SCP-1095-JP
評価: +182+x
blank.png

アイテム番号: SCP-1095-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1095-JPに関する実験はレベル3以上の職員3名の承認によって行われます。SCP-1095-JPの全ての放送は機動部隊鉄-壱("完全無欠な商品")によって放送所を傍受・特定し、SCP-1095-JPの放送を一時的に阻止しなければなりません。また、この時記録された放送内容はサイト-8179の保管庫に保管されます。

説明: SCP-1095-JPは「やぁボブ、今日はどんな商品を紹介するんだい?」と題する通販番組であり20██/█/██に放映が開始されました。SCP-1095-JPはボブと名乗る白人男性(以下、SCP-1095-JP-A)とマイケルと名乗る白人男性(以下、SCP-1095-JP-B)の2名が最新技術で作られたと主張する共通点のない様々な商品を紹介する番組であり、放送終了直前に「購入希望の方はこちらまで」と発言した後発信地不明の電話番号が表示されます。また、SCP-1095-JPの撮影場所及び発信場所は不明であり、日本全土の放送所へ強制的に介入する形で放送している事が調査の結果判明しました。

SCP-1095-JPにて購入した商品を使用すると同時に、購入した人物(以下、消費者)の周囲にSCP-1095-JP-A及びSCP-1095-JP-Bが出現します。SCP-1095-JP-A及びSCP-1095-JP-Bは消費者に対して非常に友好的に接し、購入した商品の使用方法等の説明を行います。この行動を行うのは初回使用の時点のみである事が実験により判明しています。

前述した行動を行った後、SCP-1095-JP-A及びSCP-1095-JP-Bは商品の使用を促すような行動及び妨害を行います。これに対して消費者は疑問等は抱かず商品の使用を試みます。SCP-1095-JP-A及びSCP-1095-JP-Bは出現してから放送時間と同様に30分後に消滅します。

この状態を1度でも体験した消費者は以後、SCP-1095-JPで紹介された商品以外の物品及び食料では生活できない状態に陥ります。一例では、通常の店舗にて食料を購入し食した場合、その5分後に嘔吐する等で戻してしまう事や、掃除機を購入し使用した場合、即座に故障し使用できなくなる等が挙げられます。商品の使用を重ねていく毎に消費者はSCP-1095-JPで注文した商品の説明等に矛盾が発生していた場合でも疑問を抱かなくなる事が実験により判明しています。またこれら一連の異常性は記憶処理を施す事により無力化が一部可能である事が判明しました。

補遺1095-JP: SCP-1095-JPは███県全域で放送され、被害を受けた住宅の近隣住民がその状況を警察に報告した事で存在が発見されました。その後、消費者に対して記憶処理を施した後解放し、財団が放送局等と協力し、放送を阻止し、その後現在の特別収容プロトコルが構成され正式に収容されました。

補遺1095-JP-2: 20██/█/██、実験のためD-1095を使用し、SCP-1095-JPで1ヶ月生活する実験が提案され承認されました。1日目にてD-1095はSCP-1095-JPにて高級キャベツ及び岩塩を購入し、調理した所SCP-1095-JP-A及びSCP-1095-JP-Bが出現しました。以下は、その時の会話内容を録音した物です。

D-1095: うわ、お前らはテレビに出てた奴らか?

SCP-1095-JP-A: へい、そうさ。さっそく超高級キャベツを使ってくれているね? サンキューサンキュー。

SCP-1095-JP-B: いやー、アレは本当に困ったなぁ、で説明だけど……まぁ、食料だし説明不要か。普通に使用用途にも適しているし!

SCP-1095-JP-A: じゃぁ、俺たちは用済み? Oh No!

D-1095: えっと……。じゃぁ、調理終わるまで会話でもするか?

SCP-1095-JP-B: おっ、いいね。

D-1095: [5秒間の思案] なぁ、あの放送ってどこで撮影とか放送とかしてるんだ?

SCP-1095-JP-A: それは、トップシークレットさ。夢を壊す事になる。

SCP-1095-JP-B: 強いて言えばそんな隠れた場所ではないさ。

D-1095: そ……そうか。てか普通のキャベツよりも焼ける時間が速いな。もう焼けちゃった!

SCP-1095-JP-A: そりゃそうさ、"超"高級キャベツだからね!

SCP-1095-JP-B: すごかろう!すごかろう!

D-1095: ああすげぇ!

3人: すげぇすげぇ!

[記録終了]

終了報告書: この会話記録の後、SCP-1095-JP-A及びSCP-1095-JP-Bは消失。後にD-1095に対して質問した所「キャベツは普通の味だった。超ってなんだろうなって。」と回答しました。健康診断の結果D-1095に体調等の問題は見受けられなかったため実験の続行が承認されました。摂取したキャベツを調査した所、カロリー数値が通常のキャベツの██倍であった事が判明しました。

補遺1095-JP-3: 実験最終日、D-1095に対してSCP-1095-JP-A及びSCP-1095-JP-Bに対して"周囲に出現する理由を質問しろ"と命令を下しました。D-1095はそれに対して疑問を抱きながらも承認しました。D-1095はSCP-1095-JP-A及びSCP-1095-JP-B出現後に上記の質問を問題なく質問しました。以下はその記録の内容です。

D-1095: なぁ、あんたらの番組にはいろいろ感謝してるよ。埃を食べられるように"様々な物に味付けしてくれる調味料"とかを紹介してくれてさ。あれで食はもう凌げるよ。

SCP-1095-JP-A: そうだろそうだろ? でももう埃もないくらい綺麗じゃないのかい。

SCP-1095-JP-B: 今日はどうやって食を凌ぐというのかい?

