SCP-087-JP-J
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探査Ⅺ(2030年)時点のSCP-087-JP-J

アイテム番号: SCP-087-JP-J

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-087-JP-Jは[編集済]の廃キャンパス1に位置しています。入り口には鋼鉄製のドアが設置されており、開くには██Vの電圧をかける必要があります。ドア裏には防音のため、厚さ6cmの工業用スポンジが敷き詰められています。キャンパスが閉鎖されたため、防音の必要はなくなりました。

説明: SCP-087-JP-Jは踊り場のある階段です。傾度38 35 33度の下り階段であり、13段で直径約3mの踊り場に接続します。各踊り場で降下の向きが180度回転します。今の所、オブジェクトが終着点を持つのか否かは不明瞭です。

SCP-087-JP-Jでは子どもの泣き声とみられる音声が確認されており、声の発生場所は最初の踊り場から約200m下と推定されます。しかしながら、どんなに階段を降りても音源に近づくことはできません。探索では泣き声の他にも「お願い」「助けて」「降りて来て」といった言葉が確認されており、探索したDクラスは「深入りするよう誘ってるみたいだ」と供述しています。

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SCP-087-JP-J-1 探査Ⅻ映像記録からの拡大画像

SCP-087-JP-Jは収容以降、十数回に渡って探索されました。どの探索においても、被験者は顔状の実体(SCP-087-JP-J-1)に遭遇しています。遭遇時、被験者は強烈な疑心暗鬼と恐怖心に襲われます。探索を重ねるにつれ、感情への影響は徐々に減衰しています。

探査Ⅳで発生した事案を受けて、SCP-087-JP-Jへの進入は長らく凍結されていました。しかし、凍結から3年が経過した2012年、オブジェクトから「工事現場のような音がする」と、複数の監視要員が報告。詳しい調査の結果、SCP-087-JP-Jは人間の進入が長期間途絶えると、人間にとって降りやすい/探索しやすい環境に近づくよう、内部構造を改変することが明らかとなりました。以下はこれまでに確認された特徴的な改変のリストです。

内容
2012年 SCP-087-JP-Jが当初有していた「光源を吸収する」異常性が消失。
2013年 天井に電球が出現。照明器具の持ち込みが不要に。
2015年 入り口にパワーアシストスーツが備え付けられる。
2017年 「人影注意」「足元不安定」等と書かれた貼り紙が随所に貼られる。
2020年 階段の縁に滑り止めブロックが増設される。
2025年 ハンドレール部分が静電気を帯びにくい木製に変化。
2030年 100階到達ごとに盛大な拍手が湧き起こるように。音源は特定できなかった。
2045年 仮設トイレと給水所が30階おきに配置される。
2070年 疲労感を訴える度、「We Are The Champions」「ロッキーのテーマ」がランダムで流れるように。

補遺1: 最後の探索から20年が経った2090年、SCP-087-JP-Jの内部から一定間隔のノック音が発されました。解析の結果、ノック音はモールス信号で以下の文言を表していました。

たすけて

くるしい

けいえい

かんこどり

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新たなSCP-087-JP-JとSCP-087-JP-J-2

補遺2: 最後の探索から30年が経った2100年、SCP-087-JP-Jから大規模な振動音が発生。階段が消失し、新たな構造物と人型実体(SCP-087-JP-J-2)が出現しました。SCP-087-JP-J-2は今回の改変について「テナント入れ替えに伴う全面的なリフォーム」と供述しています。これを受け、収容チームはSCP-087-JP-Jが超常的性質を有する賃貸物件であるとの仮説を立てました。

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SCP-087-JP-J前にて

なお、今回の改変以降、SCP-087-JP-J前の監視カメラに不審な顔状実体が現れ、何かを訴えかける事例が報告されています。対象はオブジェクトから追い出されたSCP-087-JP-J-1と推測されており、対象と何らかの手段で賃貸契約を結び、収容下に留め置く試みが進められています。

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