アイテム番号: SCP-099-KO-EX
オブジェクトクラス: Explained Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-099-KO-EXはサイト-██特殊保管所に収容します。SCP-099-KO-EXに対する全てのアクセス権限は、セキュリティクリアランスレベル4の承認を行った職員にのみ許容されます。担当研究チームに新規人材を補充することが建議された時には、サイト監督官監修のサイト██指揮統制室会議を経て、最終的にO5議員1人以上の承認を受けなければなりません。
SCP-099-KO-EXの異常性によって生成、変形、消滅、影響を受けた全てのオブジェクトは、財団の監視と定期的な検査を受けなければなりません。対象と接触した民間人を確保してCクラス記憶処理を実施し、財団内で対象を扱う全ての書類を定期的に確認して対象のメカニズムを説明する全ての叙述を検閲します。
メモ: 作動メカニズムが解明されたことと、この物体を保護することはそれぞれ異なる問題と判断されています。他の指示があるまで、現行の収容プロトコルをそのまま維持するようにします。- Jansen研究員
2013年██月██日、SCP-099-KO-EXが無効化されたことが最終的に確認された。事件099-KO-EX-A4報告書を参照。
説明: SCP-099-KO-EXは横、縦、高さがそれぞれ19 cm × 11 cm × 9 cmである直方体の木製オルゴールです。上部カバーは金色の鉄製蝶番で下段部本体と連結されており、木材を浮き彫りした少女の姿が彫刻されています。下部本体の底には18世紀初期西ヨーロッパの筆跡で"どうかこのプレゼントを受け取って喜んで、Beatrice"というイタリア語が書かれています。このBeatriceはこの"プレゼント"を受け取った当事者の名前という説が有力です。
SCP-099-KO-EXの上部カバーを開けば、一般的なオルゴールと同様にあらかじめ備えられている針と音階板が作動しながら音楽が演奏されます。この音楽は1分10秒の演奏時間を持つ二部形式である2声部の短いメヌエット曲であり、18世紀初期に広く流行していた曲調そのものですが、財団に知られていない作曲家のものです。音楽そのものには何の異常性も存在せず、録音された音源が財団視聴覚資料の保管所に保存されています。
問題なのはSCP-099-KO-EX内部部品の異常性であり、一度上部カバーが開かれて音楽が再生されると、SCP-099-KO-EXは非常に多様な肖像能力と異常性を見せます。財団に初めて確保された当時、確認された異常性は計33種類でしたが、担当研究チームが構成されると共に8種類へ急激に減少しました。対象に関連した文書を調査した結果、最初は約250種類を超える異常性があり、代表的なものに意思疎通能力と気象調節能力、他人の感情を操作する能力、無から有を創造するなどの相互作用能力が含まれていたと記録されています。しかし、これらの情報はいくつかの文書で確認された情報であり、実際の交差検証では失敗に終わりました。
誰でも一度SCP-099-KO-EX内部部品の構成と設計を見れば、何故このような大規模で多様な異常性を発現することが出来るのかすぐに理解出来るよう作られています。最初に該当SCPの研究を担当していたMcIntyre物理学教授は"これまでどうしてこんな簡単な応用をしなかったのか自分が恥ずかしくて狂いそうだ"と発言しており、Christopher機械工学教授は"考えを少しだけ変えれば、21世紀初期の現代科学でいくらでも説明可能である。 この小さな木箱が天気を変えたり、使用者と対話するのは決して奇跡でも異常性でもない"と話しました。その他の一緒に研究していた職員も、対象の異常性は対象内部の平凡な部品の些細なメカニズムによって十分説明出来ると主張しました。█月█日、O5を対象にした公聴会で最終的に異常性がないことが認められたことによって対象はExplainedに再分類されました。
SCP-099-KO-EXの具体的な内部構成は、次の通りです。 [データ削除済]
この異常性は内部のメカニズムを理解する人間が一人ずつ増えるたびに一つずつ減る特性があり、収容に極度の困難を極めます。しかし、何故このような問題が発生するかもそのメカニズムを通じて十分に説明することができ、予測することが出来ます。██月██日、すなわち099-KO-EX-A4事件が発生する1日前に定期報告された異常性はわずか3種類であり、異常性が全て消えた場合、財団研究者が提案した"ミュージックボックス理論"に基づいて対象自体が完全に消滅し、対象に影響された全て物体と記憶も同時になくなるものと予想されています。
2013年██月██日、099-KO-EX-A4事件によって収容失敗が発生、全ての異常性が消失しました。理論で予測した通り、財団内でSCP-099-KO-EXと相互作用した全ての物体が対象と共に消失しました。したがって、対象の内部構造を説明した情報も現在の財団には存在しません。