D-1095: いや、まぁ、最近肉が食えてないからな。[自身の左手を視線に移す]

SCP-1095-JP-B: Oh No!! 最近の人間はクレイジーだぜぇ!!

SCP-1095-JP-A: どうして、その肉を食べるんだい?

D-1095: もう金もクソもねぇんだ。仕方ねぇだろ、大体左手なんていつどこで使うんだよ。それにこの調味料買っちまったから、もう塩とかは使えないんだ。ほかに食える物なんてない。

SCP-1095-JP-A: Oh……。まぁ商品の使い道なんざ、あんたらの自由だしな。

SCP-1095-JP-B: そうだな!

D-1095: ああ、そうだよ。あっ、そうだ。1つだけ疑問があるんだ。聞いてもいいかい?

SCP-1095-JP-A: おうおう、なんでもいいぜ?

SCP-1095-JP-B: 俺にこたえられる範囲であればだが。

D-1095: なんでお前らは俺の周囲に現れるんだ?

[沈黙]

D-1095: ……? どうした?

SCP-1095-JP-A: そういえばなんでだろうな。

SCP-1095-JP-B: 商品を説明してあげるためじゃねぇの?

SCP-1095-JP-A: でも毎回出現する必要はないよなぁ……。

D-1095: 取扱説明書とか作ればいいんじゃないかな?

SCP-1095-JP-A: なんだいそれは。

[D-1095は当実験用に用意された部屋に設置された電子レンジの取扱説明書をSCP-1095-JP-A及びSCP-1095-JP-Bに見せる]

D-1095: こういうのだ。

SCP-1095-JP-A: えぇ!? この世界にはこんなものがあるのか!?

SCP-1095-JP-B: ボブでも知らない物があるのかぁ!?

D-1095: え……えっと。

SCP-1095-JP-A: なぁ、これ何円で売ってくれる?

SCP-1095-JP-B: 俺たちもこれを見て参考にしたいな!

D-1095: よかったらあげるよ。

2人: サンキュー!

[記録終了]

終了報告書: 当会話記録終了から3分後にD-1095は"様々な物に味付けしてくれる調味料"と記載された未知の原料で構成された粉末を自らの左手に振り、食べようと試みた所を監視エージェントが捕獲し回収されました。D-1095は後に実験報告等を行わせた後に記憶処理を施しSCP-1095-JPの実験から解任されました。また、SCP-1095-JP-A及びSCP-1095-JP-BはD-1095が回収されてから1分後に消滅しました。

事案1095-JP: 補遺1095-JP-3終了から5日後、D-1095の実験報告に立ち会っていた████研究員がD-1095が報告した商品以外の物品が使用できなくなる事案が発生しました。D-1095及び報告された商品を調査した所、今回の事案1095-JPに関連する異常性が見つからなかった事から、██博士は「SCP-1095-JPを使用した人物が"購入した商品の詳細情報"を他者に伝える事によりSCP-1095-JPと同様の異常性に感染させるミーム的効果があるのではないか」という推測が立てられました。████研究員は事案1095-JP発生後即座に記憶処理を施した後通常の業務に復帰しました。

追記: 事案1095-JP発生の翌日、突然SCP-1095-JPが定期放送日で無いにも関わらず、臨時放送と称して放送を行おうとしていた事が機動部隊鉄-壱構成職員の報告により判明しました。以下はその内容の全文です。

SCP-1095-JP-A: やぁみんな! 今日は突然の臨時放送をしてしまってすまんな! まぁつっても、商品は紹介しないんだけどな。

SCP-1095-JP-B: 今日は大変喜ばしい事が起きたんだ!

SCP-1095-JP-A: なんと、この番組の商品を購入したお客さんが、私達の商品を宣伝したらしいんだ!

SCP-1095-JP-B: いえーい! 最高にうれしいぜぇ!

SCP-1095-JP-A: そのお客さんには後日特別に当番組で使える割引券のチケットを贈呈するぜ!

SCP-1095-JP-B: やったー! でもボブ! 何割引きなんだー?

SCP-1095-JP-A: それはその客次第だゼェ!

SCP-1095-JP-B: そっかー! でもこれで、そのお客さんはチケットを使って商品を買って、そして俺たちは大儲けできるわけだ!

SCP-1095-JP-A: そうさ! お客さんにも利があって俺たちにも利がある! 素晴らしいだろう! じゃぁ今回はここまでだ! これからも番組をよろしくな!

SCP-1095-JP-B: よろしくよろしくぅ!

以下の放送が終了した後、以前D-1095が実験のために使用していた個室内にて以下のような紙切れが置かれているのが確認されました。

特別大特価割引券購入チケット


特別割引券1~10割 - 1割引につき[編集済み]円


ボブ&マイケルより感謝を込めて販売します。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。