アイテム番号: SCP-1030
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1030-1は7メートルx5メートルの保管セルに映像監視及び1名の警備員の配置を伴って保管されます。SCP-1030-1が『快適さ』および『苦痛』を経験することができると見られるため、最小限度の家具の取り付けが許可されます。セル内には壁に組み込まれたワードプロセッサ端末を除いて、有形物は配置されません。SCP-1030-1は自己修復のための資材の要求を、この端末を通じて行います。職員は観察ブースと保管セルの間に設けられたエアロックに要求された資材を配置します。職員が退去した後にSCP-1030-1に資材への接近の許可がされます。
いかなる状況下においても、SCP-1030-1に鋭利な物体や筆記用具として使える可能性のある物は与えられません。SCP-1030-1による全てのSCP-1030-2の描画や刻印の試みは再検討が終わるまでのワードプロセッサの使用の権利の取り消しとなります。全てのSCP-1030-3成果物はSCP-1030-2の除去によって取り消されます。より適当であれば、火を用いて破壊されます。
説明: SCP-1030-1は約1.65メートル高の人型の像であり、様々な物体によって構築されています。████年█月█日現在は1足の靴、コンピューターマウス1台、ごみバケツ1杯、4メートルのゴムホース、手押し台車1台の残骸、個人用電子手帳1台、白衣1着、眼鏡1本、そして████ ██ ██ █████によって構成されています。
SCP-1030-1に組み込まれた物体は加速度的に腐食・腐敗などといった形で分解されます。大きく損壊した物体は未知の力によって排出及び近隣の物体でおよそ空いた部分を満たす物体との置き換えが行われます。物体は必要に応じて折り曲げ・損壊されますが、最小限の力を必要とする物体が優先的に選ばれる傾向があります。
損壊された物品は代替物が発見されるまでは排出されません。SCP-1030-1は損傷した物品が組み込まれ続けることが『苦痛』である旨を表現しました。
SCP-1030-1の持つ唯一の持続的な特徴は、SCP-1030-1が頭部として用いている代替物全ての『後部』側に刻印される複雑なシンボル(以下SCP-1030-2)の存在です。シンボルの一部にはヘブライ語の『חיים.』という言葉が含まれます。
SCP-1030-1はこのシンボルを他の物体に複写することについての断続的な欲求を示しています。印付けられた物体(SCP-1030-3)はSCP-1030-1から█メートル以内の距離にある限り、SCP-1030-1からのある程度の制御の元で活動を行うようになります。この範囲内においてSCP-1030-3は例外なく敵対的になり、人間の追求および様々な手段による加害を試みます。SCP-1030-2の一部の除去や破壊によってこれらの物品は元の不活動な状態に復元されます。
回収記録
SCP-1030-1はチェコスロバキアの██████に所在する廃棄物集積場周辺の『怪物』に関する一連の噂によって収容されました。19██年█月██日、当時SCP-1030-1の大部分が廃棄金属から構成されていたため、エージェントが強力な磁石を用いて捕獲を行いました。SCP-1030-1は暴力的な抵抗をせず、接触当初は逃走だけを試み、数分後にその試みを止めました。
補遺1030-01: 逸脱した振る舞い/新たな収容手順
SCP-1030-1は利用できる物体全てにSCP-1030-2を設置することを試み始め、部分的に成功しました。活動する備品に対して必要となる追加の治安対策のために、新たな収容手順では修復用ではない物体の供与の禁止がされました。壁や床の活動による建造物への多大な損害から、壁や床には布詰めがされました。ASCII文字を利用したSCP-1030-2の入力によるコンピューター端末の暴力的な活動の後、端末の解像度と大きさが削減されました。
新たな収容手順の施行後、SCP-1030-1は習慣的な活動を止め、一日に一度端末へ『孤独だ、』という語を入力する以外の行動を拒否しました。
