アイテム番号: SCP-1048
オブジェクトクラス: Safe Keter
特別収容プロトコル: SCP-1048は、危険性がなく、交流したスタッフの士気を大きく上げることが観察されていることから、現在、サイト24を自由に歩き回っています。 現在、SCP-1048は行方不明となっていますが、サイト24内のどこかにいると思われています。対象は収容のために確保されることになっていますが、 SCP-1048の生み出したものはなんであれ破壊するものとします。より破壊的でない行動がふさわしいとの証拠が出た場合を除いてはこうしてください。混乱や誤認を防止するために、サイト24へのテディベアの持ち込みを禁止します。テディベアに似ているものはすべて、直ちにセキュリティチームに報告するように。
-これはジョークではない。SCP-1048が持つ力の全容が解明されたわけではないのだ。いまいましいアレがこれまでどれだけ生み出されたのか、だれがわかるんだ?- Carver博士
説明: SCP-1048は、高さ約33cmの小さなテディベアです。試験が行われましたが、対象と知能を持たないテディベアを隔てる特性はなにも見つかりませんでした。対象は自発的に移動する能力を持ち、ちょっとした仕草によってコミュニケーションが可能です。対象は多くの人が愛らしいと感じる方法によって、人に愛情を示します。足に抱きつくというやり方で愛情を向けるのが常ですが、ダンスしたり、その場でジャンプするのも観察されています。過去に二度(それぞれ別のケース)、清掃スタッフのために子どものような絵を描いてみせたことすらありました。対象と交流したすべての財団スタッフが、この愛情に対し好意的な反応を示しています。通常は社会病質(ソシオパス)的な傾向を示すDクラスでさえも、そうなのです。
SCP-1048との直接的なコミュニケーションは成功したとは考えられていません。簡単な仕草で「イエス」か「ノー」の返答が出来ますが、自身の性質やどこから来たのかといった質問に関してはしばしば反応を示しません。SCP-1048が答えを知らないか、それとも答えたくないかは不明です。絵を描く能力を持っているのですが、頼んだとしても愛情を示す以上のコミュニケーションにそのアートを使うことはありません。
SCP-1048の特異な行動は、最初に確保されてからおよそ七ヶ月経つまで、観察されることがありませんでした。対象は様々な素材を使って、自身の粗雑なレプリカを組み上げることができるとの仮説が立てられています。財団のスタッフは、この過程を直接目撃できていません。SCP-1048はその愛らしい性質を使って周囲に偽りの安心感を与え、これらの創作物を生み出すのに必要な素材を集めているのではないかと、Carver博士は提唱しています。いまのところ、三種類の創作物、SCP-1048-A、SCP-1048-B、SCP-1048-Cが存在しています。これら創作物の性質は、SCP-1048の普段の態度とは正反対に、人間に対してきわめて暴力的です。
SCP-1048-A: ████年██月██日、SCP-1048-Aは、SCP-1048と共にサイト24をさまよっているところを発見されました。対象はSCP-1048と似たサイズ・形のテディベアでしたが、全身が人間の耳で作られていました。目撃者は、SCP-1048がSCP-1048-Aにサイト24の「見学」をさせているようだったと報告しています。Carver博士とセキュリティチームが呼び出されました。セキュリティチームが先に到着し、SCP-1048-Aを収容しようとしました。対象は甲高い金切り声を上げ、半径10メートル以内にいた者の目と耳に激しい痛みを与えました。対象から5メートル以内にいた者の身体に耳のような腫瘍が成長し始め、20秒たらずで全身を覆いました。この症状に冒された全員が3分以内に死亡し、セキュリティチームの全員を含む██名が死亡しました。検屍により、全ての死亡者の死因は口と気管が耳のような腫瘍に覆われたことによる窒息であると判明しています。Carver博士が到着する前にSCP-1048とSCP-1048-Aは現場から逃走し、それ以降、収容されていないのですが、複数の目撃談が存在します。この事件の直後、片耳を失った研究者が見つかりました。彼によると、寝ているあいだに未知の手法によって耳を切り取られたとのことです。耳を失った他の犠牲者が見つからないことから、SCP-1048がどこから他の耳を入手したのか、あるいは物質や素材を複製する力があるのかは不明です。
SCP-1048-B: ████年██月██日、サイト24のカフェテリアで、複数の財団スタッフが対象を発見しました。対象の外見はSCP-1048に似ていましたが、不自然かつぎくしゃくした動き方をしていました。SCP-1048-Bの中で別の何かが動いているようだと、目撃者は語っています。当初、対象は反応しませんでしたが、急に身体の継ぎ目から人間の幼児に似た手と腕を伸ばし、空気をつかみました。これを目撃した███ █████という名前の女性研究者が悲鳴を上げると、SCP-1048-Bは幼児に似た甲高い鳴き声をあげることで反応しました。対象は悲鳴を上げている研究者を [データ削除] しようとし、内部に大きな損傷を与えました。混乱の中で、セキュリティチームは研究者とSCP-1048-Bを [削除済み] することを余儀なくされました。この事件からおよそ三時間後、██████博士がオフィスで意識不明となり出血しているのが発見されました。睡眠中に博士の中絶処置が行われており、8ヶ月になる胎児が消えたのです。SCP-1048-Bを生み出すために、SCP-1048が██████博士のまだ生まれていない子供を使ったのだという仮説が立てられています。SCP-1048-Bの素材に関する情報は、セラピーを受けている生存者たちに明かされることはありません。そんなことをしたら回復に強い害があると、Carver博士が信じているからです。
SCP-1048-C: 対象はSCP-1048に似たテディベアのようですが、錆びた金属のスクラップで構成されています。最初に対象を発見したのは、Carver博士です。博士はSCP-1048-B事件に関する報告書をオフィスで書いているところでした。Carver博士が見ていることに気づくと、対象は部屋から逃げ出しました。SCP-1048-Cの追跡中、Carver博士は財団スタッフ█名が死亡するか傷害を残すことになるのを目撃しています。なぜなら、逃走中の研究対象がきわめて暴力的だったからです。最初に目撃されて以来、SCP-1048-Cとの遭遇例はなく、まだサイト24のどこかにいるかは不明です。SCP-1048がSCP-1048-Cを作るのに使った可能性がある素材の出所についてもまた、現時点で不明です。
補遺1048-1: SCP-2295はSCP-1048と類似していますが、その機能はほぼ対極です。共通の起源を突き止める試みが進行中です。
SCP-1048-A、SCP-1048-Cとの遭遇の際は細心の注意を払ってください。
-どれだけ危険なのか充分に強調することができない。いまいましいアレはジャンプして、可哀想な連中の身体を突き抜けていったんだ。 - Carver博士