SCP-110
評価: +14+x

アイテム番号: SCP-110

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-110の入口は、O5-█の認可があるまで常に閉鎖されます。SCP-110の上を覆う約6平方kmの土地は、一般大衆の注意を引きつけない郊外地区として開発されます。SCP-110が起こすかもしれないどんな運動も「微弱な地震活動」として説明されることになっており、いかなる苦情も無視されます。

説明: SCP-110は、ニューヨークの[データ削除済]にある大規模農場の直下0.5kmに埋没していることが判明した都市の総称です。第02および第03調査チームは、埋没している都市の総面積がおよそ6平方キロをカバーしていると結論付けました。SCP-110の内部からは興味深いアイテムが多数発見されており、それらは今後SCP-110-xxと分類されます。

SCP-110のよく知られている来歴

19██年8月11日: ニューヨーク都心から遠く離れた郊外で大地震が発生。その死傷者は男性1人とその飼い犬1匹のみであり、その事件に注目した主要メディアは皆無。

19██年5月15日: SCP-110のエリア全体で小さな地震が続発。連邦政府は、原因を特定するためサイトへ地質学者チームを派遣。彼らは満足な結果を得られぬまま戻る。

19██年5月16日: SCP第03発掘チームにサイトの調査を指示。到着時、チームはSCP-110-01に迎えられる。チームは直ちにこれを拘束し、さらに尋問すべく[データ削除済]に移った。

19██年5月24日: SCP-110-01およびSCP-███から得られた情報により、SCP-110内に存在する大型の障害物が土壌と岩盤の置換によって地震を引き起こしていることが明らかとなった。別のSCP発掘チームをサイトへ派遣。

20██年2月9日: 数ヶ月間の作業の後、SCP第04及び第05発掘チームは、頑強で貫徹できないSCP-110の外壁を露出させた。より詳細な情報が得られるまで調査は停止。

20██年7月25日: 最近行われたSCP-███上のファイルの復元と解読により、SCP-110の概略図が利用可能となる。SCP-110の主要入口を発見するため第04及び第05発掘チームを現地へ送還。

20██年8月4日: SCP-110の入口を発見。このとき発掘チームは"腐敗臭"としか言い表すことのできないものに遭遇。SCP-110は活動中のクラス-4都市でした。しかしある事故によってその中核機能はひどく破壊され、都市全域が寸断されたと考えられます。SCP-110の発掘作業および、SCP-110とその内部で死亡した何千もの民間人の存在隠蔽が開始されます。

SCP-110の構造:

SCP-110の一般的な構造は路面電車、列車、およびその他の交通機関で接続された複数のリングです。探索者は、SCP-110がそれぞれ特定の機能をもつ無数の区画と階層をもつことを突き止めました。以下にその詳細を記します。

「中枢区画」: SCP-110の交通密集地帯で発見されたいくつもの地図は、中央の「列」を「中枢区画」の施設と表示していました。調査は厳しい保安上の制約から制限されていましたが、SCP調査チーム01により、この地下都市が自活するために擁していた数々の技術が発見されました。これらの技術の中には一連の再利用設備がありました。核融合と地熱をもとにエネルギーを生産する複合反応炉、精巧な水循環系統、大規模な廃棄物再処理場などです。中枢区画はいくつものエレベータと非常階段に囲まれています。中枢区画のいくつものエリアは研究目的である職員に割り当てられていました。

「大庭園」: 中枢区画と、おそらくかつて存在した樹木を覆う巨大で開けたドーム状の区画です。ドーム自体は巨大な1つのディスプレイ(その材質は特定出来ず)であり、1日の時間経過を表すために空の模様を表示するものとして使用されていました。いくつもの路面電車の線路が、中枢区画から、少なくとも庭園の3つ階層へ伸びています。調査担当者はこれを「車輪のスポーク」のようだったと説明しています。区画ごとの死亡者数はここが最も多く、ここが都市の中でも往来の多い場所だと思われます。

「環状商業区画」: 小さなチェーン店や個人商店に利用されていた円環状の区画が庭園を囲んでいます。商品が都市内で作成されたものであるか否かは不明ですが、中枢区画の計り知れない大きさのため、そして都市が自給自足であったと見られることから、中枢区画が生産区画を持っていた可能性が高いです。

「環状住居区画A」: この区画で発見された生活空間は、住民が都市の中でも最も裕福であったことを示唆しています。都市の至る所で発見されたいくつもの文書がこの仮説を裏付けているようです。

「環状住居区画B」: この環状区画全体にはSCP-110の中産市民が居住していました。このエリアでは現在も興味深いアイテムが捜索されています。現在までに█つのSCPがここから回収されました。

