免責事項: 下記の取扱方は、現実改変型異常存在を主として扱う収容プロトコルであるX10-06の改定のため、変更されることが予想されます。参照:Collins, Jessica, "The Scranton Report", Entropy: An SCP Foundation Journal, 19██.
アイテム番号: SCP-1095
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-1095は暫定的にテキサス州██████の現地にて収容されます。周辺の建物は改築中という名目で一般の立ち入りは禁止されます。最低でも二名の警備員が侵入を防ぐため配置されます。SCP-1095の性質のため、レベル1保安職員がSCP-1095の入り口付近に配置されます。SCP-1095-1内部のSCP-1095の周囲には障壁が築かれます。
Xi-06イベントの可能性を最小限とするためサイト156がSCP-1095-1内部に設置されます。SCP-1095-1は全てのSCP-1095-2実体の活動をモニターするため監視されます。エージェントと警備員がSCP-1095-1の警察区域と市庁舎の付近に配置されます。職員はXi-06イベントの対処においてSCP-1095-2-B実体を補助することが推奨されます。
機動部隊Xi-06("ビクスビー・ハンターズ")の任務はXi-06イベントに対応することです。Xi-06イベントの後には、イベントの目撃者にはクラスB記憶処置が適用されます。サイト156の職員の任務はSCP-1095の新たな位置を特定することです。これはSCP-1095を通じて転移し新たな周辺環境を調査することでなされます。新たな位置は、収容専門家を適切な収容を確実なものとする目的でその地域に派遣するため、報告されなくてはなりません。
説明: SCP-1095は、テキサス州█████の██████酒場内部の3.1m×3m×2.4mの空間的異常存在です。SCP-1095は周辺領域の微かなぼやけとして見える、局所現実への微小な影響を発揮します。
SCP-1095を通過した場合、即座に██の████████市に似た場所(SCP-1095-1と呼称)に転移します。SCP-1095-1内部のSCP-1095の場所はSCP-1095-1の市庁舎の中です。SCP-1095-1の広さは1.2平方kmです。SCP-1095-1を超えた領域は不明な起源による電気フイールドでドーム状に包まれた白い平原となっています。
SCP-1095-1にはおよそ70000人の人型の住人がいて、全員がレベル4現実改変者です(SCP-1095-2と呼称します)。これら実体は半径11m以内の局所現実を改変する事ができます。この操作は物体1の移動、変形、消滅と出現に限られます。実体群は他の実体や人員に直接これらの能力で影響を与えることが出来ません。殆どの実体は、SCP-1095-2-Bを除いて、自分自身に局所現実の操作を使うことも出来ません。
実体群は政治的に3つのグループに分けられます。
- SCP-1095-2-A: このグループには住人の大部分(およそ60000)が含まれます。これらの実体は能力を些細な目的(例:ドアを開ける、車を動かす等)でしか使いません。これらを超える能力の使用の試みはSCP-1095-2-Bにより禁止されています。
- SCP-1095-2-B: このグループに分類される実体はおよそ300人です。これらの実体は法執行機関、司法機関、政治的指導層に似た役割を持ちます。殆どの場合、これらの実体は能力を命令を遂行させるために用いると記録されています。
- SCP-1095-2-C: およそ50-200人の住人がこのグループに分類されます。このグループに属する実体は能力を悪意を持って使います。ほとんどの場合、2-B実体の介入で十分2-Cの収容は維持されます。介入が不成功に終わった場合は、これらの実体はSCP-1095を通過してSCP-1095-1からの逃亡を試みます。
SCP-1095-2実体が一人でもSCP-1095を通過し現実世界に現れた場合、Xi-06イベントが発生します2。このイベントの間、周辺の局所現実は激しく撹乱されます3この撹乱はSCP-1095-1の外側すなわちSCP-1095を取り巻く局所現実の破壊をもたらします4。Xi-06イベントのあと、SCP-1095は他の場所へ瞬間的に転移します。SCP-1095が現れる場所は通常小さな町の酒場や商店の中になります。
発見: SCP-1095は当初ネバダ州█████の酒場の中で発見されました。異常現象は現地の警察によって報告されました。警察組織に潜伏したエージェントが財団にコンタクトを取り、直後に暫定的な収容エリアが構築されました。収容から間もなくして、数人のDクラス職員が異常の性質を調べるためSCP-1095へ送り込まれました。
続く探索の後、実体群は職員に気づき接触を試みました。SCP-1095-2-B実体群は敵対的でした。DクラスはSCP-1095-1を離れるように指示され、その直後にXi-06イベントが発生しました。Xi-06イベントは収容違反をもたらし、収容エリアを破壊し多くの犠牲者が出ました。機動部隊が派遣され、SCP-1095-1外でSCP-1095-02実体群を終了することによりイベントは終了しました。イベントの目撃者にはクラスB記憶処置が施されました。イベント後、SCP-1095は当初の位置から消失しました。
