SCP-086
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SCP-086-1

アイテム番号: SCP-086

オブジェクトクラス: Safe Euclid Safe

特別収容プロトコル: SCP-086は生物研究ステーション71のオフィス A-19内に収容されます。ドアの外側の秘書席には1名の武装警備員が待機することになっています。SCP-086を構成する全ての物品は互いに6m以内になるよう配置してください。

SCP-086-1は秘書席の電話にのみ接続され、オフィスの机の上に置かれます。SCP-086と担当者間の全ての会話は録音した上で文字に起こされ保管されます。

6日ごとに4本の標準的な市販の16cmのHB鉛筆をSCP-086-2で削り、これは少なくともそれぞれの鉛筆の質量の95%が削り屑になるまで続けてください。担当者は SCP-086-2に削り屑が詰まったと判断したとしても空にしないでください。そのような場合、10分間待機した後削ることを再開してください。

7日ごとにSCP-086-3に市販の200個のホチキス針のブロックを補充してください。

20日ごとにSCP-086-4に15枚の標準的な市販のマイクロフィルムサイト内で作られた未使用のアセチルセルロース製マイクロフィルムを補充してください。

SCP-086-5に半分以上代謝物が溜まったときはその都度捌かせ、代謝物は焼却処分してください。

SCP-086に要求された全ての書類はサイト司令部の承認を得なければなりません。SCP-086からなされた全ての研究案は、O5レベル担当者の承認を得なければなりません。

概要: SCP-086はその構成物それぞれが1978年の事務用品の体をなした固着性組織の集合体であり、以前財団の管理者だった[編集済]博士(1907-1978)の意識であると主張する意識を内包しています。その8つの構成要素は、ダイヤル式の電話機(SCP-086-1)、壁掛け式の鉛筆削り機(SCP-086-2)、卓上ホッチキス(SCP-086-3)、マイクロフィルム読み取り機(SCP-086-4)、冷水器(SCP-086-5)、書類棚(SCP-086-6)、科学計算用電卓(SCP-086-7)、および計算尺(SCP-086-8)です。これらの構成物の間に物理的あるいは電磁気的なつながりは検出されていません。

SCP-086の各構成物は生体物質からなり、様々な量のキチン質、ケラチン、および炭酸カルシウムだけでなく痕跡量のナイロン、レーヨン、およびポリエステルから成る甲殻に包含されています。
DNA解析によってSCP-086に含まれる組織の一部はヒト起源であり、別の一部は[データ削除済]起源であることが明らかとなりました。

SCP-086-1は高次構造的および解剖学的な不整にも関わらず脳として機能する大量の神経組織を含み、この脳が SCP-086の意識の大半を担います。

SCP-086-1は受話器のマウスピースに耳に相当するもの(鼓膜、耳小骨など)を持ち、音を聴くことを可能としています。X線検査・超音波検査ではいかなる喉頭構造も明らかにできませんでしたが、SCP-086 はイヤーピースを介して([編集済]博士の声とアクセントに正確に一致して)話す能力があります。SCP-086-1はベルを鳴らすことも可能ですが、SCP-086はベルを鳴らすことで「頭痛がする」と主張しており、それゆえに眠りから覚めるとき(この際は素早く2回)や苦しんでいるとき(この際はモールス信号で「SOS」を)にのみ鳴らします。

SCP-086-2、-3、および-4は摂食器官として機能します。SCP-086-2は鉛筆の削り屑を消費し、SCP-086-3はホッチキス針を消費し、SCP-086-4はマイクロフィルムを消費します。SCP-086-5 は膀胱と腸に相当する複合物として機能し、代謝物を蓄積します。

SCP-086-6は知覚および操作的機能を複合したようないくつかの器官を持っています。SCP-086はSCP-086-6の内部に置かれた印刷物を読み小さな物品を操作する(例えばページをめくる、書類をABC順に並べる)能力を持つことが証明されています。SCP-086の要求に基づき、定期的に機密扱いでない書類や事務作業が与えられます。

SCP-086-7および-8の生物的機能はまだ決定されていません。しかしながら、SCP-086 は付近からこれらが撤去されたとき顕著な不快感と混乱を感じたと述べたため、知覚の中で何らかの役割を持つと推測されています。SCP-086-7は入力を受け入れるがそれに対する出力は無作為な絵文字やLED の「ノイズ」であるようです。

SCP-086は[編集済]博士の記憶への完全なアクセスをこなし、全ての試験で以前から存在していた[編集済]博士の心理学的プロファイルと100%一致することを示しました。しかし、SCP-086はそれが実際自身を[編集済]博士であると考えていると裏付ける方法はなく、[編集済]博士であるかのように巧妙に見せかけている別の知的存在か、あるいは自分自身が[編集済]博士だと心底信じ込んでいる「潜伏工作員的」ペルソナかもしれないと指摘しました。

取得記録:

SCP-086は1978年6月12日、SCP-████終了の結果として発生したPNクラス事象で[編集済]博士が死亡したと推定される時に誕生したと推定されます。1978年6月20日、保守担当者によって[編集済]博士のオフィスは後任者に割り当てるために空室にされました。この時、SCP-086-1は電話線に接続されていないにも関わらず繰り返し鳴りはじめました。保守担当者はレベル3職員に通報し、職員はSCP-086-1の電話に応えました。

続く会話の間、SCP-086 は自身を[編集済]博士だと認識し、レベル3職員に自身のセキュリティクリアランスを無効化し、自身の存在と性質について完全なレポートをO5レベル職員に提出するよう指示しました。

[編集済]博士は自身をSCPであると報告した、あるいは彼の振る舞いを模倣する異常な存在にそうさせるよう影響を与えたことを賞賛に値する行動として死後表彰を与えられました。

注記: SCP-086は当初Safeに分類されていましたが、自身が異常な生物的機構と代謝機能のある知的存在であり、なおかつかつてレベル4セキュリティクリアランスを持っていたSCP財団の管理者の記憶に完全にアクセスできるため、"Euclid"に分類すべきだと自ら申告しました。

注記: SCP-086の誠実さは評価するが、今のところこれを"Euclid"に分類する差し迫った理由はない。状況が変われば再考するだろう。- O5-█

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