP-1の形状 | 大きさ(全長) | 補足 |
---|---|---|
人型 | 15cm-20cm | 最も多く観測される形状のSCP-067-JP-1(全体の50%以上)です。 剣や盾を持つ者、炎や雷を発生させる長い棒を持つ者、王冠を被った者と多種類の形状が存在します。不定形型・竜型に対し敵対的です。同じ人型へも攻撃しますが、同じチームに対しては攻撃を行いません。明確な自我を持っていると考えられます。 |
不定形型 | 25cm-45cm | 不定形のSCP-067-JP-1です。「アメーバのような」と報告される動作を行います。動作は緩慢ですが、積極的に人型のSCP-067-JP-1を攻撃します。知能は無いか非常に低いと推測されます。 |
竜型 | 90cm-110cm | 大型のSCP-067-JP-1です。西洋の竜に近い形状をしています。最も観測される数が少ない(全体の█%)ものです。不定形型を指揮するような行動を取ります。また、影を足場にせず、飛翔することが可能です。体当たりや炎の形状をした影を発生させ、積極的に人型を攻撃します。知能は人型と同等かそれ以上のものと見られます。 |
(以下、SCP-067-JP-1個体は「人型」「竜型」など簡略化して表記。)
このほかにもいくつかのSCP-067-JP-1が確認されています。それらについては別紙を参照してください。
SCP-067-JP-1の行動は、微細ながら"こちら"側にも反映されます。「人型の持つ剣が振るわれ、SCP-067-JPの一部が傷つく」「竜型の吐く炎の影に触れると、若干の熱を感じる」といった報告がなされています。影響の強さは、SCP-067-JP-1の大きさや行動力の強さに比例すると考えられています。
補遺: 200█年8月5日午前5時41分、最大級のSCP-067-JP活性事案が発生しました。確認されたSCP-067-JP-1の総数は1200体以上、出現範囲はSCP-067-JP上だけでなく、周囲の道路、森林の影に及ぶものです。700体以上の人型によって構成されたチームAと、472体の不定形型、38体の竜型、1体の蛇型によって構成されたチームBの戦闘が行われました。蛇型のSCP-067-JP-1はこれまでに確認されたもので最大のSCP-067-JP-1であり、全長は638cm、最大幅は45cmと計測されています。
この戦闘は2時間継続され、"こちら"側へも甚大な影響を及ぼしました。周囲に存在する森林、道路は大きく損壊し、SCP-067-JPはこの戦闘の影響で全体の22%を焼失、および破損しました。周囲に存在する民家も被害を受け、1戸が半焼しています。この事案には財団の機動部隊が収束に当たり、収束後にはカバーストーリー「地震」が適応されました。
この事案を受け、SCP-067-JPはサイト-81██に移送され、収容プロトコルは現在の物に改変されました。損壊した部位は修復中です。発見地点に新設された橋には、20██年現在異常性は見られません。