補遺:
099-KO-EX-Report #06 : McIntyre物理学教授の報告書
(前略) SCP-099-KO-EXを構成している全ての概念と構造とメカニズムは既に我々の理解の範囲内にありました。私はむしろこれまでどうして古今の専門家や技術者がこのように単純で簡単なアイデアを考案しなかったのか疑問が湧きます。我々は一言で言えば、全てワラジムシのような馬鹿でした。我々の手に鍵があったにも関わらず、ドアを開けることが出来なかったのです。今、人類は革新を迎えるでしょう。SCP-099-KO-EXに適用された技術に沿って、我々も同様に共用スマートフォンで天気を調節して、体内に移植した小さなチップを通じて空を飛ぶことができ、人類が当面の食糧問題を完壁に解決することが出来るでしょう。今、新しい時代がやって来ました。
メモ: 以降に添付された資料はSCP-099-KO-EXの内部構造について詳細に書かれた設計図であり、2014年に大量生産や複製を目指して準備中だったが、この資料はSCP-099-KO-EXが無力化されると共に財団全ての貯蔵庫で完全に消滅した。McIntyre教授も対象のメカニズムに関する全ての記憶を喪失した。 - O5-█
099-KO-EX-Report #23 : キュレーターRonchelleの報告書
(前略) したがって、最初にイタリアで製作されたSCP-099-KO-EXは何らかの理由でフランスに渡り、アフリカのフランス領植民地[編集済]や[編集済]などを移動したことが確認されています。これらの村で、対象は現地住民からまるで神のような崇拝を受けていたことが分かっています。現地に派遣された調査チームの報告によると、文書で証言するぐらいではないが、二ヵ所の村でこれと類似した証言を確保しており、録音した後に全ての住民にBクラス記録処理を実施したとのことです。当時、対象は意思疎通能力を持っていたものと考えられています。世界大戦当時、対象は再びイタリアに戻り、その後は財団で知っている通りです。
099-KO-EX-A4事件報告書の一部
2013年██月██日、インターネット上に下記のニュース記事が掲載されて収容失敗が発生し、22時46分頃にSCP-099-KO-EXは最終的に全ての異常性を喪失しました。財団の研究員が提示した理論と同様に、対象は直ちに分子レベルで完全に消滅し、対象と相互作用した全ての物体と対象の内部メカニズムを扱う全ての文書、記憶が直ちに消滅しました。該当記事もメカニズムに関する一切の記述が消失しました。理論で予測出来なかったのは、物体と文書が消滅する瞬間に[編集済]に該当する閃光が発生したことです。
"世界を変えるオルゴール?" 驚くべきオルゴールの能力、インターネットで話題。
記事作成日 2013.██.██. 22:45
[写真資料、データ削除済]1700年代にイタリアで作られたオルゴールがネチズン1の間で話題となっている。
最近、あるオンラインコミュニティ掲示板にてある特別なオルゴールの話がネチズンにより掲載された。ハンドルネーム"sw19classic"によると、このオルゴールは天気や他人の考えを変え、意思疎通も可能であり、一時アフリカで神とまで崇められたりもしたという。しかし、その原理を知っている人が多くなるほど徐々に力を失うことになり、ついには完全に世界から消えるという特性があるという。現在は世界の超自然的な存在を確保、収容、保護する秘密組織"SCP財団"によって管理されているという。
このオルゴールは一見すると超自然的であるように見えるが、その内部構成が[原文消失]ということから、現代科学で説明が可能な水準だという。当該財団所属の物理学教授マッキンタイヤー氏は本紙のインタビューで"これまでどうしてこんな簡単な応用をしなかったのか自分が恥ずかしくて狂いそうだ"と明らかにした。匿名を希望した財団関係者は彼が次期ノーベル物理学賞受賞者有力候補に挙がっていると耳打ちした。
これに対して該当掲示板および様々なコミュニティのネチズンは、"SCP財団は実在するのか"、"そんなオルゴールが本当にあれば良い"、"やはり大自然の神秘はいつも驚くばかり"などの反応を示した。
[編集済]記者
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コメント: 現在、当該ウェブページは財団が封鎖してこのニュースサイトの履歴に関する全方位的な調査を進めている。このような歪曲され、誇張されて脹らまされたSCP機密暴露は財団の前例になく、深刻な脅威として作用する。現在、O5評議会はこの問題について相当の注意を払っている。 - O5-█
メモ: ここで明らかにしますが、私はあのマスコミのインタビューを受けたこともありませんし、引用を許可したこともありません。 - McIntyre教授