補遺1030-02:事件報告
SCP-1030-2の複写についての初期試験の後、SCP-1030-1は自己修復用の資材全ての利用を拒否されました。これは財団職員が複写したシンボルが効果を発揮しない理由の説明をSCP-1030-1に強要する目的で行われました。ワードプロセッサも同様に移動されました。SCP-1030-1は文字を動きで示すことで説明するよう指示されました。
22日の間有用な返答が得られず、SCP-1030-1の構成要素は深刻に破損した状態を見せました。対象が動かずに数時間座った状態が観察された後、主任研究員の█████博士が残骸入りの密封された金属箱の載った手押し台車(現在の収容手順が実施される前だった)と共にセルに入室し、SCP-1030-1を『誘惑』する狙いの行動を初めました。
結果の映像記録は研究目的で保存されました。
<0754:13> █████博士が収容セルへと入室し、背後でドアが閉まるまで待ち、台車を動かした。
<0754:16> SCP-1030-1が『足』で立ち上がり、『腕』で防御あるいは回避と思われる身振りを見せた。
<0754:20> █████博士が台車と共にSCP-1030-1へと2歩進んだその時、█████博士の眼鏡が顔から離れ、SCP-1030-1の親指である崩壊した厚紙製の筒と置き換わった。█████博士が顔を探り、台車を手放してドアへ向かった。
<0754:22> ドアに向いている█████博士が地面を離れ、後ろ向きにSCP-1030-1へと向かって飛んだ。
<0754:25> █████博士の全身が未確認の力によって、元の解剖学的な機能と相関が見られない形で暴力的に[データ削除済]となった。
<0754:30> SCP-1030-1が『膝』をつき、繰り返し自身の頭部(当時は紙くず入れ)を収容セルの後壁に叩きつける動きを約30秒間続けた。
<0755:01> SCP-1030-1が立ち上がり、体を揺り動かし、現在は[データ削除済]に位置する█████博士の頭部と背面を撫で始めた。
<0858:15> █████博士の動きが止まった。
<0858:22> 手押し台車が残骸入りの箱を落としながらSCP-1030-1へ向かって加速した。台車が衝突した後未知の方法で再形成し、█████博士と置き換わった。█████博士は床へ排出された。
<0858:40> 箱がSCP-1030-1へ向かって加速した。箱が衝突し、中身を露出させた。箱と全ての中身はSCP-1030-1へと組み込まれた。この時点をもって全てのSCP-1030-1の構成要素は置き換わった。
<0858:54> SCP-1030-1がセルの隅に座った。
<0920:10> 保安要員と清掃クルーが入室した。SCP-1030-1は反応を見せなかった。
補遺1030-03:自発的な記述
SCP-1030-1は新たな資材の要求と質問への最小限の返答を除いて概ねコミュニケーションを行いません。しかしながら、ある時、SCP-1030-1の発生源に関する収穫のない質問が終わった約1時間後、SCP-1030-1は後述の文章をセル内の端末に入力しました。
男いた。
男生きた。そして男死ぬ。
創り手降りてきた。
創り手言ったあなた生きると。あなた創る。創り手男に印を付けた。
男生きた。男物を創った。
男死んだ。物男を創った。
男また生きた。男創った。
男生きた。男創った。
男生きた。男創った。
男生きた。男創った。
男生きた。男創った。
男尋ねた創り手に、男死んでいい?男とても疲れた。
造り手いいえ言った。男印持ってる。
印頭の上についてる。頭の中にもある。
印を知るとても良い。いつも覚える。
印忘れられない。
印は命。
注記: 上記の記述標本の調査の後、同時に相反する要求が共同責任研究員の██████博士および████████博士から提出されました。██████博士はSCP-1030-2に関する全ての視覚的な研究の停止を要請しました。████████博士は刺青によるSCP-1030-2の複製と記憶についての更なる実験のためにD-クラス職員の使用の許可を要請しました。O-5の返答は保留されています。