アイテム番号: SCP-100000-J
オブジェクトクラス: Keter Keterer Keterest
特別収容プロトコル: SCP-100000-Jの収容手順は以下の通りです。まず、SCP-100000-Jを培養用のペトリ皿に入れ、これを鉛の内張りを施したチタン製の収容棺1に納めたのち、収容棺の中を酸で満たします。次に収容棺の蓋を密閉し、これを以下に示す聖典・経典類各50部ずつとともに、より大型の二次収容棺に納めます。
- 聖書
- コーラン
- モーセ五書
- 老子道徳経
- モルモン書
- バガヴァッド・ギーター
- アントン・ラヴェイ著『サタンの聖書』
- ネクロノミコン
- リチャード・ドーキンス著『神は妄想である』
その後二次収容棺の蓋を密閉し、その周囲に4基のスピーカーを設置します。このスピーカーは、O5評議会議員による音声通信をリアルタイムで受信・再生するためのものです。通信を担当する評議会議員は、SCP-100000-Jがいかに恐ろしく、真実の愛から遠くかけ離れた忌まわしい存在であるか、そして人類を滅亡の危機から守るための封印がいかに強固であるかを、スピーカー越しに語り続けてください(24時間体制で、常時最低2名が通信を行っている必要があります)。
次に、これら全ての設備をより大型の三次収容棺に納めて蓋を密閉します。続いて、地下5kmの深さまで掘削した穴の底に三次収容棺を安置し、聖人の遺骨をすりつぶした粉末とコンクリートを混ぜ合わせたものを流し込むことによって、穴を完全に埋め立てます。
この埋設地点の直上の地表を中心とした半径100kmの範囲を、エリア100000-Jと呼称します。エリア100000-Jの周辺には放射化処理を施したフェンスを張り巡らせ、フェンスの表面には常時電流を流し、要所には.900口径レールガン搭載型のオートタレットを設置してください。フェンスのゲートには、重量300kg・全長5mのバトルアクスで武装した、体重500kg・身長3mのオーガ1体を警備要員として配置します。任務の性質上、このオーガは聴覚を完全に遮断されていなければならないため、必要であれば外科的処置を施してください。エリア100000-Jに立ち入ろうとする者は、オーガが出題する三つの謎かけに正しく答えなければなりません。いずれの謎かけの内容も、絶対に答えられないほど難しく、また聴いた者の精神に致命的な認識災害を引き起こす性質を有するものとしてください。
O5評議会関係者以外の財団職員、または民間人、動物、植物、微生物などがエリア100000-Jに侵入した場合は、特別終了プロトコル30〈Übertöten〉による終了処分が行われます。
特別終了プロトコル30〈Übertöten〉の実施手順は以下の通りです。
- 処分対象を焼却する。
- 焼却後に残った灰を再度焼却する。
- 焼却に用いた焼却炉を焼却する。
- 再焼却した灰を漂白剤に5時間漬ける。
- 灰と漂白剤が混合した溶液に、50krad相当のガンマ線を照射する。
- ガンマ線照射後の溶液を密閉型カプセルに封入する。
- 溶液封入済みのカプセルをコンクリート詰めにする。
- コンクリートブロックの表面に、子羊の血を用いて主祷文(ラテン語訳版)を書き記す。
- コンクリートブロックは一時保管しておき、毎月2回、財団製の航宙機に積載して太陽へ射出する。
- 毎月4回、O5評議会の全議員が集まり、太陽に向かって怒りを込めて中指を立てる仕草をする。
万一SCP-100000-Jの収容違反が発生した場合は、O5評議会の所有する全7基の超大質量ブラックホール発生装置が起動します。これは必然的にXKクラスシナリオを発生させることとなりますが、仮にこの手段が取られなければ、SCP-100000-Jによって█Kクラスシナリオ〈舞い踊る一千の[データ削除済]〉が引き起こされることは確実であると考えられています。
SCP-100000-Jに関する全ての情報は、レベル4以上の財団職員でなければアクセスすることはできません。したがって、本文書の作成者は後ほど終了あれちょっと待てよということはうわなんだお前らなにをするやめ
説明: SCP-100000-Jは、自意識と知能を有する非常に危険なバクテリア2です。人間の魂と夢と感情を餌として増殖し、何があろうと決して死ぬことはありません。SCP-100000-Jが食らおうとしないものは、悲しみと恐怖、そして幼子の心の中に住む空想上の友のみなのです。SCP-100000-Jの培養実験においては、破れた夢と打ち砕かれた希望を培養基とすることで極めて大きな効果が得られることが確認されています。
SCP-100000-Jは無性生殖で増殖し、1ナノ秒ごとに50平方kmという速度で感染範囲を広げることが可能です。SCP-100000-Jに感染した生物は、まず死亡し、次に生き返り、[データ削除済]、再び死亡し、最後に爆発します。
SCP-100000-Jは独自の言語を話す能力を持っていますが、この言語で使用される言葉は全て、極めて強力な認識災害を引き起こす性質を有しています。さらに別の特徴として、この言語には英語における「please」「thank you」「I'm sorry」に相当する語彙が一切存在しません。また、SCP-100000-Jはエリア100000-Jのサイトディレクターの母親を侮辱する発言を行ったことがありますが、その直後に同サイトディレクターの母親は死亡し、次に生き返り、[データ削除済]、再び死亡し、最後に爆発しました。
補遺1 - 10/2/14: エリア100000-Jに4000発の非常用核弾頭を配備する案は、有効性に疑問がある上にコストも大きいとして採用が見送られました。しかしながら、3900発の非常用核弾頭を配備する案は必要性が高いと認められたため、慎重に検討が続けられています。