SCP-087-JP
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アイテム番号: SCP-087-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-087-JPに指定された人物はすべて、プロトコル"覆面"に従い、外れないよう改造されたヘルメットを装着した状態で、サイト-81██の標準人型収容施設に収容してください。また、SCP-087-JPの増加が確認された際には、適宜終了措置を施してください。また、全ての個体は別々に保管してください。

説明: SCP-087-JPは、一般的な中年日本人男性の顔をした現時点では3人の人間です。その特異な性質は、他の人間がSCP-087-JPの顔を直接視認した時に発現します。ただし、顔の面積のおおよそ半分以上を認識する必要があります。眼鏡、ルーペなどの透過物越しに見た場合もこの異常性は発現しますが、SCP-087-JPを元にした写真、動画像、絵画はその性質を持ちません。
SCP-087-JPに暴露した人間(以降、SCP-087-JP-Aと表記)は即座に、顔に強い痒みを訴えます。その後、SCP-087-JP-Aの頭部には、骨格の変形、頭髪の変色・脱毛・異常成長、他にも歯の状態や瞳の色、表皮状態や表情筋の変化などが起こり、おおよそ17分かけてSCP-087-JPの頭部と同一の形状になります。この状態のSCP-087-JP-AはSCP-087-JPと同一の性質を持ち、SCP-087-JPとして再分類されます。また、この作用による頭部以外の肉体的変異や記憶や人格への作用は現在確認されていません。


事件記録087-JP-04

20██/██/██、SCP-087-JP群の小規模な収容違反が発生。SCP-087-JPの全個体は38分後までに収容、あるいは終了されました。この際、2名の死者と4名の負傷者が発生、そして13名がSCP-087-JPに変化しました。
多数のSCP-087-JPが、確認される限り、全く会話をせずに協力し、脱走を果たしたことから、SCP-087-JP独自のコミュニケーション方法が存在すると推測されます。

インタビュー記録087-JP

対象: SCP-087-JP-15

インタビュアー: 中川博士

付記: このインタビューは、事件記録087-JP-04の直後に行われた。

<録音開始>

中川博士: こんばんは。

SCP-087-JP-15: こんばんは、あれ、前の人じゃないんだな。

中川博士: 平田博士はSCP-087-JPになりました。

SCP-087-JP-15: ……ああ、なるほど。そうだった。

中川博士: ではまず、自分の名前を言ってみてください。

SCP-087-JP-15: SCP-087-JP-15。その前はD-087-1。そのもっと前は███ ██。

中川博士: 分かりました。では、いくつかの質問に答えてください。

[以下、5分間ほどの間、中川博士による心理テストが行われたが、精神的な異常は見られなかった。]

中川博士: なるほど、ご協力ありがとうございました。

SCP-087-JP-15: いやいや、いつも世話になってるからな。

中川博士: というと?

SCP-087-JP-15: 窮屈だし、変な実験にはつき合わさせられるが、衣食住には困らない。正直ずっとここにいたいぜ。

中川博士: なら、なぜ脱走しようと?

SCP-087-JP-15: 俺が、そう思ったからだな。

中川博士: あなたが、ですか。

SCP-087-JP-15: あ、いや、ここにいる俺じゃないよ。あっちにいる俺だ。(SCP-087-JP群の収容されている棟を指差し)

中川博士: 他のSCP-087-JPですか?

SCP-087-JP-15: あんたらはそう呼ぶが、アレは俺だよ。

中川博士: テレパシーのようなものですか?

SCP-087-JP-15: いや、違うね。あんたは、自分が何を考えているのかわからないのかい?

中川博士: どういう意味です?

SCP-087-JP-15: 俺は、俺だから、俺だ。だから、俺が何を考えているのかわかる、それだけだよ。

<録音終了>

終了報告書: SK-クラスシナリオの発生を危惧し、これ以降、SCP-087-JPを使用する実験は禁止されています。

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