SCP-1054-RU
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アイテム番号: SCP-1054-RU

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1054-RUはセクター█の補強格納庫の中心に収容されます。この格納庫は収容違反その他の不測の事態に際して密閉できるように設計されています。格納庫にはオブジェクトが生成する排気ガスを大気中に放出する特殊換気システムを設置しなければいけません。格納庫の壁は最低でも厚さ1cmの鉛板で裏打ちしなければいけません。

SCP-1054-RUは、動作中に倒れるのを防止する適切な金属の台座に固定し、赤外線カメラを通して24時間監視し続けます。台座は格納庫の入口に対して厳密に垂直に配置されるべきです。また、格納庫には温度センサー、気圧計、放射線センサーを備え付ける必要があります。自発的活性化によってSCP-1054-RU-1から-4までの全ての種類が同時大量生成される結果を招くため、SCP-1054-RUを海面下または高度50m以上に配置することは禁止されています。

実験目的を除いて、SCP-1054-RUの起動は如何なる状況でも認められません。実験中以外の職員の存在はセキュリティクリアランスレベルに関係なく制限されます。加えて、SCP-1054-RUの動作中は正面から10m以内に接近することが禁止されます。偶発的な接近を防ぐために追加の障壁が設けられています。

SCP-1054-RUが自発的に活性化してSCP-1054-RU-1から-4を生成し始めた場合、格納庫を即座に密閉し、セクター█の職員を退避させます。退避完了後、機動部隊イプシロン-3 “タランチュラ”が収容プロトコルの再確立に派遣されます。SCP-1054-RU-1から-4を鎮圧するため、機動部隊イプシロン-3は熱線暗視装置と放射線防護服を装備する必要があります。SCP-1054-RUの再収容が失敗した場合、手順Yat-990が開始されます。

説明: SCP-1054-RUはPS-90A ツイン・ターボジェット航空エンジンです。複数の事案にも拘らず、当該オブジェクトは良好な動作状態にあり、ごく僅かに軽微な欠陥があるのみです(ファンブレード先端の欠けなど)。エンジンの動作システムは全て無傷です。部品の接続に使用されているコッターピンと安全ワイヤーは[編集済]に類似する特性を示しており、エンジンの部分的な分解さえもが極めて困難です。SCP-1054-RUは如何なる外部干渉/理由もなく自発的に起動することが可能です。コンプレッサー、燃焼室、タービンの内部をスキャンする試みは成功していません — SCP-1054-RUが動作している時に内部で何が発生しているかは現在も不明です。SCP-1054-RUの機能は燃料、オイル、その他の可燃物や潤滑剤を必要としません。

SCP-1054-RUの異常性は起動すると即座に発現し、その結果はエンジンの動作モードに直接依存します。SCP-1054-RUが以下に述べる動作モードの1つに達すると、それに応じてSCP-1054-RU-1から-4に指定される生物群がエンジンの吸気システムから出現し始めます。この生物の各亜種はワタリガラス(Corvus cornix)に類似する姿ですが、幾つかの外見的特徴、能力、習性、そして人間をはじめとする他種生物への高い攻撃性において区別できます。

