その環境に適応しようと試みるSCP-092-DE-J
アイテム番号: SCP-092-DE-J
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-092-DE-Jは現在、それぞれ三つの赤外線カメラ、マイクロフォン、心電図、風速計、温度計、ガイガーカウンター、分光計およびビデオカメラ1による厳重な監視、取り締まりの下、サイト-DE██の職員用トイレに設置されています。職員たちは、最悪の事態が発生した場合や、世界終焉のK-クラスシナリオや腸管性のインフルエンザなどの、他に取るべき選択肢がもはや存在しないような場合にのみ、それを用いて慎重に行動することが推奨されます。
説明: SCP-092-DE-Jは、突如として サイト-DE██の職員用トイレ27-Gamma/Bの指定の棚板上に姿を現した、トイレットペーパーの白いロールです。そのオブジェクトは一見すると完全に普通のトイレットペーパーのロールのように見えますが、職員によって早急に、それが白い三重のトイレットペーパーであることが発見されました。財団は予算削減のために単に一重で灰色のトイレットペーパーを使用しているため、この発見はおそらくオブジェクトの持つ、不完全なカメレオンのような擬装能力によるものです。
Dクラス職員による実験で、そのトイレットペーパーが柔らかく、快適な手触りであることが示されています。これは通常使用する場合の、ひどく擦れて不快なトイレットペーパーの性質とはまた別の、極端な相違です。これらの理論は、不完全な適応能力から、オブジェクトによる、財団職員に取り入ることでより簡単な侵入を可能にするという試みに至るまでをカバーしています。今日まで、これらの理論は反証されていないため事実と見なされなければなりません。また、これまでSCP-092-DE-Jが攻撃的になり、場合によっては積極的、活動的な行動を起こすことを阻止するための、SCP-092-DE-Jの細胞構造の研究は一切行われていません。
BSKFNKクラスの同化イベントを阻止するために、オブジェクトを使用したすべてのDクラス職員が、シャワーを浴び、汚染除去され、剃毛され、皮膚の最上層を除去され、精密検査（コロノスコープ2および直腸検診を含む）され、心理学的、精神病学的および精神分析的観察を17週間受けた後に、毎日半リットルの液状クラスE記憶処理剤ならびに、ミネラルウォーターで希釈された消毒剤で満たされたグラス一杯を供給されます。その後彼らは安全のためさらに、再び他のプロジェクトに動員される前に、カトリック枢機卿クリストフ・█████████によって悪魔祓いおよび/または割礼を受けることになります。
SCP-092-DE-Jは、特別収容プロトコルに記載されている監視方法に加えて、注意深い眼を持ったリック博士による規則的な観察が必要です。しかしリック博士が、SCP-092-DE-Jをテストしている男性Dクラス職員に「手を貸せ」と繰り返し行っていた提案は、これまで認められていませんでした。主にDクラス職員たち自身からではなく、彼の上司からもです。
これまで何名かの職員は、SCP-092-DE-Jを管理された諸条件の外で、そしてリック博士の目に付かないところで使用するために、SCP-092-DE-Jを盗もうと試みてきました。中でも正当化された理由としては、「他の紙だと私は既に4度も擦り傷を作ったんだぞ！」というものから「これはSCPなの？ 私はただそれを取っておきたいだけよ、だって女性トイレにもうトイレットペーパーがないんだもの」というものまで存在します。これらの声明と行動は、SCP-092-DE-Jが周辺地域の人々に心的影響を及ぼすという効果があることを示唆しているため、SCP-092-DE-Jの周辺60メートル以内にいる全ての職員は、完全な健康診断および3週間の心理学的評価を受けなければなりません。さらなる窃盗を阻止するために、SCP-092-DE-Jが設置されている職員用トイレは、機動部隊DE27-𝔏 ("トイレガードマン") によって絶え間なく監視されています。発砲許可証が発行されました。
リック博士の覚え書き, ████年██月██日
私は職員がSCP-092-DE-Jを窃盗するのを防ぐ方がはるかに簡単であることに気付いた。単にこの部屋にある全てのトイレットペーパーがケジラミだらけであるということを広めればいいのだ。だから私は、この輝かしい成功がシュヴァ……でのSCP-092-DE-Jの実験において、Dクラス職員に手を貸すという私の提案が完全に正当化されるには十分なものであることをO5にはっきりと分からせられるよう願っている！ああ、毎回Dクラス職員の一人がSCP-092-DE-Jを使用してどれかしらのSCPによって殺されるか私たちによって処刑される度に、いくつか新しいトイレットペーパーのシートがロールにきて、数秒間絶叫する。私たちはこんなことを続けるべきだろうか？
