SCP-1103-JP
アイテム番号: SCP-1103-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1103-JPは、常に水中で活動する事と自然消滅する性質から、個体の把握・監視は行われません。SCP-1103-JPが腐敗する様子がネット上などにアップされるなどした場合に、異常性の情報が拡散されるのを防いで下さい。
SCP-1103-JP-Aは可能な限り回収し、収納された水死体の情報を記録後、サンプルとしてサイト-81██に一時的に保管されます。保管するSCP-1103-JP-Aは10基までとし、超過した分は焼却処分してください。収納されていた水死体は、通常の方法で納体袋ごと火葬を行って下さい。大規模な海難事故などの情報を収集し、水死体が集まることが予測される地点を複数設定して下さい。設定された地点には特別回収チームが組織されます。
説明: SCP-1103-JPはアカボウクジラ(Ziphius cavirostris)のように見える、全長7m前後の生物的実体です。体内に木棺(以下、SCP-1103-JP-Aと呼称)が収納されています。SCP-1103-JP-Aの存在により、泌尿器、生殖器、内分泌器、呼吸器、消化器系を有していないにもかかわらず、活動する事が可能です。また、雌雄共に歯を持ちません。ある程度原形を留めた人間の水死体のみを選んで摂食する習性があり、未知の方法で体内のSCP-1103-JP-A内に収納していると考えられます。腐敗が進行した死体を優先する傾向があり、水面に浮いている死体を摂食した例は確認されていません。水死体を探すため、常に潜水を繰り返しています。摂食する水死体を何らかの方法で区別しており、同じ死体を複数個体が摂食する事はありません。水死体の50%以上を摂食後SCP-1103-JPは自発的に海面に浮上します。SCP-1103-JPは浮上後、約10分後に急速に腐敗し、完全に消滅します。現在、世界中の海域に生息しており、全生息数の把握は困難です。
SCP-1103-JP-Aは、230×70×70cmの木棺です。材質はモミ(Abies firma)である事が判明しています。形状は平棺に近く、蓋部分は平らです。SCP-1103-JP-Aが人間によって開封されるまで物理的影響を受けず、蓋が自然に開く事はありません。内部に可燃性の納体袋が存在し、SCP-1103-JPが摂食した水死体が納められています。開封されるまで、SCP-1103-JP-Aは強い浮力を示します。側面部に内部に収納されている水死体の名前、死亡推定時刻、出身地と思われる情報が英語で刻印されています。
補遺: 継続的な観測により、SCP-1103-JPの多くの個体に共通して、体のどこかに英語の文章が刻まれた白い傷跡があることが新たに判明しました。確認された全ての例で、以下の文面が確認されています。
The pain of parting is nothing to the joy of meeting again.
(別れの痛みは、再会の喜びに比べればなんでもない)1