鏡の実験4:色(黄)
Dクラス被験者を実験に用いるのは許可されなくなりました。以前の3つの実験で回収されたアイテムを解析した後、実験の焦点はデータを収集し、SCP-093によりアクセスできる世界の運命をより良く理解し、我々の現実世界に安全装置と対策が必要であるのかを探る目的へ移りました。護衛部隊█████の衣服についた茶色い流体の分析は、他の回収された物品とともに記録されました。
実験候補者の中から█████博士がこの実験の被験者になることを申し出ました。博士はSCP-093を新たな色に変化させる事ができました。█████博士に犯罪歴はなく精神的問題も抱えていません。鏡を通り過ぎると、風景は個人用オフィスに変わりました。
実験にあたり█████博士はワイヤレス・ビデオ・システムを使用し、滑車での帰還システムを控えることを選びました。博士は鏡の行き先が見せる建物の中には半身の生き物がいないため、安全である自信があると述べました。█████博士が鏡を通り抜けたあと映像が開始します。以前の実験と同様に、SCP-093はビデオ映像を黄色に染めます。
カメラが起動し、簡素な白色のオフィス内構成物を映す。およそ30は確認。入場地点から離れた突き当たりの場所に、スリガラスの壁とガラスドアの中に組み込まれたオフィスモジュールがある。█████はドアに接近し書かれた文章を調べる:'シニアマネージャー - Stanlee Milamitz'。扉は解錠されている。
█████博士はオフィスに入り、机を調査。コーヒーカップが机にあり、中は蒸発したのかダークブラウンの汚れが半分付いている。皿にはドーナッツが置いてあり、█████博士が壁に向かって投げると石のようにコツンといって落ちる。█████博士は部屋の隅にあるファイル・キャビネットに注目し、1つずつ棚を調べ、2番目の棚で止まりファイルを1つ取リ出すと、1番目に戻り2つのファイルを取り出す。3番目、4番目へと続き、彼は4つのファイルを加えるとそれらを机の上へ広げる。ファイルは青いファイリングフォルダであり、彼は指とカメラを祈りの手のシンボルに向け、カメラに向かって他はすべて黄色いフォルダだったと述べる。青いフォルダはフィールドキットにしまわれる。
カメラは机の上のログインされ動作しているPCを映し、█████博士はコンセントが見当たらずどこから電力が供給されているのかわからないとコメント。このPCのデスクトップには'Faithful OS'のロゴが描かれており、さらには音も鳴る。マウスのクリックは柔らかい聖歌のようなハミングが鳴り、またアイコンを開く時は天使のベルが流れる。PCからは何の有益な情報も得られないため、█████博士はPCを放置してオフィスを去る。
█████博士はオフィスの別の突き当りの向かい、エレベータのボタンを押し乗り込むと、34階にいることと建物の番号が変わった構造をしていることに気づく。キーパッドには-115から115まですべて表示されている。ボタンを押す前に█████博士はワイヤレス・ビデオ・トランスポンダをエレベータに運び、その元の場所に入場地点を示すコーンを置きたいと要求する。2つ目のトランスポンダ・ユニットがエレベータの外側に置かれる。博士に何か合った場合には、管制が2つ目のユニットを回収し、実験室を封鎖するように指示される。全ての準備が整った後、博士は-115階のボタンを押す。
エレベータは長く15分間掛けて下降する。この時カメラの映像が一度ぐいっと引っ張られると白くなり、映像がもどると14人の群衆がエレベータ内に映り、博士が動くと全員が博士のためのスペースを作るために動く。群衆が35秒間そのままいた後に再び映像が白くなり、復旧すると映像では█████博士が一人でしゃがんだり前後に揺れるように動いているのが映る。
█████博士は動きを止めると下から悪臭がすると報告。この時エレベータは-108階。█████博士は-110階を押して下降を中断し、到着するとフロアに入る。エレベータのドアが開くと、いくつかのPCと椅子がある囲まれた監視デッキにつながる。すべてのPCは電源が通っているようにみえる。デッキの天井はガラスで更に上にデッキがもう一つあるのが見える。█████博士はモニタリング・ステーションに近づき1台のPCの画面を調べる。
スクリーンにはFaithful OSのロゴがあり、映像は4つの異なる画面に映し出されている。1つ目の画面には 実験"紫"で見つけたような、チューブが数千ある部屋が映されている。2つ目の画面はカメラがチューブの前に移動して、中身を見るためにクローズアップされた映像。映像で見る限りではすべてのチューブは故障している。3つ目の画面は反対を向き、カメラは垂直に動き各監視デッキを映す。合計10箇所あり、カメラが█████博士のいるデッキを通り過ぎると博士が写る。見上げると、推進源が見えないカメラが浮かんでおり博士の上を通り過ぎる。4つ目の画面では監視デッキの下の階に、非常に大きな1体の半身の生き物が円を描くように這い、壁にぶつかると方向を変える様子が映されている。映像から生き物はおよそ6階建ての建物と同じ大きさだと見積もられる。
PCの内容に再び目を向け、█████博士はビデオ・ログの後ろに隠れているシンプルなテキストエディタを見つける。内容を印刷してフィールドキットのファイルに収める。文書には54階の金庫と、その鍵の番号が書かれている。█████博士は監視デッキから離れ何事も無く個人用オフィスである54階まで進む。博士は文書に言及されていた机へ進み、問題なく机に隠された金庫を発見する。書かれていた番号で金庫は開く。博士は中のノートをフィールドキットに収める。また███-███として戻された奇妙なリボルバーと24発の弾薬を発見する。
█████博士は何事も無くエレベータで34階まで戻る。非常に多くの調査可能なフロアがある中、監視デッキから不可欠な情報が得られたため、実験は完了したと見なされ機材が回収される。入場地点に入る前、█████博士は近くの電源の入った端末を調査し、それが-110階の映像と全く同じスクリーンを写していることを発見する。メモの作者が建物内のネットワークにウイルスを流し、ネットワーク内の全てのPCから情報を見られるようにしたのだと推測される。
Dr. █████は入場地点を通り過ぎ鏡は正常に戻る。回収したアイテムは以前SCP-093で回収したものと一緒にまとめられる。███-███とその弾薬の解析は、弾を分解する必要があり、それが今後のSCP-093の実験で役立つ可能性があるため延期される。映像は終了。