SCP-1053-RU
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アイテム番号: SCP-1053-RU

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: オブジェクトの存在する建物は修復作業中であると告知し、部外者の立ち入りを防ぎます。SCP-1053-RUから10メートル以内に立ち入ってはいけません。オブジェクトの存在する建物に1時間以上滞在することは禁じられています。

オブジェクトの引き起こす現象を記録するために、廊下と建物を中心に監視カメラが設置されます。カメラの状態は週に1度確認されます。追加の観測活動は2人のDクラス職員によってなされます。

満月の夜、00:00から04:00までの間建物の中は完全に無人にされなければなりません。詳細については事案1053-1についての文書を参照してください。

説明: SCP-1053-RUは██████ニュータウンの放棄されたコテージ二階に位置する閉ざされた部屋です。現在部屋の内部へ侵入する手段はありません。ドアには財団がKeterクラスオブジェクトを示すのに使用しているマークがチョークで粗雑に描かれ、不明瞭な文が書き付けられています。

生物がドアから5メートル以内に近づくと、徐々に破壊的な影響が現れます。身体中が裂傷に覆われ始め、犠牲者の周囲の空間が歪み始め[削除済み]が生じます。その後遺体はドアとドア枠の隙間から吸い込まれていきます。過去に二度、オブジェクトの影響範囲が█メートルまで拡大しました。そのため現在の安全距離はオブジェクトから10メートルに定められています。

オブジェクトの存在する建造物内に長期間滞在すると精神的な影響を受け、方向感覚が失われます。この影響はオブジェクトの持つ未知の力による作用であると考えられています。また、過去に数回オブジェクトの存在する建造物の一階において[削除済み]の臭気が観測されました。このにおいがどこから生じたのかは不明です。

文書:事案1053-1: ████年██月██日朝、監視設備制御室で宿直についていたD-1053-12との連絡が途絶えました。現場に到着した機動部隊Θ-9《Spies of Carma》によってD-1053-12とD-1053-11の切断された死体が確認されました。初めSCP-1053が自らの居場所を去ったと考えられましたが、その後オブジェクトが部屋の中に留まったままであることが確認されました。

防犯カメラを分析した所、00:03に「凄まじく凶悪な」「非人間的な」「沈鬱な」叫び声とドアをひっかく音が記録され、それに続いて原因不明の激しい閃光が発生しました。この時D-1053-12が死亡したと推測されます。部屋からの攻撃音、唸り声、叫び声はどは3時間半継続し、終了しました。その後の研究により類似した事象が全ての満月の日に引き起こされることが判明し、収容プロトコルに加筆がされました。

文書1053-1: 次の文書はコテージの図書室で回収された。居住者███████████ ███████によって書かれた物だと考えられている。

畜生!もう殆ど力が残ってない。あの忌々しいモノにはほとほと参った…あと少しで棺桶にぶちこまれそうだった。しかし俺は…俺はそうしなきゃならなかったんだ..そして今は分かっている。

"SCP財団"が何なのかはわからない。ここにやってきて、アイツを安全にしようと試みてるのを見ただけだ。しかし彼らが出来ることをすべてやっても何一つ成功しなかった。アイツをドアから出すな。何も与えず餓死するのを待て。

それと俺はKeterって言葉も見た。いいか、アレはあらゆるKeter中のどんなKeterよりもKeterなやつだ。もし開放されたらこの世界は踏み潰されちまうだろう。完全にだ。もしアイツが腹いっぱいに食ったりしても、多分出ていくだろうな。

そうさ、これは間違いだった。俺は[判読不能]からアレを呼び出すべきじゃ無かったんだ。ヤツを閉じ込めるために出来ることは全部やった。俺の魔法がヤツをここに留めておいてくれると期待するしか無い。

この手紙がアンタたちに届くことを祈るよ。さて、ドアを弱らせて警告を書いてこなくちゃな。

さよなら。

文書1053-2: ███████████ ███████の日記

████年██月5日
今日は第三術式の効果を調べた。想定されていたより効果が弱く、召喚が近くから生じたので恐らく術式の何処かに誤りがあるんだろう。どうやらアッケラ面からの放射が十分でないようだ。
周囲から怪しまれている事は全くなさそうだ。そりゃあそうさ、今はもう学者が怪しい隠遁者だった時代じゃあない。この時代に生まれたことに感謝感謝…

████年██月6日
どうも私は術式の間違いを見つけられたらしい。つまり今正しい道の端っこに立ってるわけだ。今は以前より遥かにはっきり召喚することができ、私は「ノックしたドアから応答を得る」事が出来る。恐らくこれはシュメール人が[削除済み]と呼んだものだろう。

[一部欠落]

████年██月11日
術式の実験を行った。不完全で不明瞭ではあったが彼の召喚には成功した。どうも彼は呼び起こされるのが気に入らないらしい。私のことを足で攻撃してきたのはそのせいだろう。私は███████によって彼から身を守り、彼はアッケラ面から帰っていった。どうやらこの術式に、異界から来た生物を引き止めておく力は無いようだ。

████年██月12日
将来のことを考え込んですっかり疲れたが、何一つはっきりとは見えなかった。何らかの危険と…その他あらゆることへの不安。平穏に最期を迎えたほうが良いに決まってるのはわかってる。
しかし私にとってこの実験はあまりにも興味深い。あらゆる防護手段を講じて、部屋は沢山の防護符で護るようにしなくては…

[削除済み]

████年██月14日
牢獄へ行き来する音やもごもご喋る声が一階にいても聞こえてきた。明らかにTIAMATだと識別できる。それにたまにヘブライ語で話しているのを聞けば、SAMAELも確認できる。

このクソを呼び出す必要なんて無かった。そうさ、理解するのが遅すぎた。今じゃあいつらを追い出すことはできない、勝手に行き来してるんだ。

████年██月15日
[削除された罵り]
客間のこの臭いは何なんだ?!まるで[削除済み]みたいだ。多分アイツらのせいだろう。それとも私が別の小物も呼び出してしまったのか?

████年██月16日
始まった。
朝から家中をうろうろしていた。方向感覚が完全に無くなったんだ。30分かけて二階へ上がる階段を探して、見つけたと思ったらもうわからなくなってた。あそこにエンキとエンリル1がいることとか、何もかも思い出せなかった。頭の中がほとんど滅茶苦茶に混乱してたんだ。

[削除済み]

████年██月██日
出来ることは全てやった。

恐らくこれが最後の日記になるだろう。

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