機動部隊Ω-7事件記録
評価: +72+x

FROM: ██████ ███長官, 記録情報保全管理局
TO: Level 4 管理官
SUBJECT: RAISA セキュリティプロトコルの改訂 Re: 追加情報 Re: SCP-076

ファイル名: 付録076-1: "プロジェクト・アベル"と"機動部隊Ω-7"

前分類: O5

新分類: Level3、知る必要のある者

Effective Date: ██-██-████


SCP-076-2の心理プロファイル

SCP-076-2は我々と大きく異なる精神を持っているか、完全に狂気の内にあり、我々は少しの共感や理解も持てません。性、愛や平等といった観念は、それらへの捉え方を見る限り、SCP-076-2から完全に失われた考えのようです。彼は性に無関心で、見た目の違いなしではほとんど性別を識別できません。また、彼は殺害行為を大変に楽しんでいることを認めていますが、苦痛(精神的、または肉体的な)を引き起こすことには魅力を感じていません。端的に言えば、完全な社会病質者です。

知能テストをSCP-076-2にさせるとでたらめで不正確となり、未だ正確な結果は得られていません。これは、対象の異質な思考回路によるものと考えられています。しかしながらSCP-076-2は、人体解剖学(非常に暴力的な文脈であるが)、野戦における戦術、冶金学、そして奇妙なほど詳しく家畜の世話についての膨大な知識を持っています。対象は英語を含む様々な言語を知っていますが、最も注目すべきは古代シュメール語のいくつかの方言についての知識であり、対象にとって好ましい言語であると考えられます。

SCP-076は人類を尽く軽視しています。ひとつの例外を除いて――対象は、自分が優れていると認めた者に慎重な敬意を抱くようです。
それは、SCP-076-2と長い時間関わっていたエージェント███████が、彼が脱走した際に姿を現さなかった時に判明しました。対象は悩む様子をみせ、数名にエージェント███████はどこに行ったのかと尋ねました。最終的にエージェント███████の運命(SCP-███の進行を止めるために計画された空爆に巻き込まれ、死亡)を知ると彼は暴走を止め、自発的に護送され、収監されました。

対象はその急激な態度の変化について、インタビューを受けました。

<記録開始>

Dr. ██████: なぜ、あなたはエージェント███████の死に興味を持ったんですか?

SCP-076-2:(古代シュメール語で罵り始める)

Dr. ██████: なぜ貴方は彼の死を苦にしているのですか? これまで大勢の人間を殺害してきて、なぜ彼をそんなに――(SCP-076-2に遮られる)

SCP-076-2:(英語を話している)違い? 何故なら、お前たち(シュメール語/解読不能)とは違い、彼は挑んできた、本当の敵手だったからだ。

Dr. ██████: なぜ、それが貴方にとっては良いことなんでしょうか? 貴方は目覚めるたびに脱出を試みた。彼は何度も貴方の確保に務めました。間違いなく、貴方は彼の死を喜ぶべきです。

SCP-076-2: お前の言う事は理解できない。彼が何度私の頭を撃ち抜いたか知っているか? 戦いにおける死に値する男は、彼の息遣いすら感じるほどに敵に近づく。宮殿に守られた臆病な王と王子が命じるような(シュメール語/解読不能)破壊ではない。お前達は……(SCP-076-2はため息をつく)お前達は本当に嫌になる。殴る気にもならない。

(対象は以降沈黙し、回答を拒否した)

<記録終了>

これはSCP-076-2の精神への糸口であり、制御が可能であることを示唆しています。SCP-076-2が試みた脱走によって引き起こされる人材の損失、そしてBowe委員会が定期的に行なっているSCPの戦術的用途への軍事的使用の提案を考慮し、私はできるだけ早くこの方向で追究することを薦めます。

Dr. P█████ G████


FROM: Dr. █████ █. █████
TO: Dr. P█████ G████, プロジェクトΩ-7
SUBJECT:

