アイテム番号: SCP-1005-JP
オブジェクトクラス: Safe
左より順に1番、2番、3番レバー。3番レバーは動作中。
上部にタグが見える。強化ガラスで覆う作業中に撮影された。
特別収容プロトコル: SCP-1005-JPの3番、11番、13番、17番のレバーを強化ガラスで覆い、操作不能にした状態で、危険物保管ロッカー内に収容してください。この強化ガラスは取り外さないでください。SCP-1005-JPの実験を行う場合、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員の許可を得て、 研究主任を同席させてください。
研究主任の許可のない限り、実験において操作されたレバーは3時間以内に元に戻してください。
実験の過程で生成されたSCP-1005-JP-a、およびSCP-1005-JP-bはすべて金属製容器に密閉し、保存してください。
実験、運搬などでSCP-1005-JP、あるいはSCP-1005-JP-aに触れる場合、除染作業用の防護服を着用してください。使用後の防護服は操作したレバーを戻すまで、全て金属製容器に密閉し保存してください。
説明: SCP-1005-JPは縦0.4m、横1.5m、高さ2.0mの詳細不明の金属で作られた、中央部分に窪みのある工業機械に似たオブジェクトです。窪みのある前面には合計17個のレバーが取り付けられており、3番、11番、13番、17番レバーは発見時すでに動作状態になっていました。各レバーの上部には縦3cm、横15cmのタグが設置されています。
上記4つのレバーの上部には古い日本語が書かれています。字体、塗料、劣化状況から江戸時代前期に書かれたものと考えられています。タグに書かれた文字は以下の通りです。
3番: 米
11番: 小麦
13番: 大豆
17番: 大根
オブジェクト中央部分の窪みには常にこの4品が入っています。
SCP-1005-JPはタグに農作物の名前を記入し、レバーを上部に動かすことで動作状態となります。動作状態となったSCP-1005-JPはその中央部分の窪みに、タグに名前を記入された農作物:SCP-1005-JP-aを生成します。SCP-1005-JP-aを中央の窪みから取り出すと新たなSCP-1005-JP-aを生成します。SCP-1005-JP-aは種子、苗木、果実など季節気候に合わせて生育に最適な形で出現します。SCP-1005-JP-aは正常な同種の農作物と見分けがつけられません。
レバーを下部に動かすことでSCP-1005-JP-aは消失します。この消失はSCP-1005-JPとの距離や、SCP-1005-JP-aの状態とはかかわりなく発生します。
SCP-1005-JP-aに防護服を着用せず接触した生物を、SCP-1005-JP-bとして扱います。
補遺1
実験記録A-5ログ[SCP-1005-JP-a-5]<実施日:1991年█月13日>
実施手順: タグに「さつまいも」をローマ字で記入。その後2番レバーを動作させる。薩摩芋:SCP-1005-JP-a-5が出現した場合、 ████助手が、ガラス容器に限界までSCP-1005-JP-a-5を入れて密閉する。また、D-1328にSCP-1005-JP-a-5を一つ食べさせる。その後レバーを戻す。
結果: SCP-1005-JP-a-5は種イモに近い形状で生成され、ガラス容器に計38個のSCP-1005-JP-a-5を問題なく収めることができた。レバーを戻すとSCP-1005-JP-a-5はすべて消失。D-1328はSCP-1005-JP-a-5一つ分の体重が増減した。████助手に変化は見られなかった。
分析: タグに記載される文字は言語を問わないようである。また、生成されるSCP-1005-JP-aの個数に制限はないものと思われる。
補遺2
以下の記録はSCP-1005-JPの性質を解析する上で特に重要だと考えられています。
閲覧の際にはセキュリティクリアランスを提示してください。
事件記録B[SCP-1005-JP-a-18]<1991年5月10日>
概要