試験体はSCP-1095-1内部に留まりました。SCP-1095の新たな位置が発見され、新しい収容方法が考案されました。
財団の職員とSCP-1095-2実体群との間に外交的な関係が樹立されました。少数の実体は脅威とみなされ、SCP-1095-2-Cに分類されました。

SCP-1095-2-B-1の写真。前市長の███████ █████に酷似している。
事案1095-02: サイト156がSCP-1095-1内部に設立されました。エージェントが商店、市場、その他の社会活動の場に配置されました。監視が増えたことによりSCP-1095-1の住人に社会不安が広がりました。SCP-1095-2-B実体により新たな立法がなされ、職員による監視は緩められる事になりました。しかしながら、SCP-1095-2-C実体を洗い出すための検査は強化されました。
一人のSCP-1095-2-A実体がSCP-1095-2-Cとなったことで非難されました5。結果として、住人の間で社会不安が高まりました。不安感を鎮めるためSCP-1095-1の路上に警備員が配置されました。
問題のSCP-1095-2-A実体は有罪判決を受け2年の懲役に処されました。住民の社会不安感は高まり続けました。犠牲者は出なかったものの、有罪判決に伴いXi-06イベントが起こることが懸念されました。SCP-1095周辺の警備は強化されました。
事案1095-15: SCP-1095-2-B-1から声明が出されました。
SCP-1095-2-C実体をスクリーニングするためのルールの見直しに関する財団とSCP-1095-2-B実体軍の間の同意が締結されました。監視は減らされ、警備員/エージェントの配置はSCP-1095-1の市庁舎と警察署に隣接した駐在所に限定されることとなりました。
これらの措置が実施されてから数週間後、数人のSCP-1095-2-Cが収容を突破し、複数のXi-6イベントを引き起こしました。数人のSCP-1095-2-Bが収容に協力しようとしてSCP-1095を通過しました。これは結果としてSCP-1095の以前の収容地点であった██の█████市の激しい破壊をもたらしました。
SCP-1095-2-C実体たちは終了されました。SCP-1095-2-B実体たちはSCP-1095-1に帰還するように指示されました。█████市は近隣の森林火災からの延焼を受けたというカバーストーリーが設定されました。このストーリーに沿って放送とニュースは改変されました。█████の住民には記憶処置が施されました。SCP-1095の新たな所在地は程なく発見され、暫定収容サイトが周囲に建設されました。
SCP-1095-2-B-1の近親者であるSCP-1095-2-B-5が事件以降行方不明となりました。
この記録の時点で、SCP-1095-B-5は見つかってはいません。
補遺1095-08: 事案1095-45からおよそ5ヶ月後、SCP-1095-2-B-5はサイト132の近くで発見されました。SCP1095-2-B-5は保護されSCP-1095の暫定収容サイトに最も近いサイト██に送られました。
以下はキム博士により行われたSCP-1095-2-5のインタビューです。
インタビュー対象: SCP-1095-2-B-5
インタビュワー: キム博士
前書: SCP-1095-2-B-5は半径2メートルの視覚状のぼやけとして見える局所現実への影響を発揮していたと記録されています。この影響はSCP-1095-2-B-5が移動すると正常に戻ります。
<ログ開始>
キム博士: どうしてここに来たのか話してくれますか?
SCP-1095-2-B-5: 多くは言えない。だが俺は警告のためにここに来たとは言える。もっと時間があればいいのだが。だが俺は死んだも同然だ。
キム博士: 心配しないでください。我々があなたを守ります。
SCP-1095-2-B-5: いや、あんたはわかってない。俺達はずっと欺いてきた。俺たちは強大な力を持っている。俺達はただ、それを隠すのに長けているだけだ。俺達が支配してる住人たちよりもっとな。ただ一人の力じゃ数万には勝てないってだけの話だ。
キム博士: わかりました。整理すると、あなたは、あなた達は現在発現させているよりも強い能力を持っていると言っているんですね?
SCP-1095-2-B-5: そうだ。もし俺たちが現実に穴を開けることに集中したら、能力をずっと増強できるという方法に気付いた。俺達はもうこじ開けるばかりになった穴を作った。あとは反対側から誰かが開けてくれることが必要だった。長く待ったが忍耐は報われた。あんたのところの奴が頭にカメラくくりつけてよろめきながら入ってきて、俺達はイケると思った。だが残りのあんたら財団が現れた。そこで俺達は交渉しなくてはならなくなった。
キム博士: 記録しました。他に付け加えたいことは?
SCP-1095-2-B-5: あんたらが追っている奴ら…あいつらは間違っている。本当はもっと言いたいのだが。あんたらの仲間に気をつけろと言ってくれ。ここに来たことが間違いだったのだから。
キム博士: そうします。協力に感謝します
<ログ終了>
結語: インタビュー終了から数日後、SCP-1095-2-B-5の肉体はサイト██の局所現実を激しく崩壊させました。この結果収容セルは破壊され、実体は消滅しました。この出来事の数時間後局所現実は正常に戻りました。
補遺1095-10: レベル3以上の職員に制限されます。