  • SCP-1054-RU-1 – このタイプは自らを生成したエンジンの傍に留まり、ある種の巣であるかのように危害から保護します。通常、SCP-1054-RU-1は群れを成して一斉に敵を襲いますが、これは敵が単独である状況のみです。複数の敵が存在する場合、SCP-1054-RU-1は分散して無作為に空中を飛び回りながら、カラスとしては異様に甲高い鳴き声を発し、犠牲者の神経系と感覚器官に負の影響を及ぼします。羽は乳白色の色調を帯びています。SCP-1054-RU-1はSCP-1054-RUが“ロー・スロットル”モードに到達した時点で出現します。
  • SCP-1054-RU-2 – このタイプは収容ゾーンからの積極的な逃亡欲求を示し、恐らくは群れの斥候に当たる役割です。SCP-1054-RU-2は部分的に不可視であるため、逃亡を防ぐ試みは非常に煩雑になることが示されています。しかしながら、SCP-1054-RU-2は赤外線スペクトルで容易に視認できます。SCP-1054-RU-2は空中に留まる傾向があり、格納庫内では天井に隠れるので、ターゲットにするのは極めて困難です。SCP-1054-RU-2は上空から敵に急降下して目を抉り出す、または首を穿刺する戦法を好みます。このタイプに属する全ての個体は大量の熱を放出します。この効果の要因は不明であり、SCP-1054-RU-2の体内構造は一般的なワタリガラスのそれと同一です。羽は濃い銅色です。SCP-1054-RU-2個体はSCP-1054-RUが“巡航”モードで動作している間に出現します。
  • SCP-1054-RU-3 – SCP-1054-RU-3は群れの個体数増加を担当しているようです。生成後、SCP-1054-RU-3は速やかに分散し、特に孤立した場所を見つけて散乱しようと試みます。これらの卵からはSCP-1054-RUが生成する別タイプの鳥類が孵化します。雛は加速度的に成長するため、即時破壊されるべきです。羽色は青みがかった黒であり、SCP-1054-RU-3が普通のカラスの群れに紛れて追跡者を振り切ることを容易にしています。理由は不明ですが、SCP-1054-RU-3の周囲では常に高レベルの放射線が検出されます。SCP-1054-RU-3はSCP-1054-RUが“フル・スロットル”モードで動作している間に出現します。
  • SCP-1054-RU-4 – SCP-1054-RUが生成する鳥類種の中では、このタイプが最も危険です。SCP-1054-RU-4は赤い筋が入った濃灰色の羽と皮膚を有します。習性から判断する限り、SCP-1054-RU-4は群れの狩人、または戦士階級です。SCP-1054-RU-4は意図的に人間を探し出し、嘴と爪で深刻な怪我を負わせようと試み、引き裂いた肉片をエンジンに運びます。SCP-1054-RU-4個体はその特別な耐久力で他タイプと区別できます — 具体的には、SCP-1054-RU-4は拳銃の直接射撃に複数回耐えることが可能であり、深刻な負傷にも拘らず、再収容に関与した職員を攻撃し続けます。このタイプはSCP-1054-RUが“緊急時”モードで動作している時のみ現れますが、機動部隊イプシロン-3隊員はエンジンがこのモードに入らないタイミングで介入するため、出現は比較的に稀です。“緊急時”モードで強い負荷がかかるにも拘らず、SCP-1054-RU自体は如何なる損傷も負いません。

回転するファンブレードはSCP-1054-RU-1から-4を負傷させない点に留意してください。これらの個体は自由にエンジンを通り抜けて飛び、吸気システムから退出することができます。

SCP-1054-RUが“ロー・スロットル”モードに入る前に、[データ削除済]を使用して消音、不活性化することができます。この後、[データ削除済]のエンジンは設計上の要素で可能な限り清掃する必要があります。これ以外の手段でSCP-1054-RUを不活性化する試みは、オブジェクトの活動と鳥群の攻撃性を増大させるだけであるため、禁止されています。

補遺1054-RU-1: SCP-1054-RUは████/██/██、機体番号RA-█████で就航していたTu-204-100航空機が、ロシアの███████ ███近隣に墜落した事件によって財団の注意を引きました。SCP-1054-RUは無傷でしたが、航空機本体と第二エンジンはほぼ完全に破損していました。オブジェクトは██████████航空機修理工場で活性化し、同社の従業員を多数死傷させた後に、財団エージェントに回収され、セクター█へ移送されました。加えて、フライトレコーダーとその他の調査資料も押収されました。テロリストの攻撃に関するカバーストーリーが一般社会に流布され、修理工場は解体され、全ての目撃者と犠牲者に記憶処理が施されました。

補遺1054-RU-2: SCP-1054-RU収容エリアに自動防衛システムを確立する試みが幾度か行われましたが、全て失敗に終わりました。SCP-1054-RU-2が熱を放射するために、熱追跡センサーを搭載した照準システムは全て役に立たないと判断されています。また、大量に存在するターゲットが運動センサーの正常な機能を妨げるのを踏まえて、それらも廃案とされました。加えて、鳥群は脅威の要因が機関銃砲塔にあることを非常に正確に特定し、意図的にそれらを武装解除しようと試みました。これらはSCP-1054-RU-1から-4が集合知能を共有している可能性を示唆しています。この仮説を証明、または反証する研究結果は未だ得られていません。

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