アイテム番号: SCP-1025-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1025-JP-1に該当する空域を飛行禁止空域に指定し、航空機の侵入を防いでください。また、SCP-1025-JP-1に該当する海域についても進入禁止海域に指定することによって人間が搭乗している船舶が進入するのを防いでください。現在SCP-1025-JP-1に該当する空域及び海域は、常に財団が保有する2隻の監視船及び「SCPS りゅうかく」によって監視されます。また、過去にSCP-1025-JP-1に該当していた空域及び海域についても常に1隻の監視船によって監視されます。この監視は、SCP-1025-JP-1の範囲外で行われなければなりません。SCP-1025-JPの状態は定期的に財団保有のROV1によって確認し、異常の発生が確認された場合は記録を行った上で愛媛県伊予市の特務監視施設に報告してください。
-2014年8月9日 追記-
今後SCP-1025-JP-2の発艦が確認された場合は、即座に特務監視施設への報告を行った上で、可能な限りSCP-1025-JP-2の確保を試みてください。確保が不可能であるか、SCP-1025-JP-2が財団保有の船艇や一般市民への攻撃など敵対的な行動をとった場合は可及的速やかにSCP-1025-JP-2を撃墜、鎮圧してください。SCP-1025-JP-2を目撃したと考えられる一般市民に対してはクラスA記憶処理を行い、上記現象の発生を隠匿してください。
説明: SCP-1025-JPは、伊予灘の海底に存在する4つの異常存在の総称です。発生が確認された順にSCP-1025-JP-A、SCP-1025-JP-B、SCP-1025-JP-C、SCP-1025-JP-Dまで名前がつけられており、それぞれ大日本帝国海軍が太平洋戦争当時運用していた航空母艦に酷似しています。いずれについても緑色を基調とした特徴的な迷彩が施されていることから、1944年10月当時の状態を維持していると見られ、発生から現在に至るまでSCP-1025-JPの損傷や腐食は確認されていません。
SCP-1025-JPは、自身を中心とした半径1.5km、高さ██kmの円柱状の範囲(以下、SCP-1025-JP-1と呼称)を発生させます。SCP-1025-JPは、SCP-1025-JP-1の範囲内に存在する航空機とそれに準ずるオブジェクトを自身の格納庫内に転送します。転送された航空機はSCP-1025-JP-2となり、その形状は「零式艦上戦闘機2」など、太平洋戦争当時大日本帝国海軍が運用していた航空機に変異された状態で保管されます。
上記の現象の内転送現象と保管現象は、SCP-1025-JP-1内に侵入した人間に対しても発生します。転送された人間はSCP-1025-JP-3となり、一般的に「気をつけ」と呼ばれる姿勢を維持した状態で格納庫内に保管されています。転送現象によってSCP-1025-JP内に保管されたSCP-1025-JP-3の服装、髪型などは転送が発生した時のままです。
SCP-1025-JP-4は、SCP-1025-JPの格納庫内に保管されている人型オブジェクトです。SCP-1025-JP-3との違いは、SCP-1025-JP各個体がそれぞれ発生した当初から保管されていることと、大日本帝国海軍の軍装等を着用していること、「気をつけ」の姿勢ではなく敬礼または万歳の体勢を維持していることにあります。SCP-1025-JP-4の数はSCP-1025-JPの各個体ごとに差があり、最大はSCP-1025-JP-Dの2██体です。SCP-1025-JP-3及びSCP-1025-JP-4の生命活動が続いているかどうかは不明です。
SCP-1025-JP-2、SCP-1025-JP-3、SCP-1025-JP-4については、発生または転送から現在に至るまで一切の損傷、腐食を見せていません。SCP-1025-JP-2、SCP-1025-JP-3、SCP-1025-JP-4を格納庫内から出す試みは全て失敗に終わっています。