████,

彼はYesと言ったよ。

███


プロジェクト提案:機動部隊Ω-7(“パンドラの箱”)

目的:リスクの高い戦況における、SCP-076-2(“アベル”)の援助

組織:機動部隊『特別資産』アベル、機動部隊リーダー████ ████████████,、3-5名ずつ5つのチームに分かれた10-20名の戦場エージェント。
部隊のメンバーは、関係を円滑に維持するために、戦場エージェントの精鋭からアベル自身が直接選抜します。

セキュリティプロトコル:SCP-076-2(“アベル”)は首に装置を取り付けられます。それは刺激や命令によって即座に爆発し、首の主要な血管、気管、脊髄を完全に破壊することでSCP-076-2を処分します。追跡装置も同じくSCP-076-2の身体に装着されます。これは命令以外の不要な殺害行為を抑制し、組織施設への危害を防ぐためのものです。

武装・装備:部隊のメンバーはMTFドクトリンに従った装備を持ちます。アベルは火器の使用を好まない傾向を見せているため、より明確に言えばその使い方や戦術的意義を理解しないため、彼が選んだ刃状の戦闘兵器を代わりにします。

付録:頼むから、████よ、彼らがやるべきことを探してきてくれ。アベルは退屈して、実弾での訓練にのめり込み始めた……隊員は実弾を使い、彼は訓練用の武器を使う。あんたは今まで、オモチャの剣で男の顎を砕くのを見たことがあるか?
彼は誰かが死ぬまでやめないつもりだ。
――Dr. █████ █. █████


Dr. P█████ G████による報告書:プロジェクトΩ-7

SCP-076-2の堪能なシュメール語に着目し、研究員は対象に、文書を翻訳するように頼みました。対象は当初無関心だという返答をしましたが、いくつかの文書を翻訳すると、彼の興味を引くに足るものが見つかりました。SCP-076-2が選んだ文書のほとんどは戦いを賛美するか、神話上の英雄についての内容であり、特に彼が気に入ったものの一つは『ギルガメッシュ叙事詩』でした。

しかし、一人の研究員がSCP-073の『しるし』の入った文書を見せた時です。それが目に入ったとたんSCP-076-2は激しく怒りを露わにし、彼の首輪が動作するより早く、数名の研究員を殺害しました。蘇生した後にこの事について尋ねると、SCP-076-2は攻撃的な反応を見せ、これに関する質問はすぐに切り上げられました。SCP-073に関するあらゆるものはSCP-076-2のもとに持ち込むべきでなく、また二人を同じ施設に置くことは決してあってはなりません。


付録 076-07: 最近、SCP-105がSCP-076-2を負かし、機動部隊Ω-7への入隊を認められました。二人は、開始地点とお互いから1マイル以上離れたいくつかの装置をどれだけ作動させられるかという勝負をしました。
SCP-105は彼女の能力を活かし、SCP-076-2より目に見えて高いスコアをどうにか出しました。SCP-076-2は負けを認め、彼女の加入を認めました。

付録 076-09: 提案されていたSCP-076-2とSCP-682の対面は不定時に行われました。セキュリティクリアランスLv4以上のものはContingency 076-2 #3から参照できます。

付録 076-23: Bowe委員会の要請により、機動部隊Ω-7は対[削除済み]のため███████████の████████ 区域に配置される。


FROM: Dr. █████ █. █████
TO: Dr. P█████ G████, プロジェクトΩ-7
SUBJECT: やめろ, P███

頼むからやめてくれ。彼らがアイリスを兵器として利用しようとしているのも最悪だ。
軍部が我々を脅しつけて、██████████のサンドファーマーどもにけしかけさせるのをやめさせてくれ。

