アイテム番号: SCP-1044-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1044-JPが存在する████公園の該当区域には、地盤沈下の可能性があるという名目で柵を設置し一般人の侵入を防ぎます。現在SCP-1044-JPに関する実験は全て凍結されています。
説明: SCP-1044-JPはアメリカ合衆国テキサス州██████郡に存在する████公園内に設置されているベンチです。オークと思われる樹木で作られているように見えますが、正確な材質はその異常な耐破壊性により明らかになっていません。SCP-1044-JPは何らかの方法で地面に固定されているようであり、移動させる試みは失敗に終わっています。また、オブジェクトの背もたれには“The earth has its music for those who will listen”1という彫文があります。
夜間2にSCP-1044-JPに座ると対象は周囲の環境音を聴くことに意識を集中するようになり、環境音以外の外部情報を認知/記憶することが漸次的に出来なくなります。この状態は対象がオブジェクトから離れることで解除されます。また、オブジェクトに座っている経過時間ごとに対象に対し段階的に異常が発生します。以下はその表です。
段階/経過時間 | 被験者の状態 | 被験者による証言の要約 |
---|---|---|
第1段階/15分未満 | 特に異常なし。自身の意思でSCP-1044-JPから立ち上がることが可能である。 | 木々のざわめきや虫の声などの環境音を音楽のように美しく優しいものであるように感じた。 |
第2段階/15~30分未満 | 周囲の環境音を聴くことに完全に集中し、外部から強制的に移動させられない限りSCP-1044-JPから立ち上がろうとしない。 | 夢の中にいるようにふわふわとした感覚、または懐かしい感覚を覚え、同時に時間の流れが遅くなっているように感じた。 |
第3段階/30~45分未満 | 呼吸がだんだんと深くなり、力が抜けている状態となる。 | 自身の体が周囲の環境音に溶け込んでいくような感覚を覚えた。また、そのことを受け入れようとすることに一切の疑念を抱かなかった。この段階から不明な言語による歌のようなものが聴こえてくるが違和感は無く、とても心地よく感じた。 |
最終段階/45分以上 | 次第に体が透明になり、やがて消失する。この段階に入った被験者には物理的接触ができなくなる。消失後の被験者の居場所を特定する試みは失敗に終わっている。 | N/A |
補遺: SCP-1044-JPは████公園で発生した█名の行方不明事件に関して調査を行っていた財団エージェントにより発見されました。該当区域内では“安らかな表情”と形容される人面樹が行方不明の人数と同数発見されており、実験において最終段階に突入した被験者の数だけ増分が見られたことから、SCP-1044-JPに関する実験は凍結されました。人面樹と判断された木々の研究は継続中です。