SCP-1108-JP
評価: +17+x
blank.png
Shrine.jpg

SCP-1108-JPが居住する神社


アイテム番号: SCP-1108-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1108-JPが居住する神社を含む森林地帯は自然保護区に指定し、監視所を設置します。神社より6km圏内は2.5mのフェンスで囲み、定点観測カメラによる監視を定期的に行ってください。また、定点観測カメラの映像に動きがあった場合に備え、最低2人の財団エージェントを配置します。

SCP-1108-JPの歌唱の中断、または児童のものに類似した泣き声が確認された場合、直ちにセキュリティクリアランスレベル2職員に通報し、鎮圧体制を取ってください。

満月が出ており、且つ晴天の場合、監視を常に行ってください。動きがあった場合は防弾シールド等を用い、SCP-1108-JPが神社から出ないよう速やかに封じ込めてください。また、甘酒、または清涼飲料水と甘味類を3日に1度与えてください。

尚、後述の実験記録の結果から、SCP-1108-JP-aの回収実験は███博士により禁止されています。

説明: SCP-1108-JPは、背丈100cm程の市松人形です。一般的な6歳児と同じ程度の知能があり、対話が可能です。自身の周りに新生児を模した人形(SCP-1108-JP-a)1を並べており、積極的にそれらの腐敗を遅らせる為行動します。また、SCP-1108-JP-aは一般的な人形に比べ非常に腐りやすいことが判明しています。

SCP-1108-JPは晴天であることに加え、満月である時に活性化します。活性状態での活動時間は月が昇り始めてから凡そ10時間ほどで再び非活性化しますが、射撃や殴打を行うことで沈静化する事が可能です。

活性化したSCP-1108-JPは、最も近い人間のいる場所に歩いて移動します。移動した先に3歳以下の子供がいた場合は『捕食』(ここではSCP-1108-JP-aを増やす為の行為を指します)します。その捕食のプロセスは頭頂部から首までにかけ、頭部が裂けるところから始まり、毛髪を触腕のように変化させた後、捕らえた対象を上記の口のような器官に収納します。一度に捕獲出来るのは1人まで、収納することが出来るのは3人までと上限があります。

また、被食者の保護者にあたる者やSCP-1108-JPに危害2を加えたものは3日以内に自殺を図ります。

SCP-1108-JPは上記の『捕食』を終えると神社内に戻ります。その後2週間から1ヵ月にかけて腹部が徐々に膨張します。膨らみが一定の大きさになると頭髪を刃物に似たものに変化させ、それを用いて腹部を切開します。その後体内からSCP-1108-JP-aを取り出し、以下のような行動をとります。

行動 詳細
給餌 与えられた菓子類を小さくして与えます。食事を与えられたSCP-1108-JP-aは腐敗までの時間が延びる事が確認されていますが、その原理は不明です。また、SCP-1108-JP-aは食事を摂取している様子は無く、与える様子は子供の「ままごと」に類似しています。
衣服を与える 被食者の体組織から和服を作り与えます。どのように作られているかは不明ですが一般的な和服と作りは変わらないように思えます。

SCP-1108-JPは群馬県██町北部に存在する森から、「近所の森から異臭がする」との通報を受け、財団エージェントが現地に赴いた結果、当オブジェクトの発見に至りました。異臭はSCP-1108-JPが住む木製の神社の中からしており、SCP-1108-JP-aの腐敗が進んだ際に生じたものと判明しています。

また、SCP-1108-JPは神社から24時間以上離れることを強く拒否していて、収容施設への移送が計画された際は激しく抵抗、機動部隊の隊員█名が重軽傷を負いました。

実験記録1108-JP-1- 日付19██/03/██

対象: D-115

目的: 敵対的でない接触に対するSCP-1108-JPの反応の調査。

実施方法: D-115とSCP-1108-JPを会話させる。対象にはSCP-1108-JPについて「知能のある人形」としか伝えていない。

結果: SCP-1108-JPはD-115に対し終始昔話を聞かせた。実験後にD-115は「懐かしかった」と供述。精神状態の回復が見られた。

分析: 非活性状態のSCP-1108-JPは敵対的でない人間には危害を与えないようです。より細かい実験が必要になります。

実験記録1108-JP-4 - 日付19██/05/██

対象: D-1875

目的: 敵対的な接触の基準と、それらに対するSCP-1108-JPの反応の調査。

実施方法: 非活性状態のSCP-1108-JPに様々な方法で接触する。

結果: 横倒しにする、棒状のものでつつくといった行為に対しては反応を示さなかったが、殴打されるとSCP-1108-JPは甲高い悲鳴を発した。悲鳴を認識した職員に対する経過観察のため、この時点で実験が中断された。中断から凡そ15時間後、D-1875は監視役の職員の拳銃を奪おうとしたため、終了された。

分析: 今後SCP-1108-JPに対し危害を加えるのは一切禁止します。また、実験に参加した職員の監視の強化を行います。

後記: 監視は██日まで継続されましたが、自殺を図る人物は確認されなかったため、現在では全員職務に復帰しています。SCP-1108-JPの悲鳴の影響を受けるのは、直接危害を加えた人物のみであると思われます。

実験記録1108-JP-7 - 日付20██/08/██

対象: D-17970

目的: SCP-1108-JP-aへの接触に対するSCP-1108-JPの反応と、SCP-1108-JP-aの組成の調査。

実施方法: D-17970を神社に侵入させ、SCP-1108-JP-aを複数回収させる。

結果: D-17970がSCP-1108-JP-aを手にして直ぐにSCP-1108-JPが活性化。触腕を用いて絞殺しようとしたが、D-17970が回避したため失敗。3体のSCP-1108-JP-aの回収に成功した。

検査の結果、SCP-1108-JP-aはヒトの体組織で組成されており、DNAが被食者と一致しました。また、一部のSCP-1108-JP-aには臓器と類似した形状の部位が見受けられました。

分析: SCP-1108-JP-aの回収はSCP-1108-JPの活性化を招くことが判明しました。組成に特筆すべき異常が見られなかった場合、回収実験の禁止を要請します。

後記: 実験終了後、D-17970が「腹や胸が刺されたように痛い」「血の匂いがする」と訴えました。検査結果に異常な点は見られませんでした。

補遺1: SCP-1108-JP-a(1)はサイト-8181内の標準的な収容ロッカーに保管されていましたが腐敗が著しく進み、収容から5日で原型を保つことが難しくなった為やむを得ず廃棄しました。

補遺2: 『おこもりさま』はオブジェクトの発見された地域において「子供を守る神」と████年頃から伝承されていました。現在はその伝承を知っている人間は年々減少しています。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。