SCP-1005-JP-aの生成・消失と時間経過の関係を確かめる実験を行っていた最中、SCP-1005-JP-a-18を生成して32時間48分経過時点でレバーを戻したところ、████助手が消失した。
監視カメラの映像から████助手は身に着けていた白衣を残し、SCP-1005-JP-a-18と同時に消失していたことが確認された。現在████助手の行方は不明。
████助手は実験の経過を観察するため、約19時間SCP-1005-JP-a-18と同室に留まっており、実験室やその付近で食事・睡眠をとっていた。
事件後の措置
████ ██博士の提言により、SCP-1005-JP-aへ直接接触を防止するため、職員に防護服の着用が義務づけられました。また、この性質の解析のための実験が提案、受理されました。
実験記録B-5ログ[ SCP-1005-JP-a-31]<実施日:1992年█月9日>
実施手順: 6枚のタグに「桃」を漢字で記入。その後4番、5番、6番、7番、8番、9番レバーを動作させる。6つの桃:SCP-1005-JP-a-31が出現した場合、D-1339にSCP-1005-JP-a-31を食べさせ、それぞれ1時間、3時間、5時間、7時間、9時間、11時間経過時点でレバーを一つずつ戻しSCP-1005-JP-a-31を消失させて観察する。
結果: 1時間、3時間、5時間経過時点では異常は見られなかった。7時間経過時点でレバーを下した瞬間、D-1339は消失。衣類のみが残った。
分析: いやな予感がする。SCP-1005-JP-aを食べて吸収することで、SCP-1005-JPは食した生物をSCP-1005-JP-aの一部であるとして処理しているのではないだろうか。さらに検証を行う。
実験記録B-13ログ[SCP-1005-JP-a-39]<実施日:1992年█月29日>
実施手順: タグに「小麦」を漢字で記入。その後4番レバーを動作させる。小麦:SCP-1005-JP-a-39が出現した場合、まず、イナゴにSCP-1005-JP-a-39を齧らせる。9時間後イナゴを解体し、それを牛、豚、鶏に餌に混入させて食べさせる。そこから12時間経過した時点で、それらを防護服を着たDクラス職員に通常の方法で調理させ、D-1350に食べさせる。9時間経過したのちレバーを戻す。
結果: D-1350は消失。また、D-1350の食した牛、豚、鶏は、調理の過程で発生した血糊も含めて同時に消失。調理中に汁物の味見をさせたDクラス職員1名も消失した。
分析: SCP-1005-JP-aを食し、吸収したものは、それが視認できないほど微量であってもSCP-1005-JP-aの性質が伝播すると推測される。
措置: SCP-1005-JP-aに触れ、その一部でも体内に取り込んだ恐れのある生物はSCP-1005-JP-bに指定して、隔離を行うものとする。
実験記録B-15ログ[SCP-1005-JP-a-41]<実施日:1993年█月2日>
実施手順: タグに「トウモロコシ」を片仮名で記入。その後4番レバーを動作させる。トウモロコシ:SCP-1005-JP-a-41が出現した場合、それを鶏に通常の餌に混入させて食べさせる。そこから12時間以上経過した後、鶏を解体し、それを他の新たな鶏の餌に混入させて食べさせる。以降、同様の作業を21回繰り返す。最後の個体を通常の方法で調理し、D-1353に食べさせる。9時間経過したのちレバーを戻す。
結果: D-1353は消失。実験で使用した鶏は、その糞や血糊なども消失した。
分析: SCP-1005-JP-aの性質は"世代"や時間経過などでは減衰・消滅はしないと予想される。
追記: 実験の過程で数匹のSCP-1005-JP-b-41の雛が生まれたが、すべて消失した。
実験記録B系列について████ ██博士のメモより
16██年にSCP-1005-JPを起動し████㎡での稲作を行ったと仮定した場合、現在SCP-1005-JPの影響下にあると予想される生物の割合は[データ削除]
補遺3
SCP-1005-JPは秋田県███市の集落跡で発見されました。███市の集落はかつて名のある米所として知られていましたが、現在は無人となっています。
ページリビジョン: 15, 最終更新: 29 Jul 2024 00:05