███


FROM: General ██████ Bowe, ████
TO: Dr. P█████ G████, プロジェクトΩ-7
SUBJECT: 仕事は順調だ

素晴らしい成果だ、博士。ミッションは予測していたとおりに終わった。また助けが必要なときは頼むよ。

将軍██████ Bowe, ████


FROM: Dr. █████ █. █████
TO: Dr. P█████ G████, プロジェクトΩ-7
SUBJECT: せいぜい威張り散らしてな、クソッタレ

<hello.jpg>

てめえのケツの穴はこいつよりでけえだろうからな


FROM: Dr. P█████ G████, プロジェクトΩ-7
TO: Ω-7隊員
SUBJECT: 再配属

本日をもって、Dr. █████ █. █████はSCP-682担当Lv1職員に再配置されました。


[削除済み]


FROM: Dr. P█████ G████, プロジェクトΩ-7
TO: General ██████ Bowe, ████
SUBJECT: 問題

[削除済み]

我々は善処しましたが、アベルは制御の困難さを証明しています。彼を従わせようとする試みは殆ど失敗に終わっています。
問題は、彼は完全なる殺戮マシーンであり、それが彼の望む全てだということです。それは私たちが欲していた通りのものだと考えていましたが、ですが、問題は我々には彼を止められないように思えるということです。

[削除済み]

私が彼に与えるミッションは尽きました。そして、私が残したものは彼を精神的に惹きつけていません。
彼は他の隊員に当たりはじめました。何かが起こるのも時間の問題です。我々が彼にやらせる事を見つけるまで、プロジェクトの停止とアベルの一時的な無力化を行う許可を要望します。


FROM: General ██████ Bowe, ████
TO: Dr. P█████ G████, プロジェクトΩ-7
SUBJECT: RE:問題

受け容れられない。現時点でのアベルの無力化は我々に望まざる遅延をもたらすだろう。
我々は二週間以内に、君たちに他のミッションを与えよう。君のやるべきは、それまで彼を忙しくさせておくことのみだ。休暇でも与えておきなさい。


FROM: Dr. P█████ G████, プロジェクトΩ-7
TO: 全職員
SUBJECT: 警告

これは自動警報です

SCP-076-2が首輪の安全装置を故障させ、制御を脱しました。これは全職員への緊急警報です。上層部の要請が是認されます。


FROM: 収容エリア25:自動防衛システム
TO: 全サイト
SUBJECT: 最終選択実行

これは自動通信である 返信不可

██-██-████, ████:██において、収容エリア25は10分のカウントダウンの後、現地の核弾頭を作動する


FROM: O5 指揮官
TO: 全サイト
SUBJECT: 収容エリア25 最終選択:返答

██-██-████, ████:██において、収容エリア25は現地の核弾頭爆破によって破壊されました。サイト67と68はFEMAプロトコルを実行し、可及的速やかに現場を保管して下さい。
公的なカバーストーリーはRAISAにより一度全職員へ通達されます。


SCP-076-2の心理プロファイル(改訂)

SCP-076-2は我々と大きく異なる精神を持っているか、完全に狂気の内にあり、我々は少しの共感や理解も持てません。性、愛や平等といった観念は、それらへの捉え方を見る限り、SCP-076-2から完全に失われた考えのようです。彼は性に無関心で、見た目の違いなしではほとんど性別を識別できません。また、彼は殺害行為を大変に楽しんでいるように見え、苦痛(精神的、または肉体的な)を引き起こすことには魅力を感じていません。

知能テストをSCP-076-2にさせるとでたらめで不正確となり、未だ正確な結果は得られていません。これは、彼が『怒り』の状態にあるとき、コミュニケーションを取ることが不可能であるという事実によるものです。対象は英語を含む様々な言語を話してみせますが、最も注目すべきは古代シュメール語のいくつかの方言についての知識であり、対象にとって好ましい言語であると考えられます。

SCP-076は人類を尽く軽視しており、視界に入った人間は全員殺害するでしょう。対象とのコミュニケーションを試みることはありません。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。