SCP-105
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SCP-105-B

アイテム番号: SCP-105

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-105は小型追跡装置を埋め込まれ、現在はサイト-17に収容されています。SCP-105は模範的な態度と財団職員への協力を継続したことから、サイト職員として認可されたことに伴い、現在のところクラス3(制限付き)の社会的権利を与えられています。

SCP-105が個人所有するカメラ(SCP-105-Bとして識別)は、サイト-19の高価値アイテム保管施設の金庫に保管の上、施錠してください。一般的な、爆発、化学薬品、生物式、ミーム式による防御機構については、通常の運用手順に従い常に適切に実行されるようにしてください。

現在の管理研究者による承認が無い限り、いかなる場合においてもSCP-105が、SCP-105-Bや他のカメラと接触することのないようにしてください。

説明: SCP-105(かつてはアイリス・トンプソンとして知られる)はヨーロッパ系の女性です。記録によるとSCP-105は████で生まれ、確保された時点では██歳でした。彼女はブロンドの髪に青い目をしており、記録の時点での身長は1.54m、体重は50kgでした。彼女はいかなる物理的異常の傾向も見せず、あらゆる点において標準的かつ健康な人間であると観察されます。

SCP-105-Bは1982年製造のポラロイド One Step 600カメラです。SCP-105-Bはいかなる物理的異常の傾向も見せず、あらゆる点において標準的なポラロイドカメラであるように観察され、SCP-105以外の人間には通常の使用が可能です。

SCP-105がSCP-105-Bにより撮影された写真を所持している場合、写真は静止した画像から当該の場所のリアルタイムの映像へと変質します。加えてSCP-105は、写真が撮影された本来の地点から手の届く範囲において、写真を通して物質に接触すること、操作することが可能です。この操作を見た人物は、肉体から離れた女性の手(SCP-105の手と特定されている)が目に見えない穴からのびて、指示された動作を行ったと報告しています。SCP-105-Bと前述のカメラで撮影された写真は、他の人間が使用する場合には異常な特性を示しません。

SCP-105は、他のカメラにより撮影された写真でも、限定的ながら物質を操作することが可能ですが、SCP-105-Bによって撮影された写真のみを良好に制御することができます。今までのところ、SCP-105-Bで撮影した写真のみが、SCP-105の能力を大幅に上昇させることができます。

補遺1: 収容の経緯: SCP-105は彼女のボーイフレンドが殺害された事件の直後に財団の注意を引きました。SCP-105は、被害者が殺害された時その彼と電話をしており、彼の側へ急いで行こうとしていたと主張しました。しかし通話記録は彼女の説明と一致しておらず、そのために彼女は殺人事件の参考人となりました。SCP-105は彼女の弁護士に対して、数日前にボーイフレンドと一緒に撮影した写真を通じて、彼女が実際に殺人現場を目撃したことを伝えました。当該の弁護士はその話を無視し、彼女に対して罪を認めるよう勧めました。彼女はそれを拒絶し、その話を裁判所にて発言し、能力を実演しました。このことが財団の注意を引きました。

彼女はすぐさま財団に収容されました。財団職員はSCP-105-BをSCP-105の自宅より回収し(同一モデルのカメラとすり替えられました)、それを彼女に返還しました。SCP-105の両親へは、█████████ ██████ 精神医療施設での保護中、他の患者の失敗した脱出の最中に殺害されたとの説明が行われました。

補遺2: インタビューログ105-08-4426より抜粋、日付██/██/████

<記録開始>

█████博士: 誕生日と出生地、名前を手短に紹介してください。

SCP-105: わかりました……わたしの名前はアイリス・トンプソン、アリゾナのフェニックスで████年の5月12日に生まれました。

█████博士: ありがとう。でははじめの質問、自身の能力に気がついたのはいつ頃ですか?

SCP-105: はっきり覚えてないけど、たしか10才か11才だったと思う。でも海の写真をながめていた時に波が動き始めたのは覚えているわ。

█████博士: ご両親に話した時はどのような反応が返ってきましたか?

SCP-105: 親は私の想像力が豊かすぎると言うだけだった。

█████博士: 写真を通じて物体を動かせる能力はいつ発見しましたか?

