SCP-1063-JP
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Amayadori

復元直後のSCP-1063-JP。カワラバト(学名:Columba livia)の姿をしている。

アイテム番号: SCP-1063-JP

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-1063-JPの可能な限りの回収のため、「生態系の調査」の名目で定期的に鳥類の捕獲が行われます。捕獲された鳥類は密閉されたコンテナ内に収容し、SCP-1063-JPの判別に十分な量の水を散布して実体を保ったものは解放されます。散布と解放の完了後、コンテナ内に各地域で十分な数を用意できる可能な限り質量の大きい淡水魚を放流してください。コンテナ内の水量が散布した水量以下になった時点で、使用された淡水魚および使用した淡水魚から発生したSCP-1063-JPは全て焼却処分されます。この作業を実行可能な施設が各地域の生活用水の水源となるダム、湖、大規模な貯水池に設置され、作業は常に実行されます。以上の作業と並行してSCP-1063-JP個体10体をサイト-81██の小型生物収容セルに収容してください。実験に際して個体の複製を行う際は担当研究者の許可を仰いでください。

説明: SCP-1063-JPは一定の形態を持たない水溶性の生体です。SCP-1063-JPは発生地域に一般的に見られる種類の鳥類に酷似した姿を取りますが、その種の本来の繁殖方法で個体数を増やすことはありません。SCP-1063-JPが溶け込んだ液体(以下、SCP-1063-JP-1)に化学的成因の異常は見られず、SCP-1063-JPの発生を観測する以外の判別手段は発見されていません。

1ヶ所に存在する液体にSCP-1063-JPを構成するために十分なSCP-1063-JPが溶け込んでいる場合、液中からSCP-1063-JPが発生します。SCP-1063-JPが発生する際、発生した実体と同じ質量のSCP-1063-JP-1が消費されます。十分量のSCP-1063-JPが溶け込んでいる場合でも、発生するSCP-1063-JPはSCP-1063-JP-1の質量を超えることはありません。SCP-1063-JPが再び溶解する際は実体と同じ質量の水となります。SCP-1063-JPの死骸についても同様の性質を持ち、生きたSCP-1063-JPとして復元されます。

実験記録1063-JP-1

実施方法: 捕獲したSCP-1063-JP個体10体を水道水10Lに溶かす。

結果: 全てのSCP-1063-JPが溶解してから2時間14分以内に14体のSCP-1063-JPが発生した。その後1時間SCP-1063-JPが発生しなかったため実験を終了。また、発生したSCP-1063-JPのDNA鑑定を試みたところ、採取した組織、体液、羽毛の全てにおいて構成しているのは水のみであった。

実験記録1063-JP-2

実施方法: 5体のSCP-1063-JPが溶け込んだ4LのSCP-1063-JP-1を濾過、蒸留する。

結果: 濾過、蒸留の過程で3体のSCP-1063-JPが発生した。蒸留後のSCP-1063-JP-1からは1時間43分までに4体のSCP-1063-JPが発生した。

実験記録1063-JP-3

実施方法: 3体のSCP-1063-JPが溶け込んだSCP-1063-JP-1を、Dクラス職員1名(以下、対象)に1L摂取させる。

結果: SCP-1063-JP-1の摂取完了から12分経過した時点で対象は腹痛を訴え、その11分後に死亡した。死亡からさらに35分後、スズメ(学名:Passer montanus)の姿をしたSCP-1063-JP個体4体が対象の死体を食い破って出現した。この個体のDNAを分析したところ、対象のDNA情報と一致した。このSCP-1063-JPは、水溶性を失い発生から20分以内に全て死亡した。

補遺: SCP-1063-JPは神奈川県の工業排水管の点検作業中に発見、最初の2個体が収容されました。以後、国内各地域でSCP-1063-JP個体が確認されたため国内各地域で収容措置が取られていましたが、国内での観測から2年後に韓国██市でSCP-1063-JPと思しき実体が発見され、現在では東南アジア、南北アメリカを含む██の国と地域でSCP-1063-JPが発見され、国内と同様の収容措置が取られています。SCP-1063-JP-1が海洋に流出し、各地域に拡大したものと思われ、現在SCP-1063-JPが観測されていない地域においても定期的な調査、警戒が行われています。

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