注意: あなたはこれから機密レベル3/096-DEのデータを検索しようとしています。このデータの検索はあなたの現在の場所で記録、注意そして報告されます。十分なセキュリティクリアランスなしにこのデータを検索することはあなたを即座に拘禁する理由になります。財団内のイントラネットに接続されていないコンピュータを使用しこのデータを検索することは、セキリュティクリアランスの有無にかかわらず、あなたを即座に解雇する理由になります。
資格証明書を送信してください。
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資格証明書が承諾されました。
アイテム番号: SCP-096-DE
オブジェクトクラス: Apollyon
特別収容プロトコル: SCP-096-DEは、財団が利用可能ないかなる方法でも収容することができません。一般大衆が、SCP-096-DEが引き起こした変換やその結果生じたことについて知っている可能性は非常に低いため、この点に関しては最低限の情報漏洩防止対策のみをとる必要があります。しかし財団職員に対する機密保持は、全職員間の規律を維持するためにも最優先事項です。この目的のために、SCP-096-DEを完全に知ることを許可されていない人物には、その本来の性質に目を向けさせないように、SCP-096-DEの名称が太陽系内の外観に変化している文書が提示されます。
変換が完了するまでに10年しか残っていない場合は、関係書類K-096-DEの提案を参照し、適切な避難を行わなければなりません。
説明: SCP-096-DEは、太陽系の第3惑星である地球を示しています。上記の文書で説明したように、SCP-096-DEは約45億年前に太陽系に出現し、惑星テイアと衝突しました。しかし上記の説明とは異なり、この現象が起こった理由については判明しています。それは、SCP-096-DE原子の空間的不安定化によって可能になりました。
SCP-096-DEを構成する全ての原子の約99,999999999998%のクォークの位置(以下、SCP-096-DE-1と呼称)は、特に不安定であり、それにより原子は数ピコ秒の間、原子が働く空間から散発的に分離することになります。この効果は質量が 12 * 1013 kg 未満のオブジェクト には作用しませんが、現在のモデルは、臨界質量を持つ完全に分離されたオブジェクトが、現時点で理解されている初歩的な連鎖反応によって、その位置を変えてランダムな位置にテレポートすることができることを示唆しています。しかし、オブジェクトがSCP-096-DE-1のモデル上で空間的に不安定化されていない原子と接触している限り、それは中和効果によって、現在の位置に「固定」されます。
財団はSCP-045-DE文書に記載された原始地球の物質化現象を調査した際に、SCP-096-DE-1を発見しました。精密に較正されたロス検出器を用いた測定では、調査された全ての物質が自身から微弱な時空の揺らぎを発生させていることが分かりました。財団がSCP-096-DEの時空の揺らぎが当初の想定よりもはるかに弱い領域に遭遇するまで、これは単なるバックグラウンドノイズであると考えられていました。この問題の調査中にSCP-096-DE-1が発見され、それを形成しているオブジェクトとともに分類されることになったのです。時空間の揺らぎの強度から、SCP-096-DEの影響を受ける質量分率がどの程度の大きさであるかを決定することが可能になりました。SCP-096-DEの通常の質量の大部分は、テイアとの衝突によるものと推定されています。
SCP-096-DEは現在、その通常の質量の 2 * 10-12 % でその位置に固定されています。しかし、中和されたテレポートの度に、追加の原子がSCP-096-DE-1に変換されることになります。計算によると██年以内には、定常速度でのテレポートによる中和効果によって、SCP-096-DEを構成する全ての原子はSCP-096-DE-1に変換されることになります。このプロセスを中止する方法は未知であり、また開発されたこともありません。SCP-096-DEを所定の位置に固定するために、複数の FTCユニットを使用する提案がなされていますが、満足のいく結果を得るためには、それぞれ最小でも 4000 km x 2000 km x 1500 km の大きさで、最低でも約 9 * 1015 kg の質量を持った、少なくとも4つのユニットが製造されなくてはなりません。他の地点から通常の物質を地球へ持ち込むという提案についても同様に実行できません。なぜなら、変換の相殺のためだけでも1日当たり約 2,7 * 108 kg の物質が必要になるからです。
テレポーテーションのプロセスが今後継続され続けるかは不明です。それとは関わりなく、このWK級惑星転移の発生に伴う、SCP-096-DE上の人類もしくは他の生命体の存続はほとんど不可能です。というのも、SCP-096-DEが生命を支えることが可能な場所に、継続的に出現する可能性が非常に低いためです。緊急対策および避難対策は既に完了しています(関係書類K-096-DEを参照)。現在、財団がアクセス可能な他の宇宙への避難も検討されています。しかし、人類も大部分がSCP-096-DE-1で構成されているため、他の現実の地球との接触もその地球をSCP-096-DEの例へと変換することになります。これは、変換プロセスの長さのために許容できるリスクと見なされます。
096-DE-1の補遺: いくつかの月面基地が、月の原子もSCP-096-DE-1に変換されていることを、測定の結果発見しました。推定によると、このプロセスは██年以内に完了する予定です。