SCP-105: これを見つけたのは、私が……11、12、でしたっけ? 私の家族とグランドキャニオンに旅行しました。家に帰った後、写真アルバムを見てて、たまたま手がかすめたの。そうしたら、石が谷底に落ちて行って、落ちてる音がカラカラと聞こえてきたの。

█████博士: 続けて。

SCP-105: それから、写真に魅了されました。いつもは、私が撮った写真では動きませんでした。けど、親がポラロイド One Step 600カメラを私にくれて――クリスマスまでにくれるよう、ずっとお願いしてたの。<SCP-105は微笑みはじめる>カメラを貰ってから、写真はずっと……扱うのが簡単に。

█████博士: それこそが、私たちが105-Bと呼んでいるものですね?あなた個人のカメラの。

SCP-105: はい、そうです。

█████博士: 一度に何回写真を撮影しますか?

SCP-105: 私のカメラでは10回ぐらいかな、でも、確か最終的にはもっと撮りました。

█████博士: 財団での、これまでの時間にはどのような印象を持っていますか?

<SCP-105は黙ったまま>

█████博士: どうか、答えてください。このことであなたに攻撃したりはしません。

SCP-105: ひとつの、新しい刑務所、新しい監視者みたい。けど、私に何が起きたか知らないよりはいい。

█████博士: ここでは、あなたは大変協力的です。

SCP-105: 私は本来礼儀正しいのです。実験も好きです。自分だけでは思いつけなかった事が、この写真を通じて出来ますし。

█████博士: アイリス、私がなぜあなたにこのような質問をしているかわかりますか?

SCP-105: いいえ、わかりません。

█████博士: 私たちは特別な計画を準備しています。もしそれがうまくいけば、あなたはサイトを離れて、時折外の世界を出歩くことが許可されるでしょう。その見返りとして、我々はあなたにほんのいくつかのことをお願いしたい。理解してもらえましたか?

<記録終了>

補遺3: 機動部隊オメガ-7における貢献歴

SCP-105はパンドラボックス・イニシアチブのもとで機動部隊オメガ-7に編入された2番目の人型SCPでした。「チームアベル」(SCP-076-2とその関連)が攻撃および捕獲作戦を目的に編成されたのとは異なり、「チームアイリス」は調査と情報収集を最優先任務として課されていました。チームアイリスはバウ委員会と協力して20以上の任務を遂行し、これらの任務がすみやかに、重大な違反なく行われたことを示しています。

SCP-105に関する初の懲戒事件は、チームアイリスの任務が調査から暗殺へ拡大したことに関係しています。バウ委員会のメンバーが繰り返し協力を得ようと依頼したにもかかわらず、SCP-105は、彼女の能力を暗殺の実行に使用する事について猛烈に反対しました(インタビューログ105-21-6543を参照)。

この出来事の間、SCP-105は精神的に苦しみ、財団職員を騙して彼女の異常な能力が消失したように信じさせようとしました。D███████博士は、SCP-105はNeutralizedに再分類されるべきで、記憶処理し、通常の観察状態で公共へ戻すべきだとのレポートを提出しました。この要求は拒否されました。

これに続いて、D███████博士は、SCP-105の財団の収容からの脱出による収容違反を援助するようになりました。この収容違反は失敗し、SCP-105は再度収容されました(インシデントX45-サイト-17を参照)。

調査の後、D███████博士がSCP-105に異常な能力が消失したと主張するように意図的に働きかけていたことが判りました。SCP-105は、限られた権利の回復と引き換えに、異常な能力を再度示しました。

パンドラボックス・イニシアチブが終了した後、機動部隊オメガ-7の全チームは解散しSCP-105はサイト-17へ戻されました。彼女が示すセキュリティ上のリスクと有用性の欠如のため、彼女は現在のところSCP-105-Bとの接触を許されていません。

機動部隊オメガ-7のさらなる情報については記録情報セキュリティ管理部(the Records And Information Security Administration)により封印されています。

記録情報セキュリティ管理部 ██████ ███長官

補遺4: 機動部隊アルファ-9への新たな割当

サイト-17に対する攻撃の後に、SCP-105および機動部隊アルファ-9との関連が想定される多くの公式/非公式な報告書が作成されました。

これらの報告書は深刻なセキュリティ違反です。機動部隊アルファ-9に関する情報は全て制限されています。SCP-105の異常性質に対する現在の研究に関する情報は全て制限されています。財団資産としてSCP-105を現在使用している/最近使用したとする全ての報告や噂は全くの誤りであると見なされ、記録情報セキュリティ管理部へ報告しなければなりません。

記録情報セキュリティ管理部 ██████ ███長官

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