SCP-1079-JP-1発射時における7次元ベクトル場形成の例 |
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アイテム番号: SCP-1079-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1079-JPはエリア-8159の大型Safeクラスオブジェクト格納シェルターに保管されています。シェルターの解放には管理担当サイト-8159のサイト管理官及び日本支部理事会理事1名以上の許可が必要であり、O5相当クリアランスを持つ職員であっても正当な手続きを経ない立ち入りは厳禁されています。SCP-1079-JPに関するあらゆる実験は、理事会決定8079-1079-JPにより凍結されています。再開は予定されていません。
現在、GOC極東支部との合同により、GOI-8024に対する大規模捜査の実施が計画されています。補遺1079-JP-1も参照してください。
説明: SCP-1079-JPは、チタンと鉛の合金で形成された円筒状の構造物です。半径は1.5m、全長は約3mであり、重量は0.83tとなっています。円筒の内部は空洞であり、上部には下記に示すレーザー光を照射するための穴1が開けられています。また、上部から約1m下った地点の外周にはスイッチ状の突起が設置されています。
SCP-1079-JPの内部は、未知の触媒を利用した光共振機となっており、スイッチ状の突起を押すことによって、内部からレーザー状の可視光線を発射します。この光線をSCP-1079-JP-1と定義します。SCP-1079-JP-1はルビジウム炎に似た紫色を帯びます。通常の光共振機に必要な電力の供給がないにも関わらず、いかなる原理によって作動しているのかは現在調査中です。SCP-1079-JP-1の最大照射距離は約30mと推定されています。
三次元空間に発射されたSCP-1079-JP-1は、位相空間に異常なベクトル束を形成します。肉眼においては、このベクトル束は魚眼レンズを通じたような局所的空間歪曲として視認されます。また、歪曲は素朴に想像されるような平坦なものではなく、幾何学的に波動様の形質を取ります。ベクトル束には零切断の要素が含まれており、SCP-1079-JPの本体を任意の方向に移動することによって、開始点から終点にかけてスカラー情報で定義されるベクトル場を形成します2。このベクトル場の次元は、通常与えられるベクトル空間の次元定理に反し、4次元を超える不確定かつ極めて不安定な濃度を持っています。現在実験で観測された最大濃度は17次元です。
異常な次元濃度で満たされたベクトル場は、ユークリッド空間上のあらゆる多様体に対し不可逆的な影響を齎します。例えば、ベクトル場を通過した多様体の座標近傍系は即座に崩壊し、位相空間上の局所自明性を維持できません。原理上、他のSCPオブジェクトによって形成された異常な空間を除けば、SCP-1079-JP-1によって破壊不能な物質は三次元空間上に存在しないと推定されています。
補遺1079-JP-1: SCP-1079-JPは、GOI-8024”東弊重工”に対する捜査の一環として、████市山中にある放棄された施設の調査中に発見されました。SCP-1079-JPの開発は東弊重工において”TH-G”というプロジェクトネームで呼ばれていたことが判明しましたが、オブジェクトに関するあらゆる研究書類は処分もしくは逸失したものと推定されました。オブジェクトの回収後、性質への十分な調査が行われない中での不用意な実験により、エリア-8159研究棟は半壊し、15名の財団職員が犠牲となりました。
更なる調査の結果、SCP-1079-JPは量産を前提とした兵器である可能性が強く示唆されたことから、GOI-8024に対する警戒レベルは8へ引き上げられました。現在、GOC極東支部との合同により、SCP-1079-JPの他の生産拠点の調査が実施されており、2週間後に関東エリア内での各拠点に対する大規模捜査が実行される予定です。
補遺1079-JP-2: 以下に示すのは、施設への第二次調査時に発見された、SCP-1079-JPの兵器利用を示唆するPDFデータの一部です。データは施設の隠し部屋内部に存在する端末から発見されました。