SCP-1064-JP
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アイテム番号: SCP-1064-JP

オブジェクトクラス: Keter Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1064-JPは注ぎ口及び空気穴を塞ぎ、底面に固定されたSCP-1064-JP-Aと共に小型生物用収容ケース内に水平を保った状態で保管されます。プロトコル-古き良き器に基く複数のカバーストーリーにより、財団外部に存在していると予想されるSCP-1064-JPは永続的な処分活動が行われます。

説明: SCP-1064-JPはキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の雌であり、老化の兆候を見せず食事も必要としません。物理的・薬物的な耐久性は一般的なハエと変わらず、蓋付きで側面または蓋自体に注ぎ口が備え付けられた調味料入れに住み着く習性を備えています。既に調味料が内部に補充されている物に優先して住み着く傾向を備えており、基本的にSCP-1064-JPは注ぎ口の内部に留まったまま動かない為一般人がSCP-1064-JP-Aの存在に気付く事は稀であり、洗浄が行われた場合即座に死亡します。
SCP-1064-JPが住み着いた調味料入れはSCP-1064-JP-Aと定義され、SCP-1064-JP-A自体を傾ける正当な手順によって注ぎ口から内容物を放出した場合、調味料の種類に応じて以下の現象が発生します。

調味料 発生する現象
塩、胡椒等固形の物品 SCP-1064-JP-A内部から平均約60匹のSCP-1064-JPが発生、注ぎ口及び蓋等から飛行する。今現象によってSCP-1064-JPは個体数を維持していると考えられる。
致死量の塩素ガスがSCP-1064-JP-A内部から上面に向かって噴出される。
オリーブオイル等の油類 SCP-1064-JP-Aを所持した対象に内容物を飲みたいという強烈な欲求を発生させる。現実改変によって内容物は尽きる事は無く、大抵の場合対象は窒息死する。
生クリーム、練乳等生乳由来の物品 内容物を摂取した対象は今までに確認された限り49 55種類の物品に対して重篤なアレルギー症状を発生。
ガムシロップ、ケーキシロップ等シロップ類 SCP-1064-JP-Aを中心に半径約5mの範囲内に存在する生物が同質量の塩化ナトリウムに変化。
チリソース類 内容物を摂取した対象の両手足の関節及び[検閲済]内部からおよそ500匹以上の異常性の無いキイロショウジョウバエの幼虫が発生。
醤油 後述の実験記録を参照。

SCP-1064-JPは192█年にオレゴン州を中心に発生した事件によりその存在を財団が感知、SCP-1064-JP-Aと変化した調味料入れ5個を回収しました。総個体数及び生息地域が不明である事、SCP-1064-JP-Aへと変化する可能性が存在する調味料入れが世界各地で使用されている事から即時対応が必要であると判断され、複数のカバーストーリーによる隠蔽及び財団の管轄外のSCP-1064-JPの処分が許可されました。
1947年、日本支部内のDクラス管理棟の食堂内で使用されていた調味料入れがSCP-1064-JP-Aへと変化していた事が発覚しました。監視カメラによる映像記録の結果発覚までの間に合計9回使用されており、当時SCP-1064-JP-Aは醤油用の調味料入れとして使用されていました。
以下はDクラス職員を用いた、SCP-1064-JP-A内部から醤油を放出した時に発生する異常性の一連の流れです。

  • SCP-1064-JP-Aを傾けた時点でSCP-1064-JPが球状のポータルを発生、消失する。
  • 徐々にポータルが縮小する事に伴う内圧の低下により醤油の流れが緩慢になる。この時点で即座に傾ける行為を止めた場合ポータルは消失、入れ替わる形でSCP-1064-JPが再出現し注ぎ口へ移動する。
  • 傾きを凡そ0.11秒以上続した場合SCP-1064-JPの著しく損壊した死骸が再出現し、SCP-1064-JP-A内に生成されていたポータルが瞬間的に膨張と収縮を連続で繰り返し、内容物である醤油全体は今影響により通常通り傾けた以上の運動エネルギーを得るが内圧の低下により外部への放出は遮られ続ける。
  • ポータルが完全に消失した瞬間含有する運動エネルギーが即座に開放され、大抵の場合適量以上の醤油、注ぎ口の大きさによっては同時にSCP-1064-JPの死骸がSCP-1064-JP-Aの注ぎ口から放出される。

今実験記録に基きプロトコルが改定、SCP-1064-JP-Aへと変化する可能性のある形状を有した汎用調味料入れが「醤油差し」「醤油瓶」等といった名称で古くから呼ばれていた、限定的な地域で使用されていた醤油が日本国全体に古くから扱われていた調味料である等の大規模な情報工作並びに過去から記録改変を行った結果、1948年以降SCP-1064-JPに関連すると予想される被害の大幅な減少が確認、SCP-1064-JPの個体数は減少傾向にあると予想され、オブジェクトクラスの引き下げが決定されました。

補遺: ウスターソース類を補充していた調味料入れがSCP-1064-JP-Aと変化した際、使用した場合の影響は推定0.04秒以内と極めて瞬間的である事、ヒューム値他各種数値の変化が確認されない事、探索チームからの報告から即時対応の必要は無いと判断されました。

せめて後世においては、この国の食卓に醤油が並ぶ光景に一切の違和感を持たず、誰もが醤油を常備している光景がある事を願うよ。——入岡博士

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