「環状住居区画C」: この環状区画にはSCP-110の下層市民が居住していました。非常に状態が悪いことが分かっており、現在SCP保守チーム01-12が補修しています。中枢区画から最も離れているため、現在の混乱による被害が最も大きいのだと憶測されます。

「菜苑群1」: 多くの地図でそう書かれているように、これらの菜園は大庭園よりもほんのわずかに小さく、SCP-110の人口の推定80%ほどの食糧を供給していました。菜園群はかつて野外にあり、SCP-110は本来の位置から少なくとも300m下降したと推定されるため、ここは甚大な被害を受けています。この菜園群の回復は有用な発展した植物栽培技術を明かしています。

「動物苑」: 動物苑は20%の食糧供給を担っていました。庭園にはかつて、そこで育てられた動物たちの自然環境をなぞらえた少なくとも20の階層がありました。各層は気候を細かく制御され、異なる種の動物同士が接触しないよう細分化されていました。庭園に隣接する遺伝子研究所が完全な状態で発見され、現在担当者が調査しています。

「遊苑群」: これらはレクリエーション目的で利用されていました。これらは環状居住区画の間で発見され、典型的なものは公園、ショッピングモール、人工的な水場、そしてそれ以外の市民のレクリエーション施設で構成されます。これらはSCP-110の住人がアウトドアのような環境として、あるいは気温・湿度制御のために利用していたことを想起させます。社交の場が設けられていました。

SCP研究環: 都市内からこの区画の存在を裏付ける文書を発見することは出来ませんでしたが、都市は最も外側にある環状区画を、SafeおよびEuclidクラスのSCPの研究に割り当てていたようです。この事実はSCP-110が元々民間部門によって設計されたのではなく、むしろ現在のところ未知のSCPを秘匿するための隠れ蓑として利用されていたことを示唆しています。SCP-110の外部から最も大きな損傷を受けているため、この区画は非常に危険であり、したがって、より危険なSCPが脱走した可能性があります。SCP調査チーム03のうち2人だけがこの区画の調査から生還しました。彼らの報告は文書#110-Fに記載されています。

SCP-110の建築様式

SCP-110は人工由来であることが確認され、建造物に用いられるすべての材質は地球上のものです。建築様式は場所によって異なります。主な様式を以下に列挙します。

中枢区画: 近代実利主義様式

大庭園: 復興ギリシャ・ローマ様式(すべての庭園に当てはまる)

環状商業区画: ポストモダン様式

環状住居区画A: アール・デコ様式

環状住居区画B: 印象主義様式

環状住居区画C: 近代実利主義様式

SCP研究環: 損傷が激しく特定不能

SCP-110のその他の建築様式は一般的な建築年代を突き止めようと試みた際に問題が発生しました。発見された最新の文書にはこの都市が[データ削除済]団体により[データ削除済]に建設されたと記されています。

文書#001-A: 最期のノート

このノートを見つける方々へ:

私の名前はスティーヴン・コルスニクです。もっと正確に言えば、私の名前はスティーヴン・コルスニク、でした。あなたがこれを読む頃には、私はこの世を去っているでしょう。

私はこの都市のチーフ・エンジニアであり、外部格納施設と居住リングを対象とした[データ削除済]プログラムの管理者でもありました。[データ削除済]として知られるある存在に関連する事故により、[編集済]の全都市は[データ削除済]のその本来のエリアから分断されました。

誰も、私たちがどこにいるか知りません。

私が確認できた事柄から、アウター・リングは甚大な被害を受けたと思われます。また、それらの被害がインナー・リングの住民をも脅かしています。しかしながら、コアが重大な損傷を受けてしまったことで、私たちの運は完全に尽きました。

コア内に含まれていた主要な生命維持機能のうちの3つは、修理が可能な度合いを超えて破損しています。それらを修理しようとするどんな試みも、私たちが命を落とす前に間に合う事はないでしょう。

もうじき生命維持装置がダウンします; 私は4時間から10時間のあいだにそれが停止するものと推測しています。

これを発見する全ての方々へ:

どうか、可能な限り[データ削除済]を封じ込めてください。私たちの封印手続と同じ間違いを犯さないでください。もし過ちを繰り返すのならば、それを後悔することになりましょう。

(文書はここで終わっている)

SCP-110の内部に見つかった注目すべきSCPのリスト

特に注目されているのは、SCP研究環のビバリウムにおいて、他の非異常の動植物に混じって安定した個体数のSCP-392SCP-5280SCP-4781が飼育されている点です。回収文書では[データ削除済]

[データ削除済]

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