SCP-096-JP
評価: +373+x

アイテム番号: SCP-096-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-096-JPを含む文書は一種につき一部のみを保管し、その他は焼却処分してください。 SCP-096-JPが原因と思われる事件が発生した際は機動部隊あ-4"黒板係"が回収に向かいます。事件関係者にはクラスB記憶処理を施してください。SCP-096-JPの影響を受けた民間人の扱いについては文書096-05を参照してください。

説明: SCP-096-JPは認識能力に影響を与える文字です。SCP-096-JPは既知の漢字によく似た形状を持ち、現在までに6例が確認されています。SCP-096-JPに似た文字をそれぞれSCP-096-JP-aとします。多くの場合SCP-096-JPはSCP-096-JP-aの書き間違いとして現れます。

SCP-096-JPは被験者がその全体像を認識することでその効果を現します。認識した時点で被験者はゲシュタルト崩壊を起こし、SCP-096-JPがどのような文字であったのか認識できなくなります。この効果は他の文字にも及び、影響を受けるとすぐに多くの文字を"不安定"であると感じるようになり、およそ█時間で全ての文字が認識できなくなります。この効果は文字のみに作用し、文字以外の図形の認識や口頭でのコミュニケーションには影響がありません。一例をあげると、被験者は縦線を引くことができますが、数字の1を書くように言われた場合は混乱を示し筆を止めます。

実験記録096-JP-1-1:

SCP-096-JP-1が含まれる文章からのSCP-096-JP-1の特定を目的とする。

<録音開始>

███博士: では、紙をずらしながら漢字の部首を一つずつ読み上げてください。

D-1382: はぁ……えーと、にんべん……なんて呼べばいいんだこれ?なあ先生、僕のつくりって

███博士: わかるように伝えてくれれば結構です。

D-1382: ああ、どうも。僕、ら、の、…学、木へん、交わる、[削除済]へん……

███博士: どうしました?

D-1382: いや、えー……あれ?おかしいな、知ってる文字だと思うんだけど……

███博士: わかりました。ありがとうございます。

<録音終了>

実験から█時間後、D-1382は文字認識能力を失いました。

実験記録096-JP-1-2:

先の実験で特異な性質の見られなかった偏を隠しSCP-096-JP-1とSCP-096-JP-1-aとの差異の特定を目的とする。

<録音開始>

██博士: 紙を少しずらして部首の構造を説明してください。

D-1399: はいはい……これは[削除済]だな。

██博士: それだけですか?

D-1399: ん?ああ、言われてみると少し間違ってるな。上の点が一つ多いわ。

[10秒間沈黙]

D-1399: おい、聞こえてるのか?

██博士: 失礼、実験を中止します。

<録音終了>

この事故によりSCP-096-JPの性質が明らかになり、実験から█時間後██博士は文字認識能力を失いました。クラスA記憶処理を試みましたが効果は得られませんでした。

██博士はSCP-096-JP-1の偏を知らなかったが"つい思い浮かべてしまった"らしい。SCP-096-JPの文字構造に関する調査は禁止する。-███博士

補遺:
19██年と19██年の常用漢字の改定によりSCP-096-JP-1~5-aが使用される可能性は激減しました。SCP-096-JP-6-aは極めて使用頻度の高い文字であるため常用漢字からの削除が難航しています。しかしSCP-096-JP-6-aの使用頻度に対してSCP-096-JP-6の発生報告が極めて少ないためSCP-096-JP-6はSCP-096-JP-6-aとの構造的差異が大きいと思われます。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。