SCP-1025-JPは、SCP-1025-JP-2を生産する場合があります。生産現象はおよそ█ヶ月ごとに一度発生するものである他、生産される機体数は最高で1█機です。この生産現象が発生した際、生産されたSCP-1025-JP-2と同数のSCP-1025-JP-3またはSCP-1025-JP-4の消失が確認されていることから、生産されたSCP-1025-JP-2の素材はSCP-1025-JP-3とSCP-1025-JP-4であると推測されます。なお、SCP-1025-JP-3よりもSCP-1025-JP-4の方が多く使用される傾向が認められています。SCP-1025-JPがどういった手段でこの変異を発生させているかは不明です。この生産現象を止めるための試みは全て失敗に終わりました。
SCP-1025-JPは、自身の格納庫内に存在する航空機の数が自身に酷似した航空母艦の最大搭載数に達した際に非活性状態に入り、それから3~6ヶ月後に新たなSCP-1025-JP個体が発生します。新たなSCP-1025-JP個体は、非活性状態に入ったSCP-1025-JP個体が発生させていたSCP-1025-JP-1の範囲外に出現します。
現在SCP-1025-JP-A、B、Cは非活性状態にあり、異常性を発揮しているのはSCP-1025-JP-Dのみです。これまでのSCP-1025-JPの収容経緯及び発生した事象については、以下の記録1025-JP-A~Dを参照してください。
補遺:2013年10月25日、SCP-1025-JP-1の監視を行っていた監視船の一隻が、SCP-1025-JP-Dから発生していると思われる電波を受信しました。以下はその録音記録です。
発信源:SCP-1025-JP-D
対応者: ██研究員
付記: 監視船の機械室には██研究員の他に3名の補助員がおり、3名ともこの電波の受信を確認していた。
<録音開始>
SCP-1025-JP-D: 馬鹿野郎!俺たちを見殺しにするのか!
██研究員: 落ち着いてください。我々はあなた方を見殺しにするつもりはありません。
SCP-1025-JP-D: [削除済]!これが長官のやることか!
██研究員: 繰り返します。我々はあなた方を見殺しにはしません。それに私は[削除済み]ではありませんし長官でもないです。何が起こっているのか、説明していただけませんか?
SCP-1025-JP-D: 知らないところで俺たちを…俺たちの██を囮なんかに使いやがって!
SCP-1025-JP-D: お前に帝国海軍としての誇りはないのか!
(██研究員が通信を試みるも全く応答がなく、罵声が飛び交う。数分後、突然のサイレンと共に罵声が止む。)
██研究員: どうしました?
SCP-1025-JP-D: どんなことがあっても、軍艦██とこの機動部隊を守るぞ!
SCP-1025-JP-D:(大きな歓声)
<録音終了>
終了報告書: 大きな歓声の後に電波の受信が途絶え、その後この電波の受信が全くできなくなりました。██研究員は、この電波は通信を求めるものではなくラジオのようなものであると断定、補助員と相談し急遽ROVを用いた特別調査を行うことを決めました。特別調査は、SCP-1025-JP-D内にSCP-1025-JP-3及びSCP-1025-JP-4以外の人間がいるかどうかを確認するべく行われました。しかし、SCP-1025-JP-DにSCP-1025-JP-3、SCP-1025-JP-4以外の人間は確認されませんでした。SCP-1025-JP-3やSCP-1025-JP-4が喋った、または動いた形跡も認められず、この電波の原因は不明のままです。1944年当時の帝国海軍の状況、SCP-1025-JPが持つ特性と、SCP-1025-JPの数と特徴がかつてあったエンガノ岬沖海戦3において囮として編成された空母と一致していること、そしてこの受信された電波の内容…嫌な予感がしてならないのは、私だけでしょうか。 -██博士
事件記録1025-JP
2014年10月██日、██研究員とエージェント・██の報告を受けた██博士によってSCP-1025-JPのKeterクラスへの再分類が提案されましたが、却下されています。しかし事件記録1025-JPの存在から、特別収容プロトコルの更なる改訂が行われ、SCP-1025-JP-1の監視に「SCPS りゅうかく」を組み込むことが承認されました。また、SCP-1025-JP-A、SCP-1025-JP-B、SCP-1025-JP-Cが非活性状態にあっただけであるという事実の判明により、過去SCP-1025-JP-1に該当していた空域及び海域についても監視船による監視が行われることが決定されました。